広告とスポーツ面・テレビ面とで情報の蓄積効果を狙う

 スペインサッカー、テニスのグランドスラム4大会、世界プロボクシングなど、スポーツファン垂涎(すいぜん)のコンテンツを多数提供するWOWOW。編成局・プロモーション部長の山本均氏にうかがった。

山本 均氏 山本 均氏

── スポーツコンテンツの魅力は。

 当社のイメージを調査すると、1位・映画、2位・サッカーとの回答が返ってきます。映画は劇場やDVD、地上波でも提供されますが、スポーツはライブ視聴を醍醐味(だいごみ)とするものなので、独占性が高い。多チャンネル化、HDD録画の浸透と、メディア環境が大きく変わってもその価値は不動です。

── WOWOWの番組の特徴は。

 視聴率との兼ね合いで柔軟性のある編成が難しい時代ですが、当社はどの競技も目玉試合の最初から最後までを放送しています。プログラムはサッカー、テニス、ボクシングを主な柱としています。

── 好評のコンテンツは。

 どの競技というより、スーパースターが出てきた時に一気に関心が高まる傾向にあります。また、海外で活躍する日本人選手が出てきた時も加入者が急増します。継続して放送し、スポーツを育てていくことも大切だと考えています。

── コミュニケーション活動のポイントは。

 サッカーやテニスのコアなファンは、あえて訴求しなくても自発的に加入してくれるので、「ちょっと興味がある」という人に向けたコミュニケーションに力点を置いています。

 利用メディアは主に新聞。全国一波の放送局なので全国紙での訴求は効率的なうえ、大きな大会はスポーツ面でも取り上げられます。しかも毎日宅配され、勝敗や数字の記録が蓄積される。読者の興味も蓄積されたところで、ここ一番というタイミングを見はからってカラー広告を展開しています。

 また、広告は加入促進だけでなく、加入者に当社の存在価値を伝えるメッセージでもあると考え、番組表が載っているテレビ面での展開を徹底しています。

── 今後の抱負は。

 今年は4年に1度の「サッカー欧州選手権」を中継します。中継を始めた96年は国内でほとんど知られていなかった大会ですが、回を重ねるごとに認知が上がり、今年は過去最高の反響があると期待しています。当社は様々なジャンルを集積した「総合エンターテインメントチャンネル」を標榜(ひょうぼう)していますが、スポーツこそエンターテインメントの神髄であり、揺るぎないキラーコンテンツです。スポーツ文化の一翼を担う放送局として、その魅力を伝え続けていきたいと思います。

2007年 7/24 朝刊
1/26 朝刊 テレビ面表札