高校生の子供を持つ親との広告コミュニケーション

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2017年度の「学校基本調査(文部科学省)」によると、大学をはじめとする高等教育機関への進学率(過年度卒含む)が80.6%と過去最高を記録しました。8割以上が高等教育への進学を控える、高校生の子供を持つ親との広告コミュニケーションについて考察しました。

8割以上が「教育・進学」情報を必要 情報源は「新聞」「インターネット」

 J-READでは様々なジャンルの「情報」について、その「情報」の「必要性」を尋ねている。例えば、「新しい情報を知りたい」「自分にとってなくてはならない」「自分には必要ない」などである。

 まず、「教育・進学」情報についての必要度を測るため、情報を必要としている人の割合を、「自分には必要ない」「不明」と答えた人を除いた割合で算出した(図1)。高校生の子供を持つ親の82.4%が「教育・進学」情報を必要としており、新聞購読者は83.3%、朝日新聞購読者は90.5%と9割以上が「教育・進学」情報を必要としている。

(J-READ2016)

 では、「教育・進学」情報の情報源は何だろうか(図2)。「新聞」と「インターネット」がほぼ5割で最も多い。新聞購読者や朝日新聞購読者は、「新聞」の方が「インターネット」より割合が高くなっている。ここで注目されるのは朝日新聞購読者が「新聞」はもちろん、「インターネット」「雑誌」「友人・知人からのクチコミ」など、ほとんどの情報源で、新聞購読者や高校生の子供を持つ親全体よりスコアが高くなっていることだ。朝日新聞購読者があらゆる情報源を使って教育や進学の情報を集めている様子がうかがえる。

(J-READ2016)

広告にも高い関心 キーワードは「教育方針」「海外留学」

 次に「広告」について見てみよう。「専門学校・短大・大学」「学習塾・予備校」広告に関心があるかどうかを尋ねたのが図3である。高校生の子供を持つ親は「全体」に比べてスコアが高く、関心の高さがうかがえる。新聞購読者ではそれほど上昇は見られないが、朝日新聞購読者は、それぞれ35.3%、23.7%と、関心度が非常に高い。

(J-READ2016)

 では「教育に対する意識」はどうだろう(図4)。高校生の子供を持つ親の9割が「子・孫の教育に本や新聞は大切だ」と答えている。以下「子・孫におけいこ事を習わせたい(72.7%)」が続く。

(J-READ2016)

 図4においても、朝日新聞購読者のスコアが、高校生の子供を持つ親全体や新聞購読者より総じて高い。特に、「進学は教育方針共感の学校がよい」「子・孫には海外留学をさせたい」のスコアが相対的に高くなっている。「教育方針」や「海外留学」が、新聞広告を作る上で、高校生の子供を持つ親の関心を引きつけるキーワードとなりそうだ。

新聞は情報源であり教育メディア

 高校生の子供を持つ親にとって新聞は、大学の教育方針など進学に関する情報を詳しく知るための重要な情報源であることが分かった。また、高校生の子供を持つ親の9割以上が「子・孫の教育に本や新聞は大切だ」と答えている。新聞は、教育や進学の情報を得られる情報源としてだけでなく、子供の教育に役立つ教育メディアとしても評価されていると言えよう。

(朝日新聞東京本社 メディアビジネス局 マーケティング・ディレクター 真板 誠)


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調査概要

■第16回全国新聞総合調査(J-READ2016)
調査地域: 全国47都道府県
調査対象: 満15~69歳の個人
抽出方法: RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)で、調査対象者を抽出。
調査方法: 調査依頼への応諾者に後日郵送で調査票を送り、記入完了後、調査票を返送
有効回収数: 28,805
規正標本サイズ: 88,168(推計人口に対応。単位:千人)
調査時期:2016年10月16日(日)~ 10月22日(土)
調査主体: :ビデオリサーチ
※ J-READ2016の標本サイズ(n数)はすべて規正標本サイズです


◆PDFでもご覧いただけます
icon_pdf冊子『広告朝日』17号掲載 Data&Analysis(659KB)