今年10月に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)。「生物多様性」は一般の人にはなじみの薄い言葉だが、同条約は1992年のリオデジャネイロの地球サミット「国連環境開発会議」で生まれた“双子の条約”の一つである。
双子の境遇は、随分違う。一方は、京都議定書でよく知られる気候変動枠組み条約。地球温暖化防止のために、各国のCO2削減目標が掲げられ、企業にとってCO2削減の取り組みは経営戦略の大きな柱にもなっている。
もう一方の生物多様性条約は、絶滅危惧(きぐ)種をはじめとする多様な生物の保全と持続を目標としている。人間の経済活動の影響などによって、年間4万種の生物がこの地球上から姿を消しているが、残念ながら日本では、同条約の知名度は低い。
普段、生き物に直接触れる機会の少ない多くの企業や市民にとって、生物多様性がなぜ重要なのか、どうかかわるべきなのか、戸惑うことが多い。そうした状況から、COP10開催1年前を契機に、広告特集「生命の五輪」シリーズがスタート。環境問題をテーマとして取り組む伊藤智章論説委員が、毎回コラムの執筆で協力している。国連の定める「国際生物多様性の日」である5月22日にちなみ、毎月22日、COP10までの1年間の連載を目指している。
自然界を構成する土・水・太陽・大気・森を「生物多様性を育む自然界の五輪」とし、社会を構成する企業・行政・NGO/NPO・大学・メディアを「生物多様性を持続させる社会の五輪」と位置づけ、二つの五輪が歯車のごとく連動することで実現する世界を「生命の五輪」とした。紙面展開は、企業と行政・NPO・大学研究機関が連携する取り組みを、オリジナルキャラクターのカエルの兄妹エルとタマを交えて紹介。読者が、家族の間などで話題にしてもらえるような紙面づくりを試みている。
これまで紙面協賛をいただいた企業は、建設・機器製造・金融・高速道路・飲料・エネルギー・旅行など幅広い業種にまたがり、各回のテーマも多様である。いかなる企業も生物多様性とつながることの重要性が、シリーズを通じて浮き彫りになってくる。各協賛企業からは、同企画によって、生物多様性の取り組みを社内外に明確に伝えることができた、と高い評価をいただいている。
「生命の五輪」シリーズを是非、初回から横に並べて見ていただきたい。紙面上の輪のつながりに気づかれるだろう。“生命のつながり”“社会のつながり”の大切さを、一人でも多くの人に、実感していただければと願っている。
(名古屋本社「生命の五輪」プロジェクトチーム)
広告特集 「生命の五輪」2009年10月~2010年10月<予定> 名古屋本社版
◇媒体資料「朝日新聞にみる環境広告」はこちらから:
http://adv.asahi.com/modules/media_kit/index.php/kankyo_tokyo.html
◇媒体資料「生物多様性2010」はこちらから:
http://adv.asahi.com/modules/media_kit/index.php/biodiversity.html