ソニーらしい先進性を通じて環境への意識と行動を生活者と共有

 昨年6月、ソニーは32V型デジタル液晶として業界トップレベルの省エネ性能を実現した〈ブラビア〉JE1シリーズを発売した。そのマーケティング活動の一環として、同モデルの消費電力1年間分に相当する「グリーン電力証書」を購入者にプレゼントするキャンペーンを昨年秋から展開。ソニー環境推進部企画課の餌取(えとり)敬雄統括課長と、ソニーマーケティング広告宣伝部門宣伝企画部PA&PBグループの谷本尚遂チーフプロデューサーに聞いた。

── ソニーの環境活動の基本的な考え方は。

餌取敬雄氏 餌取敬雄氏

 ソニーの環境活動は、我々の企業活動そのものがもたらす環境負荷を最小限にすることを重点に置いています。具体的な取り組みとしては、サイト環境(事業所や工場での省エネや廃棄物削減など)、製品環境(省エネ性能の向上など)、環境技術(将来の新製品やサービスの実現に向けた研究開発)、環境コミュニケーションという4つの切り口で展開をしています。

 特にサイト環境の分野におけるソニーの特色は、風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーで発電した電力利用の推進です。今回取り上げた「グリーン電力証書」は、遠隔地で発電された再生可能エネルギーの実績を証書化して取引する仕組みであり、国内ではソニーが先駆的に取り組んでいるものです。(餌取氏)

 

── 2008年11月7日の朝日新聞朝刊には、製品情報と「グリーン電力証書」の仕組み、そこに込めたソニーの環境への思いを伝える広告を掲載されました。

谷本尚遂氏 谷本尚遂氏

 生活者の環境意識が高まる中で、企業市民としてのソニーの姿をいかに伝えるかがより重要になっています。ただし、企業のCSR活動は、コストになり続けるのであれば継続性も拡大の可能性もありません。

 今回の企画では、プロダクトマーケティングの延長線上で、生活者と手をとって環境活動を進めていくことを大切に考えるソニーの姿勢の訴求に重点を置きました。環境分野でもお客様はソニーらしい楽しさを求めているはずです。ソニーの先進性と、生活提案型のやわらかな視点を調和させ、「環境のために自分も何か行動したい」と考える生活者を巻き込むコミュニケーションの可能性を今後も考えたいと思います。(谷本氏)

2008年 11/7 朝刊