テーマに合致した世界的な識者を招聘(しょうへい)し、セミナーを実施

世界経済への知的関心を刺激しこれからの資産運用を紹介

佐藤玲奈氏 佐藤玲奈氏

 新興国の経済成長や世界的な資源・エネルギー需要の高まりなど、グローバルな経済環境の変化を背景に国外市場への流入を拡大させる個人マネー。その重要な受け皿となっているのが、新しい投資先や投資テーマを開拓しながら、多様化を進めている投資信託である。

 ドイチェ・アセット・マネジメントは、昨年6月に朝日新聞社広告局に声をかけ、「ドイチェ・アセット・マネジメントpresents 朝日マネーセミナー『ロシア・東欧のいま~これから』」を実施。キーノート・スピーカーにミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領を招聘し、ロシア経済の今と世界経済の潮流を紹介した。この催しは一般投資家はもとより、金融関係者や朝日新聞社外のマスコミからも注目を集めた。

 また今年1月には、BRICsなど新興国の経済発展を環境という視点からとらえた第二弾「グローバル・トレンド 新しい経済と富の未来」を実施。未来学者のアルビン・トフラー氏が、世界経済の未来像を語る知的興奮にあふれるイベントとなった。

運用力と情報提供を両輪としてとらえる

 両氏の業績は語るまでもないが、同社ヴァイス・プレジデント・マーケティングマネージャーの佐藤玲奈氏は、「2人はネームバリューもあり、弊社の取り組みに沿っているのでこのような講演者で企画しました」と語る。

 「ドイチェ・アセット・マネジメントには、特に注力している投資テーマが二つあります。ひとつは環境関連、もうひとつはロシアをはじめとする新興国市場です。グローバルな運用力は弊社の大きな強みですが、同時にお客様の資産運用に役立てていただく情報提供も、投信会社の重要な役割だと考えています」(佐藤氏)

 その一環として同社は昨年、業界に先駆けて自社商品だけでなく、さまざまなマーケット情報を収集分析し、金融機関などに提供する金融情報部を新設した。

 今回の人選も、「このテーマを誰が話したら、一般のお客様に説得力を持って伝わるだろうか」という個人投資家の視点から進められた。ロシア・東欧経済を知悉(ちしつ)し、民主化の推進者として今も活躍するゴルバチョフ氏。経済の大きな変化を「波」ととらえ、イノベーションが拓(ひら)く未来を語るトフラー氏。両氏の卓見を新たな世界への扉として、それに続くトークセッションでは、世界の成長市場、あるいは富の源泉となる限りある資源を視野に入れた、国際分散投資の重要性へとトークテーマを深化させている。

 「例えば環境への関心は、洞爺湖サミットを控えて急速に高まっていますが、既に弊社は地球環境関連ファンドの分野で大きなシェアを有しています。先駆者である弊社が目指したのは、人口増加や経済成長、気象変動など地球全体で起こっている大きな流れと個人の生活との関係に気づきを与えることでした」(佐藤氏)

 参加者のアンケートを集計したところ、両日とも8割以上がセミナーのテーマの「投資に興味をもった」と回答。ゴルバチョフ、トフラーの両氏も「機会があればまた呼んで欲しい」と語り、確かな手ごたえを感じて帰路についたという。

記事広告が高める情報の信頼性

 両日のセミナーの模様は、朝日新聞15段紙面に採録された。ビッグなゲストの登壇をことさらに強調せず、当日の熱気を伝える満席の会場写真と十分に文字量をとった「読ませる原稿」で端整に構成された紙面は、同社の知的でグローバルな企業イメージに合致するものだ。

 「これまでも商品広告を朝日新聞に掲載すると、『お客様の反響がいい』と販売会社から好評でした。今回のセミナーの採録も同じです。弊社でも紙面を印刷したものを、企業紹介のツールとして活用しています。両氏の顔だけが登場しているイメージ広告では、そういった使い方はできなかったでしょう。2人がお話をされている記事広告であることの上質感と、朝日新聞の持つブランド力が重なり、弊社の存在感をより高める広告になったと非常に満足しています」(佐藤氏)

 新規設定の投資信託が年々増加し、顧客の取り引きの窓口となる販売会社のみならず、運用会社への関心が個人投資家の間で高まりつつある現在。運用成績だけでは伝えられない価値をどのように提供するか。「新聞メディアの可能性を今後も探っていきたい」と佐藤氏は語った。

 2007年7月3日付 朝刊
 2008年3月6日付 朝刊

今年1月に開催された「グローバル・トレンド新しい経済と富の未来」。
会場は大勢の来場者で埋めつくされた