新鮮な野菜にふりかけて、トスする(まぜる)だけで、デリのようなおしゃれサラダのできあがり! これまでにない新しいスタイル、手軽さや本格的な味わいが受け、ヒットを飛ばしているのが「トスサラ®」だ。5月30日と6月6日、朝日新聞朝刊生活面にこの商品の広告特集が掲載された。味の素広告部広告企画グループ主任の風間大輔氏に、出稿のねらいなどについて聞いた。
「どうやって食べる?」「何が入ってる?」――商品理解を促す
「トスサラ®」は昨年2月、関東地方で先行発売され、同8月に全国発売された。
「話題性もあり非常に好評をいただいています。2015年上期、改めて消費者の皆さんにアピールしようと考えました」と風間氏。そして、こう続ける。
「5月末から6月にかけテレビスポットを投下し、大々的な認知拡大を図るとともに、この商品がどういうものなのか理解を促すため、新聞広告の活用に踏み切ったのです」
5月30日の紙面では、「トスサラ®」の使い方を3ステップで解説。さらに「イタリアン・バジル味」「シーザーサラダ味」「まろやかな京風ゆず味」「すりごまガーリック味」のそれぞれの商品の中身について、粉末ドレッシングタイプの「粉ドレ®」と合わせてどんなトッピングが入っているのかを写真で紹介した。続く6月6日は、各商品を使ったレシピを紹介した。
いずれも、「トスサラ®」のCMキャラクターの女優、菅野美穂さんが登場。「記事体裁の広告特集の場合は通常、料理研究家やシェフの起用が多いのですが、菅野さんの存在によって、パッと目に留まり、訴求力のあるクリエーティブになりました」(風間氏)
両紙面には、スマホをかざすと菅野さんが出演するテレビCMが見られるARのしかけを組み込んだ。風間氏は「効果は未知数ですが、今後さまざまな活用ができるのでは」と期待を寄せる。
また、同時期にBS朝日「テイバン・タイムズ」や、朝日新聞デジタル&[アンド]での特集も展開した。「今回は、朝日新聞のグループメディアで横断的にキャンペーンを展開することができました」(風間氏)
野菜が高かったときも相乗効果で売り上げにつながった
掲載後、同社のお客さま相談室には「新聞広告を見て」という問い合わせが複数あったという。「問い合わせの数でいうと、テレビCMよりも新聞広告を見てお問い合わせいただく方が多いですね。新聞では特徴をきちんと説明できるため、しっかり読んでいただき、結果、商品への関心が高まったととらえています」と風間氏。比較的年齢層の高い読者からの問い合わせが多く、「若い人は興味を持てばネットで調べるのに対し、70代や80代の方はそういう術を持たない場合が多い。年齢の高い読者層を持つ新聞は、情報を欲するところにきちんと届けられるというメリットがあると考えました」(風間氏)
テレビCMと新聞広告を同時期に展開した効果もあり、店頭での回転率は倍ほどになるなど、売り上げは堅調だ。天候不順によって5月は野菜の価格が高騰したが、野菜売り場に「トスサラ®」を置くことで、野菜も「トスサラ®」も売れるという相乗効果があり、スーパーなど流通関係からも高く評価されたという。
今後のコミュニケーションについて、「引き続き、商品イメージをテレビCMで伝え、新聞広告や雑誌などの活字メディアでは、商品の理解を促進していきたい」と風間氏は話している。