朝日新聞社広告局 The Asahi Shimbum Advertising Division
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意見広告で「名誉」にも配慮

2009/10/13

 「一票の不平等問題」を取り上げた意見広告が8月末、本紙に掲載されました。総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査で、不平等を合憲と判断した裁判官に不信任の投票ができることを伝える内容です。識者らで構成される「一人一票実現国民会議」が広告主となっています。

 広告は「高知3区の選挙権を1票とした場合、東京3区は0.5票の価値しかない」などと不平等地区の具体例を列挙したうえで、「裁判官一覧表」が載っています。一覧表には、今回の国民審査対象となる最高裁裁判官9人の氏名と、2007年の「一票の不平等」最高裁判決での判断履歴が書かれています。一覧表によって不平等を容認した2人の裁判官が特定できる仕組みです。この2人に対して「あなたは反対の×印を付ける国民審査権を持っています」と書かれています。ちなみに投票者の過半数が×印を付けると罷免されます。
 特定の裁判官への不信任投票を呼びかけるような内容であることから、広告審査の現場では、名誉棄損のおそれがあるのではないかとの意見がありました。本社の広告掲載基準でも「差別、名誉棄損など人権を侵害するおそれがあるものは掲載できない」としています。論議した結果、公職に就いている人たちであり、また公然の事実を伝えているにすぎないとして、名誉棄損には該当しないと判断しました。この広告の審査では、ある全国紙の審査担当者が同様の心配をしました。担当者は社の弁護士に確認したそうです。弁護士によると、あくまで国民審査についての制度の説明と、裁判官の過去の判断という既に明らかになっている事実を伝えているだけなので、該当するおそれはないとのことだったそうです。

 掲載後、読者から「こうした大事な内容の広告は、もっと早く載せてもらわないと困る。昨日、不在者投票に行き、適当に×をつけてしまった。権利を無駄にした。国民審査は、いつも何を基準に判断すればよいかわからず不満に思っていた」という声がありました。一方で「この広告は非常に不公正だ」とする声が寄せられました。

 国民審査の結果、罷免された裁判官は1人もいませんでした。ただ、×印の多さ1、2位は、広告で名前を挙げられた2人が占めるという結果になりました。

                                    

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