キャンペーンリポート

「勤続25年」のBOSS、世の中で働くすべての人に「共感」を

サントリー

 とある惑星からやってきた宇宙人が地球人になりすまし、職業を転々としながら未知なる地球を調査。そしてこんな呟(つぶや)きも。「この惑星の住民は、働くという行為にとりつかれているようだ・・・・・・」。
 サントリーの缶コーヒー「BOSS」のCM「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」。ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズさんの無表情ながらコミカルな演技が働く人の共感を呼び、すでに63作を数える。
 この人気ブランド「BOSS」が2017年9月、発売25周年を迎えた。9月5日付朝日新聞朝刊には、「勤続25年」の文字が大きく踊る広告が載った。

2017年9月5日付 朝刊0.5MB

「働く人の相棒」として寄り添い続けてきた四半世紀を振り返る

 「BOSSが25年を迎えたこと、そして、この25年で何をしてきたのかを振り返ろう。それが広告のねらいでしたが、なんとなく『周年』というのはBOSSっぽくないと思いました。BOSSは『働く人の相棒』として自身も働き続けてきた。そこで『勤続25年』としました」とサントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部コミュニケーションデザイン部の野下剛氏。紙面では「人はいつか働かなくなるの?」と問いかける文章が綴られている。「この25年で『働く』ということを改めて考えなければいけなくなった。そういう時代に、働く人の相棒とはどうあるべきなのか・・・・・・。それを模索し続けていくというBOSSのステートメントを掲げたい。25周年キャンペーンのスタートとして、その思いを紙面に託しました」


 その後、10月にかけて1面の天声人語横やテレビ面に小型広告を出稿。さらに、12月31日に掲載した全面広告は大きなインパクトを与えた。BOSSのCMに出演している歌手の竹原ピストルさんが、そぼ降る雨の中熱唱している。この日の紅白歌合戦に初出場する竹原さんへ、BOSSからの「応援」だ。

野下剛氏

 「ずっと『歌うたい』として、真摯(しんし)に歌い続けてきた竹原さんにエールを贈ることは、世の中の働く人たちへのメッセージにもなる。多くの人が竹原さんを見たり知ったりするタイミングで何かできないかと、何回も原稿を差し替えて実現しました。竹原さんもとても喜んでくれました」(野下氏)

 この紙面をきっかけに紅白を見よう、紅白で竹原さんの歌を聞いてみようという読者も多かったようだ。「普段は新聞を読まない若い世代が帰省した実家でこの広告を見て家族と会話したり、そのことで親世代が竹原さんに注目したり。新たなコミュニケーションができたという手応えを感じ、大みそかの新聞が日本の家庭にとって大切なメディアであると再認識しました」

 キャンペーンの目玉は「勤続25年 ボスジャン当たる!」だ。1993年に生まれた「ボスジャン」は、キャンペーンの景品としては異例の人気を誇った伝説の一品。その初代ボスジャンの復刻版と最新の素材で作った「PRIDE OF ボスジャン」が当たるというもの。ところが、キャンペーンに先駆けハプニングが。初代ボスジャンの現物が社内で見つからなかったのだ。野下氏は「お恥ずかしい話です」と苦笑いしながら、しかし、そのトラブルを逆手にとった。ウェブで「初代ボスジャン探しています」というキャンペーンを展開。すると、なんと300近くの「あります!」の声が届くなど大反響となった。

 「『今も大切にしています』『親子で着ています』という方もいて、ボスジャンへの思いを目の当たりに。ブランドを作るということはこういうことなんだと改めて考えさせられました」(野下氏)

2017年10月7日付 朝刊1.0MB
2017年10月15日付 朝刊1.0MB
2017年10月15日付 朝刊1.2MB
2017年12月31日付 朝刊0.4MB

2017年12月31日付 朝刊1.2MB

「自分たちのことをわかっているブランド」と感じてもらうために

 BOSSは知っているが、缶コーヒーは買ったことがない。そんな消費者が実はたくさんいるという。広く認知されるブランドをさらにどう輝かすか。BOSSが、重視しているのが「共感」だ。

 「缶コーヒーを飲む人だけでなく、世の中全体に響くメッセージを心がけています。そして、なんとなくモヤモヤと思っていることを言葉にして『自分たちのことをわかっているブランドだ』と感じてもらいと思っています。そこをどう表現するか。BOSSが大切にしているのは、『BOSSっぽい』ことです」(野下氏)

 BOSSっぽい、とは?

 「ものの見方をちょっとズラす、というか。担当クリエーターがよく言うのは『ニュースとは逆をやろう』。暗いニュース、ため息が出てしまうようなニュースも、少し視点をズラしてみたら、クスッと笑えて、意外と世の中悪くないよね、と思えることがあります。そう感じられたら、また頑張ろうと奮起できたりする。そんなメッセージを発信できたら『BOSSっぽい』し、そこを目指していきたいと思っています」

 勤続26年目に入ったBOSS。テレビCMやインターネットがコミュニケーションの軸にしながら、新聞の活用について野下氏はこう語った。

 「今回のようにステートメントを発信するには最適なメディアと捉えています。それに加え、『新聞でこんなことができるの?』という何かができたら。信頼と信用が高いメディアなのでそこは逸脱しないようにしながら、読者や世の中に対して話題を提供していきたい」

3つのポイント

新聞社に期待したこと
「BOSSは知ってるけど、缶コーヒーは飲んだことがない」という人も少なくありません。そんなブランドに成長できたのは、缶コーヒーを飲む層だけでなく、世の中で働くすべての人にメッセージを届け続けてきたからです。幅広い層が手にする新聞にはその点でも期待しています。

朝日新聞のイメージ
「広告でおもしろいことをしよう」という気概を感じる。広告をいい意味でコンテンツと捉え、「こんなこともできる」と企画を提案してくれる。それは非常に刺激的です。

コミュニケーション上の課題
情報のサイクルはますます早くなり、話題になっても瞬間的なもので終わってしまうこともあります。もちろん瞬間的であれ話題を取るに越したことはないのですが、長く愛されるためには滞空時間の長いコミュニケーションも必要です。両方をやっていくべきと考えます。

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