コミュニティー・マーケティングの新潮流 ─いまメディアにできること

体験者やファンの生の声を大切にし 音楽教室をシニアのコミュニティーへ

ヤマハ音楽振興会
outline
音楽の力によって、シニアに健康で楽しい日々を送ってもらうことを目指すプログラム「青春ポップス」や「健康と音楽」を展開する、一般財団法人ヤマハ音楽振興会。この度、 Reライフ商品モニター会の一環として、読者会議のメンバーにプログラムを体験してもらい、その様子を新聞紙面でリポートしました。

2019年3月13日付 朝刊 930KB

27名のメンバーが体験レッスン その場で申し込みをする人も

 ヤマハ音楽振興会では全国に約3,000ある音楽教室の内、約1,200会場にて子供だけでなく、大人向けの音楽レッスンを積極的に展開。現在、会員は11万4,000人にもなるという。ピアノやウクレレなどの楽器のレッスン以外にも、カラオケ以上、レッスン未満の感覚で往年の名曲を歌って踊る「青春ポップス」、体力の維持・増進と脳の活性化を重視したウェルネスプログラム「健康と音楽」など、シニア向けの独自プログラムにも力を入れている。

 無料体験レッスンや入会の申し込みは随時受け付けており、これまでテレビCMや新聞、ウェブや屋外広告などさまざまな媒体を使って告知を行ってきた。

 「ただ近年、従来のやり方だけではだんだん大きな反響はとれなくなってきていました。とくに『青春ポップス』のような当社独自のプログラムの楽しさ、魅力をどうすれば多くの人に伝えられるかで悩んでいました。そんなとき、朝日新聞社から提案いただいたのが、Reライフ読者会議でした」(井土氏)

 Reライフ読者会議は、50代からのアクティブ世代の朝日新聞読者からなるコミュニティー。定年などでライフステージが変わる世代がつながり、人生をアクティブに楽しむことを目的にしたものだ。さらにそのために必要な商品やサービスを企業とともに開発したり、体験したりといった取り組みも行っている。

 「シニアと一口に言っても実際は様々な方がいらっしゃいます。価値観もライフスタイルも多様です。私どものサービスに特に関心をもっていただけそうな層に絞って、効率的にメッセージを届けるのは難しいと感じていました」(井土氏)

 「ただ実際にReライフFESTIVALにも参加させてもらい、Reライフ読者会議のメンバーはアクティブで好奇心旺盛、時間とお金にある程度余裕がある方が多いという印象を受けました。そのような層に直接アプローチできるのは、私どもにとって非常にありがたいことです」(野口氏)

ReライフFESTIVALの会場の様子(2019年3月1日開催)
ReライフFESTIVALの会場の様子
ReライフFESTIVALの会場の様子

 今回の企画では、27名の読者会議のメンバーに集まってもらい、希望に応じて「青春ポップス」「健康と音楽」「大人の音楽レッスン(ピアノ・ウクレレ)」を体験してもらった。さらに実際のレッスンの様子や体験後の感想を、朝日新聞の15段カラー広告特集でリポートした。

ヤマハ音楽振興会
大人の音楽推進部 戦略推進グループ
主事 井土賢治氏

 「体験レッスン当日は、大人数だったため大変盛り上がりました。みなさん読者会議のメンバーということもあり、すぐに打ち解け、とてもいい雰囲気でレッスンができました。実際に体験してプログラムを気に入り、当日そのまま体験レッスンの申し込みをされた方もいます。今回は私どもから発信する純広告ではなく、朝日新聞が記事スタイルで紹介するかたちを取ったため、当会のプログラムにお墨付き感が与えられ、読者にも文章をじっくり読んでいただけたのではないかと思います」(井土氏)

 「同じようなことを私ども主導で行うこともできたのですが、それではどうしても広告っぽくなってしまい、ここまでのリアルな感じは出せなかった気がします。読者会議のメンバーに参加いただき、企画運営を朝日新聞社に主導してもらうかたちにしたことで、より読者の共感を得る内容になったのではないかと思っています」(野口氏)


新聞の大きな反響によって目標達成 今後はSNSでファン目線の施策も

 3月13日に掲載された紙面の反響は、これまでになく大きなものだった。掲載日からひっきりなしに問い合わせの電話が鳴り、最終的には200件以上の電話があったという。また紙面に掲載したQRコードからサイトへは300人以上のアクセスがあった。

ヤマハ音楽振興会
大人の音楽推進部 戦略推進グループ
主事 野口裕紀子氏

 「記事が掲載された当時はウェブのアクセスがすごくのびました。シニア層においても、ウェブへの誘導に新聞が有効なことがよく分かりました。掲載日だけでなくその後2週間くらい、問い合わせの電話が途切れなかったのもうれしい点です。新聞の場合、気になった紙面を切り抜いて保存している人も多いのでしょう」(野口氏)

 この時期、テレビCMも流した相乗効果はあるものの、4月の新規入会者は前年の111.2%を達成。「青春ポップス」に限っていえば、6月までの目標に掲げていた会員数を4月の時点で達成することができた。

 今回の企画は、Reライフ読者会議という新聞メディアのコミュニティーを活用した事例だ。ただヤマハ音楽振興会は、全国に音楽教室を展開していることもあり、もともと事業においてコミュニティーやファンづくりを大切にしてきた。

 「当会はモノを売っているのではなく、音楽という体験を提供しています。大人の音楽レッスンでいえば、 11万4,000人の方が月に2、3回、全国の音楽教室に足を運んでくれているわけです。そんな全国の教室を、シニアの方がワクワクした気持ちで訪れ、仲間と楽しい時間を過ごしていただけるコミュニティーとして、ますます盛り上げていきたいと考えています」(井土氏)

 全国の教室では、在籍会員が参加する発表会も実施している。2018年11月から公式SNS(Facebook、Twitter、Instagram)をスタートさせ、実際に教室に通っている人の生の声を大切にした施策にも力を入れていく予定だ。

 「大人の音楽レッスンは33年の歴史があるため、教室に20年以上通っている生徒さんもいます。そのような熱心なファンの存在や声をますます大事にしたいと思います。生徒さんにアンバサダー的な存在になっていただき、教室での失敗談やうれしかったこと、講師についてなど、生の声をSNSで発信、共有することも行っていきたいと考えています」(井土氏)

この記事にいいね!

体験者やファンの生の声を大切にし 音楽教室をシニアのコミュニティーへ

スペシャルインタビュー新着記事

PAGE TOP