「ソーシャルサポートサービス」への取り組みを連日紹介

 NTTドコモは9月13日から4日連続で、朝日新聞朝刊にシリーズ広告「明日へ挑む。」を出稿した。打ち出したのは、同社が力を入れるソーシャルサポートサービス。モバイル通信やネットワークを核にさまざまなサービスを統合し、イノベーションによって社会や産業のインフラを発展させるというサービスの数々だ。広告制作を手掛けたNTTドコモプロモーション部プロモーション戦略第2プロモーション企画担当課長の上野竜太氏と、同担当の柳奈智氏に、出稿の経緯やシリーズ展開のねらいなどについて聞いた。

「開発途上の芽」も紹介 新しい分野にチャレンジする姿勢をアピール

――今回、シリーズ広告を展開した理由は。

上野竜太氏 上野竜太氏

 当社では、お客様の関心が集まっていく分野に対しケータイビジネスの礎や資産を生かし、一人ひとりの生活・行動をタイムリーに支援することで安心・安全で心地よい暮らしをサポートできないかと、様々な研究やサービス開発を進めてきました。コアとなるモバイル事業ではさらにお客様の満足いただけるサービスを追及しつつ、新たな領域への事業を展開し、新しい価値を提供していきたいと考えています。

 「おサイフケータイ」や携帯電話でのクレジット決済など、すでに多くの方に利用していただいている認知の高いサービスから、医療関係など限られたターゲットに提供しているサービス、さらに環境分野でのトライアルなどまだ商用化されていないサービスまで、実はたくさんあります。そうした「開発途中の芽」も含め、ドコモの取り組みを一般の方に広く知っていただきたい。そして、「ドコモが新しいことに挑戦している」ことを伝えたい。それが、今回のシリーズ広告のねらいであり、私たちが込めた思いです。

――4日連続で掲載しました。

 伝えたいことが多岐にわたったため、1度に詰め込まず、「環境・エコロジー」「金融・決済」「健康・医療」「教育」の四つの分野にテーマを分けて連載し、読みやすく、分かりやすくお伝えしようと考えました。
 特に今回は、「ソーシャルサポートサービス」という大きなテーマを四つに章分けしたため、ある程度連続した時間の中で読んでいただきたいと考え連日掲載に。一日で完結する広告より印象に残りやすいメリットもあると考えています。毎日楽しみにシリーズとして読んでもらえるよう、形式などもそろえ工夫しました。同じ読者が同じ媒体を毎日習慣的に読むという特性を持つ新聞に今回のテーマは合っていたと思います。私たちの狙い通り、掲載後の調査では、連日で4回の出稿について「ちょうどいいペースだった」との評価を得ました。

――クリエーティブで留意した点は。

柳奈智氏 柳 奈智氏

 広告紙面は対談形式にしました。対談やインタビューの場合、経営幹部などが登場することが多いのですが、読者の方に、より身近に親近感を持って読んでいただきたいと、今回はサービスを企画した社員が登場。サービスを作り上げた背景やそこにかけた思い、ドコモが社会的な問題に対してどう取り組んできたのかなどを、自らの言葉で語りました。

 また、読者目線で客観的に話を聞いたり疑問を投げかけたりしてもらおうと、テレビなどでおなじみの福澤朗さんや唐橋ユミさんに聞き手として登場いただき、読みやすさを意識した構成にしました。

サービスの背景や根拠を提示しながら 深い理解を得るコミュニケーションを

――反響はいかがでしたか。

 当社のインフォメーションセンターには、一般読者の方から「個々のサービスをもっと詳しく知りたい」といった声が届きました。また、広告掲載の直後に、当社も出展していたアジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展のCEATEC JAPAN 2011(シーテック ジャパン)が開催されたのですが、「新聞を見て興味を持ち、見に来た」という方もたくさんいらしたようです。法人のお客さまからは、事業提携などの提案や講演依頼なども、テーマごとに多くいただいています。

 広告掲載後の調査では、ドコモに対する「好意度」や「興味喚起度」が上がり、各テーマに対する「取り組む姿勢」が評価されました。ドコモの取り組みに対する印象としても、「新しいことにチャレンジしている」「先進的なイメージがある」という項目のスコアが上がりました。冒頭にお話したとおり、今回のシリーズ広告は当社が新しいことにチャレンジしている姿勢を伝えたかったので、まさに狙いどおりの効果が得られたものと手ごたえを感じています。

 さらに、当社が色々な分野に積極的に取り組んでいるという姿勢を社員の言葉を通じて発信したことで、インナーのモチベーション向上にもつながったようです。就職活動をする学生さんたちにも「社員が活躍できる魅力的な企業」ととらえていただけたらうれしいですね。

――今後のコミュニケーションの課題、展望について聞かせてください。

 携帯電話はさらなる技術革新が進み、もはや「電話」としてだけではない存在になっています。スマートフォンの台頭などで市場が大きく変わっていく中で、当社ではケータイの機能やサービスについてもこれからも新しい価値を提供するべく進化を進めていきますが、ケータイ事業で培ってきた様々な技術とノウハウについても、様々な分野の専門性の高い知識・ノウハウを結びつけることで新しい分野や異なった分野に生かし、ひいては社会やお客さまに新しい価値を提供していきたいと考えています。この部分をしっかりとコミュニケーションしていくことが課題と考えています。

 その際には、「なぜドコモが取り組むのか」についてもお伝えしていきたいと考えています。たとえば、5千万人を超えるお客さまと決済の仕組みを持っているから金融のサービスが提供できる、全国に無数にある携帯電話をつなぐ基地局を利用したから大気中の花粉の飛散状況など、大気中の環境に関する情報をお知らせする「環境センサーネットワーク」が開発できた……といった具合です。先進性をアピールすると同時に、よりお客さまに納得し、安心していただけるようお伝えしていければと考えています。

2011年9月13日付 朝刊 NTTドコモ 2011年9月13日付 朝刊
2011年9月14日付 朝刊 NTTドコモ 2011年9月14日付 朝刊
2011年9月15日付 朝刊 NTTドコモ 2011年9月15日付 朝刊
2011年9月16日付 朝刊 NTTドコモ 2011年9月16日付 朝刊