パナソニックは、朝刊テレビ面の大型縦型広告、スポーツ面のフローティング広告のスペースを活用し、防水タイプのポータブルワンセグテレビ「ビエラ・ワンセグ」を紹介する広告を、4月10日付朝刊に掲載した。コミュニケーショングループ宣伝企画チームの及川麻菜美氏、同グループクリエイティブチームの佐藤敬介氏に聞いた。
記事とリンクした内容で注目を引く
――企画意図は。
昨年11月、テレビ好きの女性に向けてテレビ面に同製品の広告を出稿したところ、販売数が1.5倍ほど伸びたんです。そして、その購買層が意外にもスポーツ好きの中高年層にも多いとわかりました。そこで、今回はテレビ面に加えて、スポーツ面で男性に向けて展開し、それぞれ違うターゲットに訴求することを考えました。
――クリエーティブの工夫は。
以前に掲載した表現からリメークするにあたり、掲載面に合ったタイムリーな話題にリンクさせることを第一に考えました。テレビ面では、春の番組改編に合わせ、綾瀬はるかさんがお風呂でゆっくりとドラマを楽しむシーンを表現しました。スポーツ面では、プロ野球の開幕など、その時期に盛り上がっていた野球をテーマにして表現を考えました。それで「プロ」と「風呂」をかけた「フロ野球」というユニークなキャッチフレーズで目を引くようにしたんです。記事の中にポッと浮かんでいるような変わったスペースのおかげで、読者の興味をうまく誘えたのではないかと思います。
――スペースの使い勝手はいかがでしたか?
そもそも新聞のデザインは定型のイメージがあるので、思わぬところに意外なスペース取りの広告があると目を引きますね。新聞でできる広告表現の自由度が以前よりも上がっていると感じました。また、今回の企画のように商品特性と記事内容をタイムリーにリンクさせることができると、より大きな効果を発揮すると思いました。コンビニは、天気によって商品の配置を変えるそうですが、買いたいお弁当の周りに気のきいた商品が置かれているように、読みたい記事の周の目立つ位置に同じ話題の広告があると、すっと受け入れやすいという気がします。
――広告の反響は。
「グーグルインサイト」で、「ビエラ・ワンセグ」の検索結果を調べたところ、急激に数字が伸びたグラフの山がちょうど新聞広告を出した日と一致しました。明らかな反響を目の当たりにし、改めてその影響力に驚いています。