自然災害のリスク回避を目指し環境保護運動を展開

 環境保護運動の一環としてマングローブ植林プロジェクトを進め、全国の小学校で地球環境教育「みどりの授業」を続ける東京海上日動火災保険。昨年は朝日新聞社と組み、学校教諭を対象とした「環境教育フォーラム」、小学生の絵・作文コンテスト「こども環境大賞」を支援、全国5つの小学校で「環境出張授業」も行った。経営企画部・CSR室担当課長の髙島惠子氏、広報部・広報宣伝グループ・グループリーダーの澁谷尚樹氏に聞いた。

── CSRの位置づけと、環境保護に力を入れる理由は。

髙島惠子氏 髙島惠子氏

 当社は「お客様への安心と安全の提供」を通じて「豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献する」ことを経営理念を掲げ、これを実践することがCSRそのものを提供するだけでなく、リスクの回避も重要課題ととらえ、環境負荷の軽減に努めています。特に、マングローブ植林などの実践的な取り組みは、その地域社会への貢献に加え、活動に参加した社員が自社への誇りを実感できる貴重な機会となっています。

── マングローブ植林プロジェクトの概要は。

 旧東京海上の120周年記念事業として1999年に開始したもので、当社が排出するのと同じ量のCO2を吸収し得る面積の植林をしたいと考え、継続しています。最初の5年間の第1期で3千ヘクタールの目標を掲げ、それを上回る3,444ヘクタールの植林を行い、さらに次の5年間で2千ヘクタールの植林を行う第2期プロジェクトが進行中です。植林は、普段はNGOに委託をして現地の人たちが行っていますが、年に1~2回、社員・代理店やその家族などがツアーを組み、自費で現地を訪れ活動に参加しています。

──「みどりの授業」の概要は。

澁谷尚樹氏 澁谷尚樹氏

 合併前に使用していた制服を再利用して作った「土にかえる植木鉢」3万6,000個を作製したことが契機となり、当社が続けてきたマングローブ植林などを題材に、地球環境保護の大切さを伝える授業を2005年に開始。社員が講師を務め、昨年度までに全国115校、8,130名の生徒を対象に授業を実施しましたが、今年度もさらに広い地域で展開、実施しています。

── 朝日新聞と組んだ一連の取り組みへの評価と今後の抱負は。

 環境問題は社会全体で考えるべきことで、幅広い読者を抱える朝日新聞と組んだ企画は大変有意義でした。今後も、2012年度までにCO2排出量の6%削減(2006年度実績比)を目指すなど、環境負荷の軽減に努めていきます。

 

2008年11/14
朝刊 東京本社版
朝日新聞社と組んで行った「環境出張授業」
(東京・町田市つくし野小学校)