広告を通じ、複合金融グループとしての一体感をさらに増す

 三井住友銀行を中核とする三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)では、複合金融グループとしてのコミュニケーションの活性化を目指し、対外的なコミュニケーションはもちろんのこと、インナーコミュニケーションも重視した活動を展開している。SMFGの企業広告も兼務する三井住友銀行広報部広告企画グループ部長代理の田中健太郎氏に話を聞いた。

 

社員自身がモチベーションや誇りを感じていて、
初めて顧客が信頼し満足する

田中健太郎氏 田中健太郎氏

――インナーコミュニケーションに対する考えを聞かせてください。

 当行の企業ブランドは、お客さまとのコミュニケーションにより築かれるものであり、その機会が最も多い法人営業担当者や店頭窓口の行員が大きく担っていると考えています。特に、銀行はサービス業なので、その部分が大きく占めていると感じます。こうした考えから、企業ブランドの向上をミッションとする広報部では、インナーコミュニケーション活動にも重点を置いています。

 三井住友銀行でも、国内本支店数は400拠点、従業員は2万人を超えており、事業領域が広がる中で、当行には様々な専門性を持つ社員が増えています。これだけいる社員がひとつになって、質の高いサービスを持続的にお客さまに提供していくには、インナーコミュニケーション活動が大切です。社員自身がモチベーションや誇りを感じて仕事をすることが、お客さまのサービス向上、ひいては企業イメージの向上につながっていくものと考えています。

――具体的な取り組みは。

 社員がモチベーションや誇りを感じることは色々ありますが、友人など周囲の人から「いい会社に勤めている」と言われたり、お客さまから褒められたりしたときは、大きな喜びを社員は感じるものです。そこで、私たちがインナーコミュニケーション活動を展開する際は、社内報等により社員に直接メッセージを発信するとともに、テレビCMや新聞広告などマスメディアを活用した広告も展開して、社員の家族やお客さまにもそのメッセージが伝わるようにしています。例えば、広告に対する評価をいただいたり、家族で話題になったりすることは、少なからず社員のモチベーションや誇りにつながるのではないかと考えています。
 したがって、私たちがコーポレート広告を展開する際は、アウター効果だけでなく、インナー効果も検証しています。

――広告の内容やクリエーティブは、どのように企画しているのでしょうか。

 社内外から共感の得られるコーポレート広告を展開していくには、フロントの社員が日々の業務にどのような環境や思いで臨んでいるか、お客さまからどのような声が届いているかをよく把握していることが大切と考えています。現状把握のできていない、リアリティーのない広告を社内外に発信しても、当然響かないからです。そこで、私たちは、営業拠点とのコミュニケーションを定期的に行い、広告企画に役立てています。

 

複合金融グループとしての
一体感ある継続した広告展開

2009年10月1日付 朝刊 2009年10月1日付 朝刊

――3年前から「LEAD THE VALUE」をスローガンに、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)としての広告展開もしています。

 SMFGでは、2007年10月に、本邦ナンバーワンのリース事業の確立を目指して、三井住友銀リースが住商リースと合併し、三井住友ファイナンス&リースが誕生しました。また、2009年4月には、セントラルファイナンス、オーエムシーカード及びクオークが合併してセディナが誕生し、三井住友カードと連携して、本邦ナンバーワンのクレジットカード事業の確立をすすめています。
 そして、同年10月には、3大証券の一角である日興コーディアル証券をグループに迎え入れ、証券業務の基盤を大幅に強化しました。

 SMFGでは、中期経営計画『LEAD THE VALUE 計画』の重点施策である「内外コミュニケーション活性化」を目的に、3年前から「LEAD THE VALUE」をスローガンに掲げ、複合金融グループとして一体感ある広告を本格的に展開しています。先述にあるような大きなグループ再編を繰り広げていく中で、今もテレビや新聞等を活用した様々な内外コミュニケーション活動を展開しています。

――今後の展望などについて聞かせてください。

 コーポレート広告は、継続していくことが最も重要だと考えます。経営環境が厳しい時こそ、内外でのコミュニケーション活動は重要であり、地道に発信し続けることで、ブランディングに効果が出てくるものです。継続して効果あるコーポレート広告を展開していくうえでも、私たちは、引き続き、フロントの社員やお客さまの声を大切に生かしていきたいと考えています。