「ボン マルシェ」と連動した記事体広告で 愛飲者の声を紹介

 森永乳業の「毎朝爽快」は、腸の調子を良好に保つ特定保健用食品(トクホ)飲料。これまで長年、宅配で販売されてきた商品で、一般の店舗での販売を始めたのは4年前。商品の認知を高めるべく、朝日新聞の女性向け生活情報特集「ボン マルシェ」と連動した記事体広告や、連合広告企画「トクホ大辞典」に出稿しました。

特集記事からそのまま続けて読んでもらえるよう配慮

今村昌宏氏 今村昌宏氏

 森永乳業の「毎朝爽快」は、ミルク由来のオリゴ糖「ラクチュロース」を配合した清涼飲料水。腸内のビフィズス菌を適正に増やし、おなかの調子を良好に保つ効果で、トクホを取得している。19年前から販売されており、その効果を実感し、愛飲している人も多いという。しかし、長年宅配のみで販売されてきた商品で、またスーパーやドラッグストアでの販売を始めたのは4年前ということもあり、まだ商品自体を知らない人も多いのが現状だ。同社マーケティングコミュニケーション部の今村昌宏氏は次のように話す。

 「多くの方から『毎日爽快を飲むことで体調が改善された』との喜びの声をいただいています。この商品をさらに多くの人に手にとっていただくには、毎朝爽快の機能や効果を、しっかり伝える必要があります。今回のプロモーションに、新聞という部数が多く、信頼性の高いメディアを選んだのはそのためです。ただ、まだそれほど認知度の高い商品ではないので、普通に純広を展開するだけでは、きっと読み飛ばされてしまうだろうと考えました。また、メーカーである私たち自身が、どれほど『この商品はすごい』と訴えたところで、あまり説得力がないと思います。そこで今回は、毎朝爽快を飲むことでおなかの調子が改善したという愛飲者の生の声、商品の機能や効果を、朝日新聞の視点から紹介していただく記事体広告のスタイルをとりました」

2016年9月13日付 朝刊 2016年9月13日付 朝刊

 毎朝爽快のターゲットはおなかの調子で悩む女性。そこで女性向け生活情報特集「ボン マルシェ」の後に続けて出稿することにした。文字を横組みにし、やわらかいタッチのイラストを使うなど、トーン&マナーは「ボン マルシェ」を意識。下の純広のスペースもそろえ、読者が「ボン マルシェ」の後にそのまま自然に読み続けてもらえるよう配慮した。

 「今回、朝日新聞への出稿を決めたのは『ボン マルシェ』を意識した紙面づくりと『ボン マルシェ』の次ページに掲載する提案をいただいたからです。ボン マルシェの読者をそのまま取り込める紙面であることが、私たちにとっては一番重要なことでした」

新聞で知って購入した人から「効果があった」と喜びの電話も

 記事体広告を読んで毎朝爽快に興味を持った人がすぐに商品を試せるよう、また、新聞による訴求効果をはかる意味でも、掲載に連動させてモニターキャンペーンを実施した。その告知を記事体広告の下の純広で行った。

 「おかげさまで新聞掲載の後、応募が一気に増え、目標の1.5倍の応募数を集めることができました。また新聞広告が掲載された後、毎朝爽快のブランドサイトは普段の70~80倍のPV数が3日間続きました。さらに、長年色々なものを試したけれど、おなかの調子が改善されなかったという方から『新聞を見て毎朝爽快を買って飲んだらすごく効果があった。感謝の気持ちを伝えたかった』とお客様サービス部にわざわざお電話をいただきました」

2016年10月9日付 朝刊 2016年10月9日付 朝刊

 記事体広告の反響が非常に良かったため、昨年10月には朝日新聞のトクホ商品をテーマにした連合広告企画「トクホ大辞典」にも出稿。こちらは前回と訴求するメッセージは同じだが、健康や医療に関する記事のようなテイストにした。掲載後はこちらも前回同様の良い反響を得た。秋以降、商品の売り上げも上がっているという。

 「今や完全に社内には『毎朝爽快は新聞広告が効く』との認識が広がっていて、他の新聞にも出稿するようになりました。おなかの調子で悩まれている方は切実です。そのような方には、しっかりと商品の機能や効果を伝えれば必ず響く。その上で、新聞という信頼性が高く、事実をきちんと伝え、読者にしっかり読んでもらえるメディアが有効なことを、改めて痛感しました。また今回、単なる純広を出しただけではここまでの反響はなかったでしょう。朝日新聞は新聞社の中でも特に記事体広告や広告特集に力を入れているようで、これまでもユニークな提案をしていただいています」

 最近は腸内細菌バランスの重要性や、ビフィズス菌、オリゴ糖などの効果の認識が広がり、競合商品が増えている。そのような状況のなか、森永乳業では今後どのようなコミュニケーションを重視していくのか。

 「現在でもそうですが、ターゲットを細分化して明確に定め、そのターゲットに刺さるメッセージや媒体を見極めることが、ますます大事になってくると思います。単にマス広告を展開するだけではなく、今回のようにモニターキャンペーンを実施したり、サンプリングを行ったり、ウェブやテレビと連携させたりするなど、ターゲットとのコミュニケーションの接点を増やすことが何より重要だと考えています」

3つのポイント

(1)新聞社に期待したこと
今回のように特集と上手く連動させるなど、新聞ならでは、新聞にしかできない独自の企画を柔軟に提案してもらいたい。

(2)朝日新聞のイメージ
一般的には真面目で硬いイメージがあるようだが、広告企画においては面白いことを色々とやってくれる会社というイメージがある。

(3)コミュニケーション上の課題・注目している手法
ターゲットを細かく定め、その人に刺さるメッセージや媒体を選ぶこと、キャンペーンやサンプリング、ウェブなどでコミュニケーションの接点を多くもつことが重要になっている。