リニューアルした商品とウルトラセブンの共通点を訴求 新聞で親と子の関心を引き寄せる

 2012年11月2日、そして今年1月11日。40~50代の「ウルトラマン世代」のお父さんたちが心躍らせる紙面が二度にわたって朝日新聞を飾った。ミサワホームの広告だ。このキャンペーンの経緯やねらいを、ミサワホーム営業推進本部販売企画部宣伝・Web企画課長兼Webダイレクトプロジェクト課長の西郷泰信氏に聞いた。

生まれ変わった「超工業化住宅」の応援団に「超人」を起用

西郷泰信氏 西郷泰信氏

 ミサワホームが提供する企画住宅ブランド「SMART STYLE」。昨年、5年ぶりに全面リニューアルした。2012年は折しも同社にとって創立45周年の節目の年に当たり、1年にわたる大規模なコミュニケーション展開に踏み切った。

 なぜ、ウルトラセブンを起用したのか?

 「『SMART STYLE』は、主な建築資材を工場で生産・加工し、建築現場に搬入して組み立てる工業化住宅として支持されてきましたが、今回のリニューアルで、『超』工業化住宅と言えるほど進化しました。そこを打ち出すために『超人』に応援してもらえたら――。そう考えていたとき、ウルトラセブンが誕生から45周年を迎えると知り、面白いコラボレーションができるのでは、と考えたのです」(西郷氏)

 住宅購入を検討する年代の消費者は、テレビの「ウルトラセブン」にリアルタイムで夢中になっていた世代。現在もウルトラマンシリーズは子どもたちに人気で、その子どもと一緒に親も楽しんでいるケースが多い。「親も子も、幅広い層が親しみと憧れを持っているという点でうってつけのキャラクターでした」と西郷氏は話す。

 11月2日の紙面ではウルトラセブンが華々しく登場し、ミサワホームとウルトラセブンに「強さ」「スマートさ」「やさしさ」が共通すること、どちらも45周年であることをコピーで訴求。生まれ変わった「SMART STYLE」の紹介をするとともに、翌3日と4日に開催するイベント「ウチ・コレ発表会」の告知も行った。

 年が明けて1月11日の紙面は翌12~14日に全国一斉に開催する「いえ・まち新春フェスティバル」を告知。子ども世代を意識し、ウルトラセブンの息子「ゼロ」にも登場してもらった。

2012年11月2日付 朝刊 全15段 ミサワホーム 2012年11月2日付 朝刊 全15段 ミサワホーム
2012年1月11日付 朝刊 全7段 2012年1月11日付 朝刊 全7段

新聞広告を起点にウェブや展示場への誘導を図る
活字メディアの読者とターゲットが合う

 同社のウェブサイトでも12月2日まで「ウルトラSTRONG!」キャンペーンを展開。特設ホームページを訪れてから展示場やイベント会場に行くと、泊まりがけのウルトラマンイベントに親子で参加できる賞品が当たったり、ウルトラグッズのプレゼントの抽選に参加できるなどファンにもたまらない内容とあって、予想を超えるアクセス数、応募数があったという。
また、展示場で配布している冊子『home club』の創立45周年記念号にもウルトラセブンが登場した。この冊子は、間取りや資金計画など、これから新築を検討している顧客に情報を提供するものだが、記念号では「永遠のヒーロー&家づくりには共通点がある!」と銘打ち、同じ年に生まれたウルトラセブンとミサワホームの共通点を探った。

 「新聞広告を起点にウェブや展示場への誘導を図ろうと考え、ウルトラセブンにはそのきっかけの役割を期待しました」と西郷氏。昨年10月から今年1月までの期間限定の応援キャラクターだったが、「注目されましたし、展示場に足を運んで楽しんでいただいた親子の来場者が多かったのは、ウルトラセブン効果だったと評価しています」と西郷氏は手応えを語る。
ソーシャルメディアなど新しいメディアの誕生、普及によって、マスメディアとの接し方は変わってきているが、西郷氏は「新聞をはじめ、活字メディアを読む層は必ず存在し、そうした層と当社のターゲット層には親和性があると見ている」と評価する。さらに「選択肢が増えたので、『このメディアはこの層が読んでいる』という、より明確なデータがあると、さらに効果的なコミュニケーションプランニングができるようになる。その点はメディア側に期待したいですね」と語った。

 創立45周年のキャンペーンは今年9月まで継続する予定だ。西郷氏は「『SMART STYLE』のリニューアルでウルトラセブンを登場させるなど、前半はにぎやかにキャンペーンを盛り上げてきました。後半は、フリー型注文住宅ブランド『GENIUS』の新商品発表など、時代に先駆ける商品提案と共に、改めて創立45周年を迎えた当社を紹介するようなコミュニケーションも考えています」と語った。