広告量にみる環境広告のトレンド ~「MRS広告統計」より~

調査概要
【調査対象】2008年1/1~12/31までの朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞東京本社版最終版 朝・夕刊
【調査方法】各新聞広告において、環境に関するキーワードが含まれているものを「環境広告」としてカウント
【調査機関】エム・アール・エス広告調査

 ハイブリッド車、エコポイント、クールビズなど環境に配慮しようという取り組みや製品が、世の中に浸透してきました。世間の意識の高まりを反映してか、広告でも環境対策をテーマにしたものが増えてきています。今回は、MRS広告統計から2008年の環境広告のトレンドを紹介します。

 まず、朝日新聞東京本社版朝・夕刊での環境広告の掲載量(段数)を見ると、7月の掲載量が最も多くなっています(図1)。広告の総掲載段数は、年度末の3月にピークを迎えますが、環境広告のピークは夏前と年末年始にあることがわかります。2008年は、環境問題が大きな話題となった北海道洞爺湖サミットが開催されたこともあり、夏場に環境への関心が高まったことも影響しているようです。

 それでは、環境広告にはどのような種類が多いのでしょうか。朝日新聞に掲載された環境広告を商品大分類別にしてみると、「企業・サービス・催し物」が最も多いことがわかります(図2)。環境問題に熱心な企業が、企業広告の中に環境についてのメッセージを盛り込むことが多いと推測されます。「不動産・建設」「電気製品」も同様で、商品広告でも環境に配慮することが消費者にアピールするポイントになっているようです。また、掲載量の多い企業を見ると、大手電機メーカーや不動産業が上位にあがっています(図3)。

 環境問題は世界規模のテーマですが、広告でその取り組みを伝えていくことが重要だと認識されていることがうかがえます。