毎年5月に埼玉県飯能市で開催される「飯能新緑ツーデーマーチ」。入間川の清流や里山など豊かな自然を眺めながらウオーキングが楽しめるイベントだ。2日間で5~30キロの計10コースが用意され、初心者も気軽に参加できる。今年8回目を数えたこの大会に3年前から特別協賛している住友信託銀行。その目的について、リテール企画推進部 広告宣伝企画チーム チーム長の松浦修氏に聞いた。
CSR活動の一環としてスポーツ事業に協賛
──スポーツ事業への協賛の目的は。
住友信託銀行は、預金・貸出・為替といった銀行業務のほかに、金銭・有価証券・不動産などお客さまの資産をお預かりし、運用・管理する信託業務を行っています。文字通り「信頼して託す」事業で、公的役割が強いことから「公器」とも呼ばれます。そもそも金融業務は社会性が高く、本業を健全に営むことが社会的責任であることは言うまでもありませんが、当社はこれにとどまらず、CSR活動を積極的に推進し、社会の持続可能な発展と企業価値の向上を目指しています。スポーツ事業への協賛は、その一環ととらえています。
──御社のCSR活動の内容とは。
事業を通じたCSR活動(環境問題への対応、社会的責任投資など)と同時に、「With You」というコンセプトを掲げて社会貢献活動を展開しています。「You」は、お客さま一人ひとりであると同時に、人を取り巻く社会であり、人と社会の営みを育む地球と自然環境でもあります。私たちはこの「人・社会・地球」の3つに対する感謝と貢献の気持ちを持って、教育支援やスポーツ支援をはじめ、ピンクリボン運動や、長年連れ添った夫婦が互いへの感謝の言葉をハガキにつづる応募企画「60歳のラブレター」など、さまざまな活動を展開しています。地域住民とのふれあいを目指した「飯能新緑ツーデーマーチ」への特別協賛もこうした取り組みの一つです。
──「飯能新緑ツーデーマーチ」への特別協賛をビジネス面でも生かせるとお考えですか。
ウオーキングを楽しまれる方はシニア世代が多く、信託銀行の顧客層と重なります。そういう意味ではイベントが当社の認知度向上や信頼につながり、さらにビジネスにつながれば、とてもありがたいことです。とはいえ、主目的は営利ではありません。先ほど申し上げたとおり、当社はこのような取り組みを通じ、社会の持続可能な発展に貢献しながら、自らの企業価値を向上させることを、CSR活動の基本方針としています。
社員も積極的に参加しイベントを盛り上げる
──「飯能新緑ツーデーマーチ」の内容は。
今年の参加者は、2日目の天候がすぐれなかったにもかかわらず、1万2千人にのぼりました。飯能市長をはじめ、市の職員の方々、教育委員会の方々が勢力的に大会を盛り上げ、さらに地元の中学生約1千人がボランティアとして運営を手伝ってくださいました。中学生たちが参加者に「いってらっしゃい!」「おかえりなさい!」と声をかける姿は感動的でした。当社のマスコットキャラクター「しんたくん」もスタート地点に立ち、ハイタッチで参加者たちを見送りました。飯能市ではちょっとした人気者なんですよ(笑)。
当社職員も運営スタッフの一員を務め、「60歳のラブレター」の冊子の配布なども行いました。また、当社職員の家族も含めて参加者を募り、今年は社長をはじめ役職員が人と自然とふれあいながらのウオーキングを楽しみました。本イベントを通じ当社の取り組みにご理解をいただける方が一人でも多く増えることが、職員のモチベーション喚起にもつながっていると思います。
──主催の朝日新聞社との連携について、ご感想をお願いします。
朝日新聞社は、さまざまなイベントの企画・運営に精通しているので、連携はとても心強いです。高所得者層やシニア層の読者を多く有しているので、当社の顧客層との親和性もあると感じています。当社のお客さまを含めた幅広い層にリーチできる「新聞」というメディアは、何よりも魅力的ですね。今後ますます企画の魅力を高めてくれることを期待しています。