円谷プロ50周年企画に連続出稿 「ウルトラマン」を支える徹底したマーケット戦略

 7月10日に朝日新聞朝刊に掲載された「ウルトラマンの日」記念広告特集。円谷プロダクション創立50周年シリーズとして展開中の企画で、この日が連合広告としては4回目の掲載となった。このうち、バンダイは第2回から継続出稿しており、作品の面白さ、個性豊かなキャラクターの魅力を、おもちゃやグッズなど様々な商品を通じて表現している。
  「円谷プロダクションの記念イヤーを盛り上げること、それは当社にとっても重点施策です。朝日新聞から広告企画の提案を聞いて、『マーケット戦略の一つとして期待できる』と出稿を決めました」。出稿の経緯を、バンダイのメディア部キャラクター第一チーム リーダーの飯塚航也氏はそう説明する。

新聞は「世相の盛り上がり」を伝えるメディア

飯塚航也氏 ウルトラヒーローと怪獣フィギュアを前に 飯塚航也氏
ウルトラヒーローと怪獣フィギュアを前に

 同社がウルトラマンシリーズのコミュニケーションで新聞を活用した事例はこれまであまり多くなかった。テレビシリーズの視聴者層は「サブロク」と呼ばれる3~6歳の未就学の男児がコアターゲットのため、メディア展開は幼児誌を中心に実施。大人のファンに対しては、ホビー誌などの読者層がセグメントされた媒体で細かに対応してきた。

 今回、朝日新聞の「ウルトラマン企画」に出稿した理由として、「新聞ならではの特性に注目した」と飯塚氏は言う。
  「新聞、特に一般紙に掲載されることでニュース性が付加され、『世の中でウルトラマンが盛り上がっているぞ』という感覚が一気に増します。記念の年の盛り上がり感を伝えるには、バンダイ単体ではなく、各社連合の企画は圧倒的な効果があると思いました。ウェブでの情報発信はウルトラマン好きの人しか見ない可能性もありますが、宅配で日常生活に届けられる新聞は、昔ウルトラマンで遊んだ、あるいはテレビシリーズを見ていた一般の方に、もう一度ウルトラマンを思い出してもらう強力なフックになるのです」

  最初にこの特集に出稿したのは、昨年12月28日。同日から始まるイベント「お正月だよ!ウルトラマン全員集合!!」を告知した。「実際、紙面を見て足を運んでくれた親子連れも多かったです」と飯塚氏。そして今回の7月10日付紙面では、ウルトラマンシリーズのニューヒーロー・ウルトラマンギンガの変身アイテム「DXギンガスパーク」の商品広告を掲載した。売り上げは発売第一週から好調で、この特集の記事部分にも告知されている夏休み恒例のイベント「ウルトラマンフェスティバル2013」会場では人気商品となった。

 一方、 朝日新聞への出稿は社内でも大きな反響を呼んだ。
  「今回の見開き全面掲載は、非常にインパクトのあるクリエーティブだったため、目にした社員も多く、掲載当日は社内でも大変話題になりました」。(飯塚氏)

  2016年にはウルトラマンが誕生50年を迎える。今回の反響を受け、「周年などの節目のタイミングには、今後も新聞を活用したコミュニケーションは検討していきたい」と話してくれた。

祖父から 孫まで 三世代で共有できる長寿コンテンツ

 「ウルトラマンシリーズ」というコンテンツには、他のヒーローものとは違う大きな二つの特徴がある。
  一つは「親子でファンがいること」。初代ウルトラマンの放送が1966年と歴史が古く、男の子の多くが一度は通る道だといわれている。初期のファン世代は父親や祖父の世代になってきており、二世代、三世代で楽しむことができる息の長いコンテンツといえる。

  もう一つ忘れてはならないのが「個性豊かな怪獣の存在」。他のヒーロー作品では敵役がキャラクターグッズになることなどあまりないが、ウルトラマンシリーズの場合は怪獣の人気も極めて高く、数あるソフトビニール人形に関しては、ヒーロー、怪獣合わせて累計8,000万個以上を売り上げているという。怪獣の名前を覚えながらカタカナを学ぶ子どもも少なからず存在し、知育的要素も強い。
  「ヒーロー、怪獣について、親子で一緒に語り合えるような商品展開や情報提供をしたいですね。そういう意味でも、新聞は父親やそれ以上の世代に訴求力のある媒体と捉えています」(飯塚氏)

 ますます少子化が進む日本市場。ウルトラマンシリーズをはじめ、 多くのキャラクターグッズを展開する同社は、「おもちゃをきっかけにキャラクターグッズやアパレルなど商品ジャンルを広げ、親世代だけでなく、祖父母世代にも訴求していく考えです」と飯塚氏。その先には綿密な戦略に基づいた海外展開も見据えている。
  「ヒーローに求めるイメージや世界観、おもちゃに対する価値観は、国やエリアによって多様です。例えば北米とアジアでは、戦う理由、戦法一つをとっても全く異なる。マーケットがどんなヒーローを求めているかを常に想像しながら、今後の戦略を練っていきたいですね」 と、飯塚氏は結んだ。

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2012年12月28日付朝刊 ウルトラマン特集Vol.2 全30段

2012年12月28日付朝刊 ウルトラマン特集Vol.2 全30段

2013年1月12日付朝刊 ウルトラマン特集Vol.3 全45段から抜粋

2013年1月12日付朝刊 ウルトラマン特集Vol.3 全45段から抜粋

2013年7月10日付朝刊 ウルトラマン特集Vol.4 全30段

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