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新元号発表を伝える全国25紙の号外に「検索窓」の企業広告を掲載

ヤフー

 4月1日、平成に代わる新元号「令和」が発表された。その知らせをいち早く届けるべく、各地で配られた新聞号外には多くの人が殺到。その現象自体がニュースになった。そんな歴史的な新聞号外、それも全国25紙の号外に企業広告を掲載したヤフー株式会社。

2019年4月1日付 号外411KB

 25紙の号外に同じ広告が載ること自体極めて異例だが、インターネット企業のヤフーが、新しい時代の幕開けに広告を載せる場として新聞号外を選んだ理由、そこに込めたメッセージについて、同社コーポレートコミュニケーション本部ブランドマネジメント室の中野美穂子氏、梅本若菜氏に伺った。

平成のインターネット界をリードした企業として、改元に合わせてメッセージを発信

 日本のインターネット界をリードし、現在も多彩なサービスを展開しているヤフーが設立されたのは、1996(平成8)年のこと。今日のインターネット社会はまさに平成に生まれ、発展し、私たちの生活を大きく変えてきたといえる。

 「平成の時代に日本のインターネットを支えてきた企業として、時代が変わるタイミングで企業としての存在感を示し、次の時代に向けたメッセージを社会に発信したい。そのためにはどんな施策を打つべきか。半年前くらいから議論してきました」(中野氏)

中野美穂子氏

 当初は屋外広告やイベントなどを含め、さまざまな企画を検討していた。そのようななか、広告会社から新聞各社が新元号発表に合わせて号外の発行を検討していること、そこに広告を出せる可能性があることを聞いた。

 「実は、号外に広告を出せることを知らなかったんです。それを知ってからは、号外に広告を掲載する方向で社内の議論はまとまり、話はとんとん拍子に進みました。改元は何十年に一度の歴史的出来事で、新元号が何になるかは多くの国民が注目しています。そんな新元号について最初に報じる号外は、私どものメッセージをより多くの人に届けるには絶好のメディアだと思いました」(梅本氏)

 最終的に全国25紙の号外に出稿することが決まった。

 「どうせやるなら全国で展開したかったのですが、各新聞社が号外を発行するかどうか、またそこに私どもが広告を掲載できるかどうかは直前まで分かりません。最終的に全25紙約157万部への掲載が決まったのは、新元号発表の1週間ほど前でした」(中野氏)

集まる人々がニュースにもなった号外紙面は、記念として展示・保存も

 全国25紙、それも改元の号外に一つの企業が広告を出すことが、注目されることは間違いない。ただ問題は、号外に掲載する広告のクリエーティブをどのようなものにするか、ということだった。

 「広告の中身については、実は社内で喧々諤々(けんけんがくがく)の議論があったんです。最初はサービスや企業に関する情報をしっかり詰め込んだ案も検討していました。でもせっかく新元号発表という歴史的な出来事に合わせて広告を打つのなら、この時にしかできないインパクトあるものにしたい。新元号について書かれた号外記事との相乗効果があるかたちで、私たちのサービスのことも伝えたい。そんな思いから、最終的に検索窓と『詳しくはWEBで。』という文字を載せただけのシンプルなものになりました」(梅本氏)

梅本若菜氏

 広告原稿を入稿する時点では新元号が分からないことを逆手にとり、検索窓にはどんなワードを入れても成り立つかたちにした。号外を手にとり、記事を読んだ人は、「令和」「新元号」「万葉集」など、自分が気になるワードで検索したことだろう。

 実際、Yahoo!検索では「令和」「万葉集」というワードの検索数が非常に増えたという。またYahoo!検索チームと連携し、「令和」「新元号」で検索した場合は、「令和」がいつから始まるのか、また「令和」の意味などについて完結にまとめたコンテンツが冒頭に表示されるようにした。

 4月1日の昼頃から全国で配られた号外は、奪いあいになるほどの人気となった。コーポレートカラーの赤を全面に敷いた広告は、モノクロを基調とした新聞紙面のなかでひときわ目立ち、インパクトは抜群だった。号外配布とそこに群がる人々の様子はニュースとしてテレビでも報じられたが、そこでも自然とヤフーの赤い広告紙面が存在感を放っていた。

 「この企画に関しては、おかげさまで新聞とインターネットの特性をうまく使っている、などと評価されました。意外だったのは、歴史的な記念すべき号外なので、図書館などさまざまなスペースで紙面を展示していただけたことです。また号外を手にしたみなさんが記念として、今後もずっと保管していただけることが期待できるのも、紙媒体の良さだと思います」(中野氏)

 現在、千代田区紀尾井町にあるヤフー本社のロビーには、新元号「令和」を報じる全国の号外紙面が額装して展示されている。新聞ごとの記事やレイアウトの違いを見比べるのも楽しく、食い入るように見る来客者も多いという。

ヤフー本社ロビーに全国の号外紙面を展示

令和は「検索を超え」ネットとリアルの世界が融合した時代へ

 ヤフーは号外翌日の4月2日付朝日新聞に15段の企業広告も掲載した。こちらには「令和」の文字が入った「検索窓」を真ん中に載せながらも、「検索を、超えよう。」のコピーを添えた。

 「次の時代も、情報技術を使って、より豊かで便利な社会をつくっていきたい。そんな私たちのビジョンを広く社会に発信するとともに、社内でも改めて共有するよい機会となりました」(中野氏)

2019年4月2日付 朝刊137KB

 ヤフーではソフトバンクとの合弁会社「PayPay」を2018年6月に設立し、スマホ決済事業にも力を入れている。令和時代は間違いなくネットとオフライン、リアルの世界との融合がますます進むだろう。平成から令和へと改元するタイミングでのヤフーと新聞のコラボは、まさにそんな新しい時代を象徴する出来事ともいえる。

 「私どもはこれまでも、Yahoo!ニュースで新聞社には随分とお世話になってきました。今回、初めて企業広告を新聞に掲載し、普段インターネットをあまりお使いにならない方々を含め、幅広くメッセージを伝えるうえで非常に有効なメディアだと実感しました。新聞号外の発行という社会現象と絡め、テレビでも取り上げられたことで、大きな相乗効果を生むことができました。そういった意味ではネットとオフライン、リアルな世界とのよい循環がつくれたように思います」(中野氏)

 そんなヤフーでは今、広い意味での社会的コミュニケーションを重視している。震災を風化させないため、3月11日に「3.11」と検索すると復興支援活動に10円を寄付できるプロジェクトを2014年から実施。今年の3月には渋谷のスクランブル交差点の一角に津波の高さを示す屋外広告を掲出し、話題となった。

 「弊社では今後、社会的意義のある取り組みや社会貢献活動にますます力を入れていきたいと考えています。この点でもSDGsの取り組みなどに積極的な朝日新聞と、今後も連携して有意義な取り組みができればと考えています」(中野氏)

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