商品を売るとき、実際の販売価格とそれよりも高い別の価格を併せて書いたり値引き率を書いたりすることを「二重価格表示」というのはよく知られています。「通常価格6,000円を4,000円で販売」「通常6,000円のところを30%OFF」などという表示をいたるところで目にします。お客に、「今買えば得だ」と思わせるのに効果があります。
比較に使われる「高い価格」には、自店の旧販売価格やメーカー希望小売価格があります。しかし価格が架空のものだったり不正確なものだったりすると、不当表示として公正取引委員会に指摘されることになります。
レーシックと呼ばれる視力回復手術の料金表をインターネットに載せていた二つの眼科医院に対し、公正取引委員会が2009年8月6日、利用者の誤解を招くとして、景品表示法違反(有利誤認)の恐れがあると警告しました。7日付の朝日新聞をはじめ各紙朝刊によると、警告を受けたのは、東京にあるA近視クリニックとBクリニック眼科を運営する医療法人。A近視クリニックは1~3月ごろ、ホームページで、3月31日までに手術を受けると「16.8万円→13.8万円」などと手術代を割り引く表示をしていましたが、公取委の調べだと割引前の価格に実態がありませんでした。またBクリニック眼科は今年3~5月、ホームページで「16.8万円→14.8万円」などとしていましたが、割引前の高い価格で手術を受けた人はほとんどいませんでした。簡単にいうと、「根拠のない高い料金を比較対照価格にし、安いとの印象を与えた恐れがある」ということです。
「比較対照価格」について本社の広告掲載基準は、「常に値引き販売をしていると判断される広告主は、自店旧価格を比較対照価格とすることはできない」「根拠となる資料が必要」などとしています。
もっとも、レーシック手術は保険が適用されない自由診療であるため、医療法の広告規制によって標準的な費用しか表示できません。したがって、新聞広告では比較対照価格に根拠があったとしても二重価格表示はできません。今回警告を受けた手術料金の二重価格表示は、医療法の適用外であるインターネットホームページ上だったので表示が可能でした。












