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国際線の就航を今後の成長につなげたい

スターフライヤー 代表取締役社長執行役員 松石禎己氏

 黒い機体がトレードマークのスターフライヤー。きめ細やかなサービスに定評があり、顧客満足度9年連続第1位(JCSI調査「国内航空業種」)を誇る。好調の理由や具体的な取り組みについて、代表取締役社長執行役員の松石禎己氏に聞いた。

──顧客満足度9年連続第1位を獲得している要因について、どのようにお考えですか。

松石禎己氏

 私は社長に就任してから5年目で、それ以前の取り組みについては語れませんが、社員一人ひとりが誇りをもって日々の業務に取り組んだ結果だと思っています。スターフライヤーは、ゆとりある座席、黒で統一した革張りのシート、タリーズコーヒー様と共同開発したコーヒーなど、様々なサービスを提供していますが、こうした物理的なサービスだけでなく、きめ細やかなおもてなしが、ご支持いただいている理由だと考えています。

──「おもてなし」というソフト面の充実を図る上で、どのような社員育成を行っているのでしょう。

 これは社員によくする例え話ですが、満腹の人にごちそうをすすめても、先方にしてみればありがた迷惑で、それよりは一杯のお茶の方がうれしい。接客も同じで、お客様が何を求めていらっしゃるのかを的確に察し、対応していく必要があります。また、どんな作業にもマニュアルがあると思いますが、マニュアルはその作業を行う上で最低限のことが書かれており、皆が守るべきものです。非常に優れた人がいて、その人だけが特別なやり方をするのではなく、マニュアルを改善することにより、皆のレベルが上がっていくものだと思います。

──10月28日から国際線2路線(北九州-台北、中部-台北)が就航します。

 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日観光客の増加が見込まれる中、国際線の就航を今後の成長につなげていきたいと考えています。一方国内線は、羽田-北九州線、羽田-福岡線、羽田-関西線、中部-福岡線、羽田-山口宇部線を有し、さらに昨年、北九州-那覇線を就航しました。現在のところ、北九州-那覇線は期間限定運航ですが、夏休みは大変多くのお客様にご利用いただき、手応えを感じています。今後も国際・国内のネットワークの充実を図っていきます。

──「空飛ぶメッセンジャープロジェクト」「初日の出フライト」など社員発の企画が好評を呼んでいます。

 「空飛ぶメッセンジャープロジェクト」は、お見送りの方から、搭乗されるご家族やご友人に宛てたメッセージを機内でお届けする企画です。「初日の出フライト」は他社も行っている企画ですが、お客様を無償でご招待しているところが当社の特徴です。期間限定の企画としては、北九州空港の当社カウンター前にて無料で抹茶を提供する「スターフライヤー茶屋」や、搭乗前のお客様の靴磨きサービスなどを展開しています。お茶の提供や靴磨きは私も参加し、お茶の先生にお点前を習ってお茶を点てる、靴磨きのプロにノウハウを習って靴を磨いたりしました。こうした企画は、バックヤードの社員もお客様と直接コミュニケーションできる貴重な機会になります。リーダーが率先して新しいことに取り組むことで、社員に意識を高めてもらえたらと思っています。

──今後の課題は。

 いちばんの課題は人材育成です。当社は航空ビジネスのノウハウを持つメンバーが集結して立ち上げた会社ですが、初期メンバーの年齢は当然ながら上がっています。培ってきた企業文化や、お客様第一主義のマインドを下の世代に引き継ぐ役割を彼らに担ってもらうことで、若い人材を育てていきたいと思います。

──松石社長は整備部門のご出身です。これまでの経験が経営においてどのような糧になっていますか。

 整備部門にいた昔も今も変わらず「現場」を重視しています。日々の気象、安全管理、お客様の様子、スタッフの士気など、すべては現場を見なければわかりません。役員室にこもっているのは私の性に合いません(笑)。

──リーダーとしての信条は。

 正しいと思ったことを貫き通すこと。ただしその過程で、自分が気づかなかったことを他人から指摘されることもあります。そこは我を張ることなく真摯に受け止めて、変えるべきところは変え、盤石の体制を整えた上で当初の目標に突き進んでいく。そうした意志の強さと柔軟性を常にあわせ持っていたいと思います。

──愛読書は。

 よく読むのは時代小説です。好きな作家は池波正太郎さん。池井戸潤さんや百田尚樹さんの作品も好きですね。手前味噌ですが、『スターフライヤー 漆黒の翼、感動を乗せて 小さなエアラインの挑戦』も面白かったです。自社の話ながら感動してしまいました(笑)。

松石禎己(まついし・さだみ)

スターフライヤー 代表取締役社長執行役員

1953年長崎県生まれ。75年九州大学工学部卒。同年全日本空輸(ANA)入社。2002年エーエヌエーエアロテック取締役。その後、スカイネットアジア航空(現ソラシドエア)、ANAエアロサプライシステム、アイベックスエアラインズなどの要職を経て14年3月スターフライヤー入社、同年6月から現職。

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