100年時代を見すえた住まいを提案 お盆を実家について話し合う機会に

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1972年から、軽量気泡コンクリート「ヘーベル」を使った長寿命住宅を販売してきた旭化成ホームズ。同社は、二世帯住宅を業界に先駆けて発売するなど、常に時代の変化に合わせた住まいを提案してきました。この夏は、お盆を実家のこれからを考えるきっかけとし、相談会の告知をする全15段のカラー新広告を3日間にわたって掲載しました。

ロングライフ住宅を理念に掲げ 他社に先駆けて二世帯住宅を提案

 欧米に比べて、日本の住宅は寿命が短い。かつては20年も経てば、建物としての価値はなくなるとまで言われていた。スクラップ&ピルドが普通で、一世代ごとに建て替えられていた。そのような日本の住宅の常識を変えたのが、1972年に創業した旭化成ホームズの「ヘーベルハウス」である。

松本吉彦氏

 「ヘーベルハウスは、経年劣化が少なく耐久性が高い軽量気泡コンクリート『ヘーベル』を建材に使った住宅です。寿命60年を目標に設定した独自のメンテナンスや点検プログラムにより、これまでの日本の住宅にはない長寿命化を実現しました」

 旭化成ホームズ くらしノベーション研究所 所長の松本吉彦氏は話る。高品質な住宅を長く使うことを理念に掲げた旭化成ホームズの「ロングライフ住宅」戦略は、人生100年時代をまさに先取りしたものと言えるだろう。

 「最近は『人生100年時代』という言葉の普及とともに、消費者の意識が大きく変わってきているのを感じます。多くの人が、かつてより住宅を長いスパンで考えるようになっています。それによって私どもが長年、取り組んできたロングライフ住宅の思想も、より受け入れられやすくなってきていると感じています」

 かつては60代以上になると、余命は長くないという意識が強まり、老朽化で家に不具合が生じても建て替えやリフォームをせず、我慢してそのまま住み続ける人が多かった。

 「しかし長寿化が進んだ今は90歳、100歳になっても自分は今の家に快適に住み続けることができるかどうかを考える必要があります。最近では60代、70代でリフォームや建て替え、住み替えをする人も少なくありません。また現在は、共働きが当たり前となり、若い世帯は親からの子育て支援を必要としています。そのような若い世代と、90歳、100歳まで住める家を求める親世代の両方のニーズをかなえられる、二世帯住宅の需要が高まっています。とくに最近は30年以上前に開発された都市近郊のニュータウンで、二世帯同居のための建て替えが多くみられるようになってきました」

平成25年 住生活総合調査/国土交通省 主な二つを回答

 もともと「二世帯住宅」という言葉は、1975年に旭化成ホームズが発売した住宅の商品名だったという。今ではすっかり一般名詞化しているが、同社は二世帯住宅の先駆けとして長年、業界をリードしてきた。

 旭化成ホームズでは、1980年に二世帯住宅研究所、89年に共働き家族研究所を設置し、2009年にはこれらの生活研究を統括するくらしノベーション研究所を設立した。時代やライフスタイルの変化に応じて、異なる世代が適切な距離感で暮らせる、理想的な二世帯住宅について研究し、様々な提案を行ってきている。

 「最近は二世帯住宅といっても、60代の親と30代の子、80代の親と50代の子といった具合に、世代の幅が広がり、求められる住まいのあり方も多様化しています。さらに晩婚化や離婚の増加によって、単身の兄弟姉妹と暮らす2.5世帯住宅のニーズも高まっています」と松本氏は説明する。

ストーリー仕立ての新聞広告で 実家のことを考えるきっかけに

 現役引退後の時間が長くなる人生100年時代は、その間の生活費をまかなうための資産形成を、計画的に行う必要がある。そのうえでも重要なカギを握るのが住宅だ。

 「住宅(とその敷地)は一般家庭の資産の中では最も高価なものだと思います。それを資産形成の面からいかに有効に活用し、次世代に継承していくかが、これからの時代はますます重要になってきます。そのような視点から、親世帯が都市部に建てた家を、二世帯住宅や賃貸併用住宅などに建て替えるなど、様々な提案をしています」

 同社の各地の展示場では、そのような実家のより有効な活用法、理想的な二世帯住宅のあり方を提案している。さらに帰省などで家族が集まることが多い8月には、「実家のこれから相談会」を実施。その告知を兼ねた全15段のカラー新聞広告を、お盆の時期に3日連続で掲載した。

2018年8月14日付 朝刊599KB

2018年8月15日付 朝刊532KB

2018年8月16日付 朝刊595KB

 「家族をテーマにした広告やキャンペーンは、お盆と正月に展開することが多く、やはりこの時期が効果的です。実家をこれからどうするかは、家族にとってとても重要なテーマですが、それだけに何かきっかけがないと、話しあいにくいのも確かです。今回の新聞広告では、お盆に帰省で集まった家族や兄弟が、実家について考えたり、話しあったりするきっかけづくりになれば、との思いがありました」

 子どもと帰省し、雑草が伸びた庭や酒量が減った様子に、父親の年齢を感じる息子。孫とはしゃぐ母を見て、普段、一人で暮らしている母の生活に思いをはせる娘。実家をこれからどうするか、気にしながらも、久しぶりの実家での団欒(だんらん)を楽しむ兄と妹。広告では、そんなごくありふれた家族のワンシーンが、一人称で話られていく。大胆にデフォルメし、背景に敷かれたイラストも、想像力をかき立てる。

 「読者に自分ごととして実家のことを考えてもらいたかったので、誰もが共感しやすいストーリー仕立てにしました。『相談会』の告知以外、こちらからのメッセージは入れていません。このように文章をじっくり読んでもらい、何かを感じたり、考えてもらったりすることは、テレビやネットでは難しい。新聞ならではのメリットですね」