「発見」を促す紙メディアが企業認知を効果的に高める

 BtoB企業をはじめとする学生の認知度の低い企業には、ネット求人だけに依存しない独自のコミュニケーションツールが求められている。就職情報誌『就職ウォーカー』などを発行する就職情報出版会社、ジェイ・ブロードの代表取締役社長、仙石琢也氏に、求職者の関心を呼び込むメディア戦略についてうかがった。

仙石琢也氏 仙石琢也氏

── まずは御社の事業内容をお教え下さい。

 企業が継続的に利益を出す組織であるために重要なポイントは、若手の採用による人材バランスの是正です。学生数の減少、職意識の低下といった中で、弊社は若い世代にターゲットを絞った情報提供や、企業へのクロスメディア広告提案を行っています。特に大手就職情報会社と弊社との違いは、百社百様のオリジナルな広告戦略で、学生認知度の低い企業をピックアップしていくということです。

 そのような企業は有名企業とは異なり、大手サイトに横並びで情報を載せておけばいいというわけではありません。まず社名自体を認知させなくてはいけませんし、どのような企業かを分かってもらう広告戦略が成功のカギです。その時に重要なのは、それぞれのメディアの強みと弱みを理解し、紙メディア、ネット、イベントなどを連動させたクロスメディア戦略を組むことです。

──では紙メディアの強みとは。

(上)障がい者向け「クローバー」  (中)新卒大学生向け「就職ウォーカー」  (下)大学生向け「LET'S」 (上)障がい者向け「クローバー」  (中)新卒大学生向け「就職ウォーカー」  (下)大学生向け「LET'S」

 ネットは相手からのアクセスを必要とする媒体ですが、紙メディアはこちらからアプローチし、独自の編集スタイルや切り口で読者の「発見」を促せるメディアです。また、ネットのように情報をフォーマット化せずに、企業の個性や訴求ポイントに合った表現が、文字やビジュアルで自由にできます。

 例えば角川クロスメディアとの共同発行である『就職ウォーカー』の場合は、学生に人気のある「ウォーカー」ブランドを活用し、学生の生活視点に立った情報提供をしています。そのほか弊社には、薬学生・薬剤師向けの『めでぃしーん』、障がい者雇用に特化した『クローバー』、大学生の職意識支援のための『LET'S』など、ターゲットメディアである雑誌の強みを生かした媒体があります。薬学生・薬剤師向けの『めでぃしーん』、障がい者雇用に特化した『クローバー』、大学生の職意識支援のための『LET'S』など、ターゲットメディアである雑誌の強みを生かした媒体があります。

── 紙メディアの中でも、特に新聞メディアの強みと思われるのは。

 新聞の強みは雑誌の反対で、ターゲット層の広さです。企業イメージを広いターゲット層に向けて伝えることは、イメージ重視で企業を選択する学生への訴求に有効です。また、自分で就職先を決められず、親や先生に意見を求める学生さんが多くなっている中でも、非常に重要です。

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株式会社ジェイ・ブロード
1974年創設の就職情報出版会社。主に、採用メディアコンサルティングを手がける。
http://www.j-broad.co.jp