節目の年に「伝統と革新」をアピール

今年創立90周年を迎えた尚美ミュージックカレッジ専門学校。周年事業の一つとして、5月17日付朝日新聞朝刊に全面広告を出稿した。同校広報部長の加藤淳一氏に、新聞広告を活用したねらいなどを伺った。

多彩な学科、活躍する卒業生などを一つの紙面に

加藤淳一氏 加藤淳一氏

 「創立90周年をきっかけに改めて校名を周知したい。それが、新聞出稿を決めた理由です」。

 同校は、クラシックからポップスまで幅広い教育部門を有し、プロの演奏家やステージパフォーマー、ミュージックビジネスのスタッフを目指す学科など、音楽に関する幅広い教育を行っている。

 「周年事業の企画やイベントを並べてみると非常に多彩で、『うちの学校らしさ』がとてもよく表れていました。これを広く伝えるには、紙面の大きさはもちろん、格も含めて新聞が最適と考えたのです」。

 クリエーティブは、周年事業のイベントやニュースなど16のトピックを写真とともに並べた。加藤氏が話すとおり、同校の学科、卒業生の多彩さが一目でわかる。この広告のために寄せられた同校出身の世界的トランぺッターである日野皓正さんからのメッセージも目立っている。

 「掲載の許諾や細かい文字校正まで、一つひとつ丁寧に取り組んだことは、振り返ると大変でしたが、その分、良いクリエーティブになったと思います」。

 スクールカラーのブルーを基調に、「WE LOVE MUSIC」の透かし文字を配したデザインにもこだわりが。「90年という歴史はありますが、広告ではクラシカルというよりも、ポップな要素を打ち出し、若々しさを表現したかったのです」。

 その思いは、広告のコピー「これが伝統と革新!」にも表れている。

高校生の親御さんに「安心感」を

 全国版に広告が載った日、静岡で「日本吹奏楽指導者クリニック」という全国の吹奏楽指導者が集まる研修があった。その場でも「見たよ」「すごいね」と話題になったという。また、卒業生が就職した企業などからも反響があり、「多くの人に見ていただけたという実感がある。あらゆるステークホルダーに届けたいという強い思いが、きちんと伝わったようです」と加藤氏は手ごたえを感じている。

 また、今回の広告では、「高校生の保護者」も訴求ターゲットだった。「最近の親御さんは、お子様が希望する進路をサポートする傾向があります。とはいえ、やはり安心できる学校に通わせたいと思うもの。この新聞広告をきっかけに、『こんな学校なら安心』と思っていただけたら。そこは強く意識しました」

■画像はPDFへリンクします 2015年5月17日付 朝刊 2015年5月17日付 朝刊

 学生募集のメーンターゲットである高校生には、今回のクリエーティブと同じデザインをリーフレットにし、イベントなどで配布した。

 今回の新聞出稿は朝日新聞のみ。「過去の学校・教育関係の広告や広告特集などを色々と見てみたところ、朝日新聞が最も力を入れ、いい広告を掲載していたことが選んだ理由だった」と明かす。

 来年3月までは、紙面でも紹介した企画やイベントが目白押しだ。今後はパブリシティーを中心に告知していく考えだ。

 最後に加藤氏は、こう言葉を結んだ。

 「90周年という歴史は大切にしながら、100周年に向けたマイルストーンとして『伝統と革新』を旗印に発展していきたい。10年後、さらにその先を見据えていきたいと考えています」