#気になる「中の人」に会いに行く

 「中の人」になって1年あまり。アカウントを運用するって迷うことばかり。どう伝えたらいいかと言葉ひとつ選ぶのに悩んだり、コメントに嬉しくなったり、試行錯誤の毎日です。でもそれは「何を大事にしたらいいか」を見つめることでもあります。
 気になるあのアカウントの中の人は何を大事にしているのかな。広告朝日編集部Tが気になるアカウントの中の人にお話を伺う新企画「#気になる中の人に会いに行く」始まります。 

 初回にご登場いただくのは「
ことばと広告(@kotobatoad)」さん。弊紙をふくむ新聞広告に掲載された想いを本当にいつもよく見てくださって、編集部一同注目しているアカウント。紙面に込められたメッセージをとても上手に紹介していただいています。全国紙だけでなく地方紙や交通広告もチェックされているのもすごいところ。さっそくお聞きしてみました。
 

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アカウント名をおしえてください。

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ことばと広告です。2020年から投稿をしています。

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ことばと広告さんはアカウント名にも「広告」が入っていたり、投稿にいつも広告への愛を感じます。広告がお好きなんですか?

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もともと仕事でコピーライティングをしていたんです。その中で広告って世の中への影響力があって、時代の空気も変えて、ときに誰かの人生を応援する、そんなものじゃないかと感じてきました。そんな広告が、わたしは好きです。

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素敵なお考えですね!広告に携わる我々としてもとっても嬉しいお言葉です。
Twitterでも最初から広告の紹介を?

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最初はコピーライターのなりかた、とかクリエイター関連の情報も発信していたんですが、いろんな広告を紹介していくうちにどんどんリアクションをいただけるようになって。たくさんの人に見てもらえる嬉しさもあって「いいなと思った広告をシェア」するようになりました。

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わかります!反応をいただくと嬉しくなりますよね。

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そうなんです。背筋も伸びます。

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ことばと広告さんの投稿はいつも「言葉」もシンプルで素敵だなぁと拝見しています。意識していることはありますか?

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主役は紹介している「広告」の方にある、と常に意識して、文章は添える程度、最小限にしようと心がけています。説明しすぎるとつまらなくなってしまう気がして。

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なるほど!だからこその選び抜かれた言葉なんですね。

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恐縮です。嬉しいです。

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いつもたくさんの広告に目を通されていていることにも驚いています。どんなふうに情報を集めていらっしゃるんですか?

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毎朝、起きるとまず新聞2紙のデジタル版に目をとおします。そのほか広告関連のメディアやPR情報も。チェックするサイトを決めていて、夕方にも更新情報がないか確認しながら投稿する案件を選びます。

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時間をとってしっかり取り組まれているんですね!!わたしも見習わないといけません。その原動力、モチベーションはなんでしょうか?

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なんというか、話が大きくなってしまうんですがいい広告を通して「ああ、人生って捨てたもんじゃないな。また明日からも生きていこうか」と思ってもらえたらうれしいな、と思っています。

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ああ、わかります。私たちも新聞紙面を通じたメッセージが一人でも多くの方に届いて、そしてその情報で少しでもそのひとの人生をよりよいものにしてくれるといいなと思って発信している部分、すごくあります!

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そうですね、新聞広告はよく取り上げています。ジャーナリズムとの組み合わせでメッセージ発信できるところは新聞ならではですよね。広告メッセージに社会背景を加えることができる、というのでしょうか。
今日の新聞に載っている=いま見つけた、という『生っぽさ』がTwitterと相性のいいところだとも思います。

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ありがとうございます、嬉しいお言葉です!それにしてもたくさんの広告の中から投稿する案件を選ぶのは大変ですよね。ポイントはあるんでしょうか。

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運用で迷うとき、難しい言葉になってしまうんですが「公益性」を最優先に考えます。広告を投稿するとき、いつもチェックするリストがあって。

✔ 広告の魅力がちゃんと伝わるか
✔ 添えるコメントで邪魔してないか
✔ 見て(読んで)気持ちいいか
✔ 自分の都合だけを考えてないか
✔ 誰かを不用意に傷つけないか
etc...
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中でも気をつけているのが「見て(読んで)気持ちいいかどうか」です。

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すごく大事なポイントですね。

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だんだんと反応を頂くようになって、多い時は15万いいね、をいただいたりします。そうするとインプレッション数はざっと1,000万。それだけの方に見られている、思うとなんというか責任を感じてしまうんです。
紹介する広告に対するリスペクトを忘れず、そのうえで、投稿を見た人が「あしたもがんばろう。」といい気持になってくれたらうれしいな、と。

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最近特に印象に残っている広告ってなんですか?

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明治R-1の「墾田永年私財法」はインパクトが強くて面白い仕掛けだなと思いました。また朝日広告賞「一般公募の部」で受賞された「特別養子縁組制度」の作品も反響が大きく、言葉の持つ力を感じました。

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そうやって真剣に選ばれたからこそ、のあのラインナップ。そしてアカウントとしての信頼感なんだなぁと腹落ちします。クリエイターの方にインタビューさせていただくときも、よく、ことばと広告さんのアカウントのお話が出るんです。そんなことばと広告さんが、これから目指すもの、はなんでしょうか。夢、希望、なんでも聞かせてください。

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そうですね、なくてはならないものになれたらなぁ、と思っています。たった一つの広告のコピーが誰かの道しるべになったり、心に明かりを灯したりすることってあると思うんです。簡単なことではないけれど、そんな存在になりたいと願い続けていたら、そんな丘を登りたいと思い続けていたら、いつかは登れるんじゃないかな。そんな想いをもって、まずは一つ一つの投稿を大切にしていきたいと思います。
あと、クリエイター向けに「つくるヒント」というnoteを書いてます。広告に限らず、つくる人や書く人の背中を押せたらなと。それが今の夢です。

<編集後記>

 ひとつひとつ言葉を選びながら、投稿に対する想いを丁寧に答えてくださった「ことばと広告(@kotobatoad)」さん。紹介という形をとっているからこそ、言葉一つ添えるのにも真剣に悩む、というお話から広告へのリスペクト、そして投稿を見てくださっている方への真摯な姿勢が伝わります。それは投稿を拝見しながら伝わってきたお人柄とまったく同じ。ことばと広告さんの『志』はひとつひとつの投稿に、しっかり宿っているのだなと感じました。広告に携わる我々にとってもその意義を振り返るとても貴重な機会をいただきました。ことばと広告さん、ありがとうございました!

ことばと広告

文筆家 / コピーライター。Twitterでの広告紹介や、noteで、つくる人や書く人の背中を押すコラムを執筆中。 https://note.com/kotobatoad