ボディウォッシュのサンプルを張り付けたエリア広告を配布

 ユニリーバ・ジャパンは、今年9月に新発売した「ダヴ ビューティモイスチャーボディウォッシュ」を広く認知してもらおうと、10月16日に東京、名古屋地域にサンプル付きのエリア広告を配布した。同社マーケティング部門で、ダヴ スキンケアのブランドマネジャーをつとめる鞆咲良(とも・さくら)氏に聞いた。

 

ターゲット層に「いるもの」と感じてもらえる紙面デザインに

ユニリーバ・ジャパン 鞆咲良(とも・さくら)氏 ユニリーバ・ジャパン 鞆咲良(とも・さくら)氏

――キャンペーンの概要をお聞かせください。

 佐伯チズさんにご登場いただき、「あなたのボディウォッシュはすべすべすべにしてくれる?」のキャッチコピーで、9月からテレビCMの放映を始めました。この新商品のクオリティーの高さには非常に自信を持っているので、できるだけ多くの方に使っていただき、良さを実感してもらいたいと考えました。そこで、10月からサンプリングを開始。雑誌広告への添付 、宅配、オンラインサイトでの応募などで配りましたが、最も多かったのが朝日新聞のエリア広告です。タブロイド判の広告にサンプルを添付し、東京、名古屋地区で約50万部を配布しました。

――エリア広告を選択された経緯をお聞かせください。

 この商品のターゲット層である、主婦のみなさんに届けることを考えたとき、この層にとって身近で、さらに信頼感のある媒体である新聞をうまく活用したいと考えました。エリア広告は、こうした層が多く住んでいる地域を選んで配布できること、さらにサンプルを添付できることが決め手になりました。また、配布エリアをしぼりこむ際、ターゲット層が多く住む地域を選んだのと併せ、商品を扱っていただく店舗が多くあるエリアも意識しました。

――紙面デザインで工夫した点はありますか。

 当社ではターゲット層が新聞広告や折り込みチラシをどう受け止めるのかをリサーチしています。今回のターゲットである30~40代の主婦層は、新聞や折り込みチラシを「いるもの」と「いらないもの」に瞬時に判断し、「いらないもの」はすぐ捨ててしまいます。逆に「いるもの」に分類されると、保存して、興味をもって読んでもらえることがわかりました。今回のエリア広告は折り込みの形で配布されるので、「いるもの」に分類してもらうようなデザインにすることを目指し、厚みがあって高級感のある紙質、美しく洗練されたイメージに仕上げました。朝日新聞の題字が印刷されていることで、信頼感のある安心した広告として手に取ってもらえることも期待しました。もちろん、サンプルがついていることによる「お得感」もあったかと思います。これらの複合的な理由で、おそらく多くの主婦の皆さんに「いるもの」に分類してもらえたものと思っています。

――反響は。

 まだキャンペーンの最中であるため、本当の反響や広告効果はまさにこれからですが、商品のマーケットシェアも上昇傾向にあります。また、エリア広告でも告知したのですが、サンプルを試した上で写真や感想を送ってもらうと、旅行や豪華食材が当たる「すべすべすべキャンペーン」を開催中で、着々と応募をいただいています。写真を撮影して送ってもらうのは、プレゼントキャンペーンとしては比較的ハードルが高いと思うのですが、皆さんとても上手に撮影した写真を送ってくださっています。

サンプル付きエリア広告を開いた様子サンプル付きエリア広告を開いた様子
サンプルを張り付けた朝日新聞エリア広告サンプルを張り付けた朝日新聞エリア広告
エリア広告フロント面同エリア広告フロント面

リーチだけでない、深いコミュニケーションに期待

――今回のエリア広告を振り返られた感想は。

 サンプルをつけるという新しい取り組みだったため、クリアすべきことがたくさんありましたが、さまざまな協力を得て、紙面デザインも含め当初意図したとおりの展開ができたと非常に満足しています。売り上げが好調に推移していることの大きな理由のひとつとして、今回のエリア広告の効果があると思っています。

――新聞広告の販促効果について、どう考えていますか。

 新聞の特性としては「リーチの大きさ」が言われますが、当社では単にリーチをかせぐだけの媒体とはとらえてはいません。さきほども触れたとおり、広告がしっかりと目を引いて「いるもの」と認識してもらえれば、リーチ以上の深いコミュニケーションや、サンプリングを通じた製品経験にまで持って行ける可能性があると考えています。クロスメディア展開や双方向コミュニケーションの中に、こういった企画を組み込むことによって、リーチや認知向上の先にある、販促効果に期待できると思います。

――今後の課題、展望などをお聞かせください。

 この商品のクオリティーの高さをきちんと消費者に理解してもらう、という今回のキャンペーンの根底にある考え方にのっとって、どの媒体をどう使えば効果的なのかを、今後も引き続き検討していきたいですね。