朝日新聞社広告局 The Asahi Shimbum Advertising Division
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「罪つくり」な比較写真

2009/09/29

 審査担当者なら目をむくような、折り込み広告の話です。ある審査関係の会議で取り上げられた若返り効果をうたう健康食品です。「しわ しみ たるみ くすみ 完全解消!」「あなたもたった30日で必ず20歳若返る!」と、言いたい放題の文言を並べたうえに、「57歳」「62歳」などと女性の年齢を出して、使用前・使用後の比較写真を載せて若返りぶりを紹介しています。文言も写真も実にうさんくさく、景品表示法、薬事法上問題と思われます。

  特に写真は笑ってしまうほど怪しげです。50代、60代の女性が30日間健康食品を使った後の写真ですが、どう見ても20代か30代にしか見えません。しわが目立つ太めなおばさんが、輝くような肌のスリムな美女に変身しています。
 この写真を信じた人は、わくわくしながら商品を買い求めたことでしょう。案の定、消費者から苦情が寄せられたため、会議の主催団体が「特殊メイクや画像処理などの加工をしたとしか思えない。これらの写真は事実なのか」と広告主に質問しました。広告主からは「特殊メイクや画像の加工は一切ない。プロのカメラマンらを起用して光の加減などに注意を払った結果、実際の効果と異なるような変化を招いてしまった」という回答が寄せられたそうです。

  使用前・使用後写真は効果を印象づける力が大きいため、美容・エステティック、健康食品の広告でよく使われます。ずいぶん前のことになりますが、本社エリア広告の「ダイエット食品」で、この手の写真が載ったことがあります。女性、男性がそれぞれ見事な変身ぶりを見せていました。中には体重が半分ほどに減った例もありました。掲載後、心配になり、広告会社を通して書類と写真を取り寄せたところ、事実と分かってほっとしたことがあります。この時点では、美容・エステティックや化粧品の広告に関して「使用前後の写真は掲載出来ない」としていましたが、以後、食品の広告でもそのような写真は使わないことにしました。写真が実物でも、まれな成功例だけを強調することによって、読者に誤認期待を抱かせる手法だからです。

                                  

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