「朝日新聞グローブ(GLOBE)」で環境広告をシリーズ展開

 日立グループは2007年12月、持続可能な社会を実現するために「環境ビジョン2025」を策定した。具体的には2005年と比較して、2025年度までに年間1億トンの二酸化炭素の排出量抑制をめざし、地球環境保全に努め、社会に貢献していくことを宣言したものだ。

 そして、日立グループではこの「環境ビジョン2025」のもと、地球規模での環境保全への取り組みとそのスケールの大きさを訴求する環境コミュニケーション活動を、昨年6月の新聞広告から開始した。

モノづくりに裏打ちされた高い環境技術力を訴求

大居弘明氏 大居弘明氏

 「当社は以前から個々の事業で環境技術を持っており、環境に配慮した製品・サービスを提供してきましたが、グループを横断した形でメッセージを発信したことがありませんでした。昨年6月の『宣言編』では、『日立はすべてを、地球のために。』をスローガンに、すべての事業で環境のために技術を注ぐ、という強い決意を伝えることを狙いとしました。そして、『宣言編』に引き続き、デジタル家電、 情報通信、白物家電、エネルギーなど、『事業編』を展開し、年間1億トンの二酸化炭素排出抑制のための具体的なアクションをお伝えしています」と語るのはコーポレート・コミュニケーション本部 宣伝部 国内企業宣伝グループ兼媒体グループ部 長代理の大居弘明氏。

 「事業編」の環境広告は1月12日に新創刊した「朝日新聞グローブ(GLOBE)」などでシリーズ展開している。「家庭やオフィスの電化製品から社会インフラまで当社の事業領域の広さとその技術力を深く伝えたいと考えました。例えば、専業メーカーにない他分野の技術を、あるときは薄型テレビに、あるときは洗濯乾燥機に活用し、様々な環境技術を応用していることを。それが日立グループの強みであり、お伝えしたいと思っています」

新聞広告で具体的なアクションを伝える

1/1 朝刊 2009年1月1日付 朝刊

 環境コミュニケーションは、主にテレビCMと新聞広告で展開している。メディアの使い分けの中で、新聞に期待する役割について大居氏はこう話す。

 「テレビCMは提供番組のクオリティーの高さとイメージが当社のブランド力とうまく重なり合い、安心感と信頼感を浸透させることができます。ただ、私たちの商品はBtoB分野のものが多く、一般生活者がイメージしづらいことも少なくありません。30秒・60秒の限られた時間では、当社の環境に対する取り組みをすべてお伝えすることはなかなか難しい。それを補う意味でも、紙媒体、特に新聞は、多くの生活者にしっかりとメッセージをお伝えすることができるので最適だと考えています」
 中でも「GLOBE」に掲載した理由について、大居氏はこう続ける。

 「『GLOBE』は、創刊されて間もないのですが、斬新な紙面構成で記事のクオリティーも高く、本紙から抜き取って長期間保管されることもあり、じっくりと読んでいただける媒体だと思います。BtoB分野でターゲットとするビジネス層の接触率も高く、当社の紙媒体に求めるものと合致します」
 掲載された原稿は3.5段分の変形広告だが、通常全15段広告にあるものを凝縮させたイメージだという。

 「『GLOBE』の変形広告枠は、全15段のクリエーティブを継承しつつ、スペースが小さい分、複数回掲載することで接触率・認知率を高めることができると考えます。小さなスペースで文字が多いという意見も社内ではありましたが、我々のメッセージがしっかり伝わる広告スペースだと思います」

創業百周年に向けインナー改革も

1/12 GLOBE フロント面(G-1)

2009年1月12日付 GLOBE
フロント面(G-1)

 日立製作所は2010年に創業百周年を迎える。「99年分の日立の技術が、2009年の地球にできること。」のコピーが目を引く2009年の元旦付けの紙面は、今年1年間の日立グループの意気込みを表現している。明るく、希望に満ちた新年らしい日の出と、様々な領域で貢献している社会インフラをイメージした街の風景を組み合わせたビジュアルは、未来志向で温かな空気感が漂う。「創業百周年は、お客様への感謝はもちろんですが、社員の心を一つにするまたとない機会だと考えます。今年は厳しい試練の年になります。一人ひとりができることを自ら考えて取り組み、いい形で百周年を迎え、その後の百年につながるような礎となる一年にしたい」と大居氏は力強く語る。

 環境コミュニケーション活動は、2010年度まで、さらに具体的な日立グループの取り組みを紹介していくという。「モノづくりを通じた環境保全への取り組みという基本コンセプトは変わりません。我々の事業を個別に紹介していくだけでは、点にしか見えません。2009年度はその点が線になり、面となるようなコミュニケーション活動の展開を考えています」と大居氏は結んだ。

 創業百周年を迎える同社の次のメッセージが楽しみだ。

(篠)

1/12 GLOBE3面(G-3) 2009年1月12日付2 GLOBE3面(G-3)
2/16、2/2 GLOBE 2009年2月16日、2日付 GLOBE