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今年創業100周年。営業を強化し、「本邦No.1の総合証券会社」への飛躍を目指す

SMBC日興証券 代表取締役社長 清水喜彦氏

 今年1月1日に同じSMBCグループの証券会社であるSMBCフレンド証券と合併し、新たなスタートを切ったSMBC日興証券。リテール営業の人員をさらに増やし、「お客さま本意」のビジネスの拡充を図っている。代表取締役社長の清水喜彦氏に聞いた。

──SMBCフレンド証券と合併しました。

SMBC日興証券 代表取締役社長 清水喜彦氏 清水喜彦氏

 SMBCフレンド証券とのシステム統合はすみやかに進み、事業は順調にスタートしました。合併の主な目的は、リテール(個人向け)営業の人員増強です。合併前は、当社の営業員は1人当たり約350口座を担当してきました。当社では、お客さまのことをよく調べて、よく知ること。次に、お客さまが求めている商品やサービスをイメージすること。そして、それが自社になければ自ら商品開発部署に働きかけ、商品を創造してご提示しなさいと社員に言い聞かせています。そうなると、350という数は1人の営業員がカバーするには多すぎます。

 私は自分自身が営業マンだった経験からも、営業員1人で担当できる口座数は150口座が限界だと思います。1日5人のお客さまと面談、一月150口座という計算です。「営業マンを増やすなど前近代的だ」と言う人もいますが、オンライントレードやAI活用が増えているとはいえ、お客さま本意のビジネスを実現するためには、フェイストゥフェイスでコンサルティングできる人員の増強が不可欠だと考えます。

 人員を増やすことでより丁寧なコンサルティング営業を目指す中で、同じSMBCグループ内にSMBCフレンド証券があり、2社が合併することは自然なことでした。2017年10月末時点で、当社のリテール営業員は約2,700人、これにSMBCフレンド証券の人員が加わり、リテール営業の人員は約3割増となります。今後も増員を続け、19年4月には3,900人体制を構築したい考えです。

──政府が「貯蓄から資産形成へ」と働きかけてもなかなか投資行動に結びつきません。

 新しい金融商品にチャレンジしたり、リスクを取ったりということに対し、日本の消費者はとても慎重です。ただ、デフレのうちはよくても、インフレが進んだ場合、日本円の預貯金だけでは資産は目減りしていく一方です。「貯蓄から資産形成へ」という漠然とした号令だけなく、将来起こり得る様々な可能性とその対策について丁寧にご説明していくことが、何より重要だと考えています。

──銀行員時代には、営業の第一線で活躍しました。

SMBC日興證券 代表取締役社長 清水喜彦氏

 今も現場の営業マンに自分の経験を語ります。私は剣道をやっていたのですが、武道における鍛錬のあり方に「守破離」という言葉があります。基本の型を身につけることから修行は始まり、やがて自分なりに工夫して型を破り、最終的には型から離れて自在に創作できるようになる。「守破離」の過程をふめる人は、営業マンとして成功すると思いますね。

──リーダーに必要な資質とは。

 「決断する」「責任を取る」「部下を育てる」。自ら心がけることはもちろん、役員にもこの3要素を求めています。リーダーの役割は、明快なビジョンと、「Who(誰が)・Where (どこで)・What(何を)・When(いつまでに)・Why (なぜ)・How much /many(どの程度の量を)・How(どんな方法で)」という5W2Hのミッションを部下に示すこと。ビジョンと5W2Hのミッションさえしっかり提示できれば、若い社員のモチベーションは上がり、いいアイデアが生まれます。

 また、何事も不明瞭で不確実な時代ですから、朝令暮改はあってもいい。ただ、リーダーの意向がただちに現場に伝わることが大前提で、情報伝達や情報共有の大切さについても役員たちに説いています。

 役員会議などでは、「率先垂範せよ」「部分最適ではなく全体最適を目指せ」といったこともよく言います。明快なビジョンを示し、ミッションを与えて部下を育てられる人こそが真のリーダー。私の銀行員時代の部下のうち、支店長や部長になったのは合わせて100名以上。全員の仕事を覚えています。スタンスは今も変わりません。部下に目配りがないリーダーに誰もついてこないと思いますから。

──座右の銘は。

 「宝蔵自開、受用如意」。曹洞宗の開祖、道元禅師の言葉で、人は誰でも宝(適性)を持っていて、それを自ら開ければ、どんな用い方もできる。努力をすれば、自在の活躍ができるという意味です。

──愛読書は。

 私は山梨県出身なので、武田信玄が旗印に掲げた「疾如風(はやきことかぜのごとく) 徐如林(しずかなることはやしのごとく) 侵掠如火(しんりゃくすることひのごとく) 不動如山(うごかざることやまのごとし)」の引用元である『孫子』に親しみ、いつしか経営に照らして読むようになりました。それから、最も尊敬する松下幸之助さんの語録(『松下幸之助 経営語録』)も愛読しています。

清水喜彦(しみず・よしひこ)

SMBC日興証券 代表取締役社長

1955年山梨県生まれ。78年早稲田大学商学部卒。同年住友銀行(現・三井住友銀行)入行。常務執行役員法人企業統括部長、代表取締役兼副頭取、取締役副会長などを経て、2015年6月SMBC日興証券顧問、9月代表取締役副社長。16年4月から現職。

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(全国版掲載。各本社版で、日付が異なる場合があります)

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