最も広告が見られるのは自宅での閲読時
前回は、新聞の閲読場所や朝・夕刊別に、閲読時間帯や読み方の違いを分析してきたが、広告や記事の見方も、それぞれの場所で異なるのだろうか。
そこで、普段新聞広告をどのように見ているのかを、閲読場所、朝夕刊別に複数回答で尋ねた(図1)。
「関心のある分野の商品・サービスの広告は見る」人は閲読場所、朝夕刊を問わず最も多く、特に自宅閲読では約半数近くに上る。次に、「目立つ広告には目を通す」が続いている。
一方、移動中での閲読では、「広告は見ない」と答えた人が3割を超え、職場での閲読でも3割近いスコアである。これらの結果から、新聞広告は、自宅閲読時に最もよく見られ、移動中や職場での閲読時には接触されにくいことが分かる。
また、記事の読み方について見てみると、職場で、または移動中に「見出しを見て仕事に関連する記事を見る」人が約半数以上を占め、自宅閲読よりも多い(図2)。ビジネスピープルは「仕事モード」で新聞に接触する時間(通勤中・職場)と「プライベートモード」で接する時間(自宅)では、記事の読み方についても異なることが分かる。
情報源は自宅閲読新聞の広告
新聞広告の見方には、閲読場所による違いがあることが分かった。では、新聞広告を見て、実際に商品の購入やサービスを利用したことがあるかという消費行動経験ではどうだろうか。
まず、個人や世帯に関する商品・サービスについて見ると(図3)、自宅で閲読する朝刊の広告を見て「購入・利用したことがある」と回答した人が約2割、「購入・利用の参考にしたことがある」を合わせると、半数近くの人が新聞広告閲覧により、何らかの消費行動経験を持っている。また、購入・利用経験や参考経験のいずれもないと答えた人は、自宅での閲読に比べ、移動中や職場閲読で多く、6割以上を占める。職場や移動中の新聞閲読よりも自宅での閲読が消費に結びついていることが分かる。
一方、職場に関する商品・サービスでは、個人や世帯に関する商品・サービスと比較して、個人の判断だけでは購入・利用の意思決定ができないケースが多い。従って、前者と比較して、閲読場所や朝夕刊による差は小さくなっている(図4)。職場に関連する消費行動に関する情報源としての新聞広告を考えると、「『BtoB』関連商品・サービスの広告=職場閲読新聞」という図式は必ずしも成立しないことがわかる。
広告媒体としてのカギをにぎるのは、自宅で閲読する新聞
今回、ビジネスピープルの新聞接触状況や広告接触後の消費行動について紹介してきたが、そのいずれにおいても、閲読場所(自宅、移動中、職場)による違いが認められた。
ビジネスピープルは、移動中である通勤中や職場では「仕事モード」で新聞を読み、仕事に関する記事をかいつまんで読む人が自宅に比べて多い。仕事とプライベートの時間で、新聞の閲読スタイルも読む記事にも違いが出てくるということである。
一方、新聞広告に関しては、職場だから仕事に関連する広告が見られるということではないようだ。むしろ、広告が最も見られているのは自宅での閲読で、新聞広告接触後の消費行動経験についてのデータを併せて考えると、「自宅での閲読」が、広告メディアとして重要なことが分かる。
新聞によって閲読時間帯や閲読場所が異なる状況を勘案すると、同じ新聞媒体でも、自宅を中心に閲読される新聞か、移動中や職場閲読が中心の新聞なのかによって、広告の到達や消費行動に及ぼす効果などに違いがある。ビジネスピープルに対して効果的な「広告」メディアを検討する際には、閲読場所を考慮した広告到達や閲読モードの視点が非常に重要である。
















