1968年、ニューヨークで設立されて以来、皮膚科学的な見地からスキンケア提案を行ってきたクリニーク ラボラトリーズ。健康的で美しい肌を作るために皮膚科医と研究を行い、スキンケアやメークアップ製品を多数展開している。今年、3月6日、同社は、美白UV下地の新製品「ダーマ ホワイト ブライトニング シティ ブロック 40」を発売した。「ダーマ」とは、英語で「皮膚科学」を意味する“dermatology”の省略形で、「ダーマ ホワイト」のラインアップは18種類にもおよぶ。消費者一人ひとりにとって一番美しい肌を届けるという姿勢が、この製品数の多さのゆえんだ。
シミやくすみを解決する方法として最も有効な手段は、紫外線をブロックすること。シティ ブロックは、バカンスなどの特別な日だけではなく、日常生活で受ける紫外線ダメージから肌を守ることを目的に開発されたものだ。「シティ(街中)で紫外線をブロックしよう」というのが、製品名の由来となっている。
紫外線予防のいらない人はいない
クリニークについて、今回掲載された広告のクリエーティブを担当したクリニーク ラボラトリーズ マーケティング本部 クリエイティブ グループ マネージャー・三才まや氏が語る。
「クリニークは、『女性の誰もが持つ知性的な感情に響くメッセージを発信する』ことを大切に考えます。化粧品の情緒的なイメージに左右されるのではなく、製品の特性をしっかり理解し、知識を積み上げていった上で、購入していただけるようにしていきたいと努めています」
消費者に機能や効果をしっかり伝えることを目的にしているため、文字で訴求できる新聞広告は、非常に有効なコミュニケーション手段だと語る。
「詳しく製品の特性を伝えることができるため、新聞広告は大きな効果があります。また、効率良く全国津々浦々のあらゆる年代層に届けることができ、即時的にお客様に訴求できるという点で新聞広告の魅力を感じています」
紫外線予防は決して女性だけに必要なものではない。高齢者や男性、子どもにいたるまであらゆる層に必要なスキンケアだからこそ、紫外線予防の必要性を理解してもらいたいという。
発売日の前日、3月5日に掲載された広告では、一面の天気欄をはさんで、製品情報のない広告を掲載し、テレビ面の製品広告につなげるという展開を行った。また、社会面に掲載した小型広告には、「紫外線から地球を防衛するのは、オゾン層。肌を防衛するのは、クリニークの新しいシティ ブロック。」というコピーを配し、四コマ漫画「地球防衛家のヒトビト」とのリンクを試みた。
「天気と紫外線は大きくリンクしています。天気欄を広告で挟むことで、読者に紫外線をより意識させることを狙いました。また、環境破壊によって紫外線量が増え、皮膚へのダメージが大きくなることを、ここで伝えています。今回はシティ ブロックの情報だけではなく、環境問題とリンクさせて社会性を持たせることにより、なぜ紫外線予防が必要なのか、なぜクリニークなのかという問題提起ができたと思います。コミュニケーションとしても、質の高いものができあがったと考えています」(三才氏)
いつの時代も主役は製品
クリニークでは、広告のクリエーティブ上のコンセプトを「Product as a Hero(製品が主役)」としている。これまで、感情に訴えるよりも、機能を真正面から、その本物さだけを訴求することを優先してきた。
「クリニークの広告では、モデルやタレントを使いません。製品の特性をじっくりと語り、肌についての知識、肌の問題を解決するための知識や、そのために何が必要なのかということを訴えるために、製品をメーンに据えたクリエーティブを展開しています」
そうしたポリシーのもと、真摯(しんし)な取り組みの積み重ねによって、シティ ブロック シリーズは長く支持され好調だという。
最後に、新聞広告に期待することを三才氏に尋ねた。
「新聞広告は、紙面の大きさでクリエーティブのインパクトを引き出すことができます。一方で、新聞は『堅い』というイメージがありますが、広告をうまく使うことでそういった面を和らげられると思います。今後も、今回のような面白いスペースなどを効果的に活用して、魅力的なクリエーティブを届けていきたいと思っています。また、今回のように商品の特性はもちろん、社会的なニュースと結びついたメッセージ性の強い広告を打ち出して行ければと思っています」