千葉銀行は2007年9月から朝日新聞の千葉県版で継続的に新聞広告を展開している。広報部マネージャーの小川洋文氏にお話をうかがった。
── タレント起用によるキャンペーンが展開された経緯は。
千葉県は面積が広く、東京に近い西側と南東側では市場特性が大きく異なります。当行にとって南東側は安定して高いシェアをもつ市場となっている一方、西側はメガバンクのシェアが高いエリアです。そこに住む人は都内に通勤している人が多いので、いかに地銀と接点をつくるかが課題となっています。
そんな中、団塊世代が大量退職する2007年問題が話題となりました。当行でも団塊世代が退職して地元に戻ったとき、地銀である千葉銀行と関係を築いてもらうべく、団塊世代に親しみのある酒井和歌子さんを起用し、06年からキャンペーンを展開しました。
── 新聞広告に出稿した狙いは。
キャンペーン開始当初は、テレビ広告と店頭ポスターを主に展開しましたが、それだけだと都心で働く団塊世代が目にする確率が低い。そこで、団塊世代に読まれている新聞広告に出稿しました。
── エリアを千葉県版に限定した理由は。
メガバンクは大量に広告を露出しており、それと差別化することを意識しました。県版だとスペースが限られることもあり競合は少ない。また、地域に特化した情報が掲載されているので、東京都民の感覚を持った西側在住の方々も、地域の情報を積極的に得ようとする面だと思います。その面に地銀である千葉銀行の広告を掲載するのは、親和性が高いと考えました。
── 反響は。
来店された方からは、「この店頭ポスター、新聞広告に載ってたよ」「こんな商品もやってるの?」といううれしい声がありました。広告掲載後の調査でも新聞広告を覚えていた人が想定より多く、ターゲット層の購読率の高さを実感しました。
── 今後の広告展開について。
地域を活性化するために、これまでは地元に戻ってくる団塊世代にターゲットを絞っていました。今年からはプレ団塊層や30代・40代に対しても、ターゲットを広げキャンペーンを展開しています。
千葉銀行は「たいせつにします、ひと、みず、みどり。」をスローガンに掲げ、福祉・教育活動、水質保全活動、緑化活動に取り組んでいます。地域とともに発展し、活性化していきたい。その気持ちはCSR活動だけでなく、商品・サービスでも同様です。単なる商品広告ではなく、そうしたメッセージも読者に伝えていきたいと考えています。