話題性とローラー作戦の相乗効果で成長を続ける大学の勢いを発信

 朝日新聞朝刊社会面小型広告をくりかえし出稿するなど、ユニークな手法が注目されている国士舘大学。新聞広告を含めたコミュニケーション戦略について、教務部入学課長の矢嶋宏一氏にうかがった。

矢嶋宏一氏 矢嶋宏一氏

 20数年前、大学進学希望の高校生や高校の教員の方々は、新聞社などが主催する数十大学を集めた説明会に参加していました。大学としてはその説明会に参加すれば学生が集まったのです。

 現在ピーク時には204万人いた受験生も120万人台。10年ほど前から、大学から説明のために高校へ出向くことが増えました。当大学も、積極的に訪問活動を進め、全国の高校約5,300校のうち、平成19年度は約3,800校を訪問。これと並行して、キャンパスのないところでも受験を行う「デリバリー入試」制度を採用、同年度に全国18会場で開催しました。

 一方で、当大学の「スポーツが強く、男性的」なイメージに対し、「女性の活躍の場」を広めるべく、学部の改組にも取り組んでいます。平成12年度に21世紀アジア学部を新設、平成20年度からはこどもスポーツ教育学科がスタート。いずれも、従来の同大学の男女比率からすると格段に女性が多い。取り巻く環境は厳しいですが、そのなかでも可能性をみつけ成長を続けていきたいと考えています。

──コミュニケーション戦略の手法と課題は。

 高校訪問とともに、まずは当大学のことを知ってもらうことが大切だと考えています。そこで始めたのが、新聞の小型広告の集中的な出稿です。漢字一字で当大学のブランドイメージを表現したり、その時々のトピックを盛り込みスペースを有効に使い、2年間で100回におよぶ出稿をしたことで、多くの方の印象に残ったようです。訪問先の高校で「毎日見ていますよ」と声をかけられるなど、当大学の元気のよさが伝わった手応えを感じています。

 4年前から始めた入学動機に関する調査では、オープンキャンパス参加者の入学率が9割以上であることが判明。そこで、オープンキャンパスにも力を入れ、平成19年度は初めて8月にも開催しました。小型広告での告知を集中的に行い、4,000人が来場しました。

 また、ダイレクトに受験生に伝えるためには新聞のほかにネットやモバイルの手段も欠かせません。今後は、こうした点もふまえ、他大学とは違うスタンスで、当大学の認知度アップを目指した取り組みを進めていきたいと考えています。

いずれも朝刊社会面小型広告

2007年 6/162007年 6/16
2007年 6/192007年 6/19
2007年 6/202007年 6/20
2007年 7/142007年 7/14
2007年 10/292007年 10/29
2008年 1/152008年 1/15