一瞬のシャッターチャンスを新鮮な表現で――。「日本の自然」写真コンテスト表彰式開催

 第32回「日本の自然」写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会、協賛:ソニーマーケティング)の表彰式が7月13日、銀座ソニービル内コミュニケーションゾーンOPUSで開かれ、入賞者34人が出席した。

最優秀賞「興味津々」 市川節子 最優秀賞「興味津々」 市川節子

 1982年にスタートした同賞は、「いつまでも守り続けたい日本の自然」をテーマに、30年以上続く権威あるコンテストだ。日本の美しい風景や動植物、人間の営みなどをストレートに表現した作品を、プロ・アマチュア問わず応募できる。今回は、前年を1248点上回る4986点の応募があった。

 冒頭、朝日新聞社ゼネラルマネージャー兼東京本社報道局長 橋本 仁氏は、「30年以上続くこのコンテストは、日本を代表する写真家の皆さんが審査し、これまでも優れた力作を多く輩出してきた権威ある賞。今年も素晴らしい作品を選ぶことができた」と手ごたえを語り、「当社では写真を通じ、今後も自然保護活動を進めていく考えです」と訴えた。

 また今回、「ソニー4K賞」を新設。画像データをソニー「4Kブラビア」に映し出して審査を行う。協賛社のソニーマーケティング社長の河野弘氏は「私たちはメーカーとして、撮る、見る、共有する、学ぶという四つのコンセプトで写真に貢献したい。その『見る』の一つとして当社が提案するのが、4Kテレビでの鑑賞です」と述べた。会場では実際に65インチのブラビアで入賞作を映しながら、「その場にいるような空気感や光の具合など、表現力が格段に進歩している。お子さんを撮影した映像や、撮影した写真をみんなで楽しむ、そんな使い方の提案を通じ、写真がもっと愛されるようになればうれしい」と語った。

最優秀賞 市川節子さん 最優秀賞 市川節子さん

 続いて受賞作品の表彰へ。最優秀賞を受賞したのは、市川節子さん(神奈川県)の「興味津々」。木にとまったアブラゼミを2羽のアオバズクのヒナたちが大きな目で真剣に見つめているほほえましくユーモラスな作品だ。記念の盾、副賞の賞金100万円が朝日新聞の橋本局長から、さらにソニーストアで利用できる20万円分のクーポンをソニーマーケティングの河野社長から授与された。市川さんは「私は丹沢山系の山々を臨む、自然が豊かな秦野市というところで暮らし、撮影しています。今回の受賞を一里塚とし、写真文化の未来への思いを胸に、これからも撮影活動に取り組んでいきたい」と受賞の喜びを述べた。

 その後、今森光彦賞、前川貴行賞、吉野信賞、ソニー4K賞、優秀賞、入選、都道府県一賞の各賞を表彰。受賞者たちは審査委員から盾と記念品などを受け取り、緊張しながらも誇らしげな表情を浮かべていた。

ソニー4K賞「つまみ食い」 上野 純 ソニー4K賞「つまみ食い」 上野 純

 総評は、審査委員の写真家・吉野信氏から。「改めて受賞作品を見て、われわれ審査委員の目は確かだったと確信した」と笑顔を見せ、「一見シャッターチャンスがないような風景写真も、一瞬のシャッターチャンスを的確にとらえていた。野鳥や獣の写真も、どこかで見たことのあるような作品ではなく、新鮮な切り取り方をした作品が受賞した。受賞者の皆さんには、来年に向けて新しい世界を探っていってほしい」と期待を込めた。

 入賞作品の展示会は、表彰式の会場となった銀座ソニービルを皮切りに(終了)、全国21カ所を巡回予定。今回の巡回展では、新設したソニー4K賞受賞の作品を始め、数多くの入賞・入選作品の画像データをソニー「4Kブラビア」に映し出して展示し、デジタルならではの写真観賞の楽しみ方を伝えていく。

詳しくは以下ホームページをご覧ください。
・全日本写真連盟ホームページはこちら
・ソニー特設サイトはこちら

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