ドラえもんとのコラボレーションで「ハイチュウ」の40年の歴史を楽しく伝える

 誕生から40周年を迎えた森永製菓の「ハイチュウ」は、同じく35周年を迎えた「映画ドラえもん」とタッグを組み、見開き広告をはじめとするさまざまなキャンペーンを展開。歴代のハイチュウがずらりと並ぶ、かわいいながらも迫力のある紙面は、多くの読者の心に届いた。

40周年を記念する年の締めくくりに30段の新聞広告を

 1975年に誕生し、それまでなかった「ソフトキャンディー」というカテゴリーを確立した、森永製菓のハイチュウ。現在でもソフトキャンディーのNO.1ブランドとして、老若男女問わずたくさんのファンを獲得している。40周年を迎え、同社はさまざまな企画を展開した。春には、オリジナルフレーバーであるストロベリーを大幅リニューアル。ハイチュウ史上初となるいちご顆粒(かりゅう)をキャンディーに練り込んだ。通常はフルーツフレーバーにこだわって商品を展開しているが、今回は特別に人気の高い「ヨーグルト味」も期間限定で発売。8月12日の「ハイチュウの日」には、ゴールデンマンゴーやゴールデンパインなど、“金”にちなんだフルーツを集めたアソートハイチュウ「ゴールデンハイチュウ」も登場し、ファンの間で大きな話題を呼んだ。

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2015年11月13日付 朝刊

2015年11月13日付 朝刊

 そんなメモリアルイヤーを締めくくる企画として、「ハイチュウ×ドラえもん」の広告特集が11月13日の朝日新聞朝刊に掲載された。40周年を迎えたハイチュウと、35周年を迎えた「映画ドラえもん」がタッグを組み、それぞれの歴史を振り返る明るく楽しい紙面は、ハイチュウファンのみならず多くの人の心をつかんだ。掲載にいたる背景を、森永製菓 マーケティング本部 菓子食品マーケティング部 キャンディカテゴリー担当の村田あづさ氏はこのように語る。

村田あづさ氏 村田あづさ氏

 「例年、8月12日のハイチュウの日にプロモーションの山場を迎えます。しかし2015年は、40周年の盛り上がりを背景に売り上げも好調なうえ、お客様からの反応も上々と、とてもいい流れができていたので、ここで終わらせず何かもう一つ大きな企画で盛り上げて、来年につなげようという話になったのです。そんなときにご提案いただいたのが、ドラえもんとのコラボレーションでした」

 コラボレーションは紙面だけでなく、商品にも展開した。ドラえもんファンにとっても特別な商品となり、35種類あるドラえもんの絵柄をすべてそろえようとコレクションするお客様も増えたという。ドラえもんという国民的キャラクターとタッグを組むことについて、村田氏はこのように語った。

 「ご提案をいただいた際は、予想以上の強力なコンテンツで本当に実現ができるのか半信半疑でした。しかし、もし実現するのであれば、40周年の締めくくりとして申し分のない企画。一気に気持ちが盛り上がったのを覚えています。ハイチュウが基本的にメインターゲットとしているのは幼児から小中高生。ドラえもんの明るくて元気な世界観と、非常に親和性が高いと感じました」

新聞広告でメッセージをきちんと伝える

 紙面では「いつも、みんなのそばに」をキャッチコピーとし、これまで販売されたハイチュウと、「映画ドラえもん」の歴史を振り返る年表のデザインを採用した。デジタルデータが残っていない初期の商品は、紙のパンフレットから写真を取り込むなど、制作の段階では苦労した点もあったという。しかしそうまでして年表にこだわった理由について村田氏はこう話す。

 「お客様の人生と照らし合わせて見ていただけるアルバムのような紙面にしたかったんです。子どもの頃にこの味のハイチュウを食べたかも、と思い出してもらえたらとてもうれしい。40年を支えてくれたすべての元ティーン層に、懐かしく感じていただけるのが理想でした。掲載日には新聞を見たお客様から、多くの反響がありました。弊社のお客様相談室にも、お褒めの言葉や問い合わせの声がたくさん届いたと聞いています。なかには昔のハイチュウを指名して「これが食べたい」「買えないのですか?」とリクエストする声もあったそうです。予想外だったのが社内の反応。社内にも大きなインパクトを与えたようで、さまざまな部署で『すごいな、これ』と盛り上がったと聞きました」

 最後に今回、新聞を活用することでどんな手ごたえを得たのか、村田氏に聞いた。

 「新聞広告を出稿して感じたのは、やはり新聞はじっくり読んでいただけるということ。日頃はテレビコマーシャルやポスター、POPなど、瞬間的に感覚に訴え、コンパクトに印象づけることを優先しています。それらとは異なり、今回の紙面ではきちんと文章で思いを伝えたところ、そのメッセージに対して、たくさんのレスポンスをいただくことができました。今回のような大きな広告企画に携われたことは、良い経験になりました。40周年を迎えたハイチュウは、いま3世代ブランドになれるかどうかの大切な時期。新聞で発信したい規模のニュースをつくり出せるよう、50年目に向けてしっかり歩んでいこうと思います」