「プロボノ」

 プロボノとは、ラテン語の「Pro bono publico(公共善のために)」を語源とするボランティア活動のひとつ。寄付や一般的なボランティア活動とは異なり、社会人が自分の得意分野である職業上の専門知識やキャリアを生かした社会貢献活動を指す。

 20世紀初めに米国の弁護士業界が無償の法律相談を行ったことが起源と言われ、徐々に法曹以外の領域、例えばIT、経営コンサルティング、広報、デザインなどの分野に広がっていったと言われる。プロボノが拡大した要因は、個人として自らの経験や知識を生かせる分野でボランティアを行った方が有意義かつキャリア形成にもつながるという意識があるからと思われる。また企業としては金銭的な寄付ではなく、企業内部のリソース(人的資源、ノウハウなど)を活用できるという点が大きいだろう。(一説には、リーマンショック後、失業者がビジネス経験をキープするためにプロボノがはやったと言われている)

 日本でも、プロボノを行いたい、受けたいという個人や組織を結びつける団体が出てきている。草分け的な存在の「サービスグラント」や「プロボノ・コンサルティング・ネットワーク」などの非営利団体がその代表である。

 それらの団体の協力により、パナソニックやマイクロソフトなどの企業がすでにプロボノを行い、従業員のボランティア活動を後押ししている。企業のCSR(企業の社会的責任)活動の一環としても、プロボノが今後もますます拡大していくのではないかと推測される。