朝日新聞社広告局 The Asahi Shimbum Advertising Division
RSS
サイトマップ
English
お問い合わせ

印刷する

新聞豆知識

電送写真

2009/08/31

 1928(昭和3)年11月、京都で行われた天皇即位の式典を撮影することを目的の一つとして、大阪朝日新聞は同年3月、電送写真装置をドイツへ発注した。選ばれたのは、シーメンス・ウント・ハルケス社のS.K.T.(シーメンス・カルロス・テレフンケン)式。操作しやすく写真が鮮明だったのが選定の理由だ。
 4月1日付朝刊に「新装置をもって写真ニュースを電送し本紙上に一段の光彩を放つべく」と社告で予告し、新聞業界で大きな反響をよんだ。
 当時、交渉にあたった人物の手記によると、「ラジオか蓄音機に毛の生えたくらいのもので、大きめのスーツケース一つに入る」程度のものと簡単に考えていたという。しかし、装置は送画機、受画機、中継増幅装置の三つからなり、名古屋用の中継装置を合わせると総重量は6トン半に達した。貨車一両を借り切ってシベリア鉄道で運んだ。

 新鋭装置による電送写真が、初めて朝日新聞の紙面を飾ったのは同年10月21日付朝刊である。大阪朝日は、「緊張した早慶野球第一回試合」と「御大典参列用の袿袴(けいこ)姿と黒袍束帯(くろほそくたい)帯剣の姿」を掲載し、東京朝日は、「昨夜京都都ホテルにて中学生の提燈(ちょうちん)行列に答へられる秩父宮同紀両殿下」を掲載した。どちらも電送とは思えない鮮明な写真である。
 ただし、日本で最初に電送写真を紙面に掲載したのは大阪毎日だった。同年9月9日付朝刊で、田中義一政友会、浜口雄幸民政党両総裁の会見の写真を掲載した。10月16日には日本電報通信社が京都での即位行事の一つを加盟社に配信している。両社はベラン式電送機を使ったが、性能に欠陥があり、急いで日本電気製のNE式を購入して式典報道に使用した。その後NE式は改良され、朝日は東京と大阪に1セットをすえつけS.K.T.式と併置することになった。

 初めて朝日新聞の紙面を飾った電送写真

最新!新聞広告事例

新聞豆知識