第57回 朝日広告賞(第2部 受賞者インタビュー)
受賞者インタビュー 日本精工・電通
摩擦をおそれない姿勢を力強いコピーで表現

永島雅美氏
第2部最高賞は、日本精工の広告。掃除機から人工衛星まで、さまざまな機械に内蔵されているベアリングの機能を、人間の感情に重ね合わせて表現してみせた。
「従来はBtoBのコミュニケーションを重視してきましたが、商品の貢献度や企業名の認知を高めたいとの思いから、2005年に企業広告を開始しました。読者や個人株主からの多数の反響や、社員の『励まされた』『家族と社への誇りを共有できた』『モチベーションアップにつながった』といった声を受け、年を追うごとに、社内でも広告に対する理解が深まってきたと感じています」とは、同社広報部長の永島雅美氏。
制作は、電通 第5クリエーティブ局 クリエーティブディレクターの神田恭介氏。
「日本精工の工場に赴き、取材しました。機械の摩擦を減らし、省エネ化を実現する商品特性に感心したのと同時に、働く人々の表情がよくて、とにかく好きになってしまった。企業の一生懸命さやまじめさ、悩みながら前進している“人柄”のようなものを伝えることができたら、人の気持ちにまっすぐ届くのではないか、と考えました。『いいことをしている会社です』という広告が多い中、それとは違う表現にしたいとの思いもありました」
モデル選びからリアリティーを追求

神田恭介氏
読者の視線を真っ先にとらえる「マサツ」の文字は、「漢字だと印象がきついので、カタカナにしました。少なくとも『マサツ』『イケ マサツ ヲ オソレズニ→』のコピーと企業ロゴには目が行くように配置し、ボディーコピーは文節を『→』で結び、先へ先へと読んでもらうように工夫しました」(神田氏)。鼻が切れた写真のレイアウトは、視線の先に試練があり、それを乗り越えていくというイメージだ。
「モデルはオーディションをし、じっくり面接して、摩擦を乗り越えてきたモデル自身の人生がにじみ出るような人を選びました」(永島氏)
「言葉を大事にした広告。真面目な内容ですが、シリーズにしたことで、ちょっとしたいたずら心も出せました。一つの広告主と長いスパンで広告を作っていける環境が減っているだけに、日本精工さんとの出会いは本当にラッキー。若いクリエーターにもそうした出会いを大事にしてほしい」(神田氏)
最後に永島氏は、「企業姿勢は今後も変わりません。不況下でも自分たちを信じ、地道に真面目に社会に役立つことをやり、同じ気持ちでがんばっている人たちを応援していきます」と抱負を語った。

















