平成最後の正月を彩った新聞広告

平成の「正月」も、2019年が最後。朝日新聞にも、印象に残るクリエーティブの広告が、数多く掲載されました。新しい時代(元号)を目前に、一歩踏み出してみよう、新しいことを始めよう、自分や社会を変えていこう、といった企業メッセージを発信した広告が多かったように思います。次の時代への期待を予感させる、そんな平成最後の正月を彩った新聞広告のいくつかを、広告主の声とともに紹介します。

幸楽苑

平成30(2018)年12月31日付 朝刊 302KB

○出稿の意図・狙い

 「創業から64年、正月に休んだことはなかった。しかしサービス業とはみんなが休む日に働くことではない。これまで頑張ってくれた社員に休んでもらい、家族と過ごしてもらいたい」と2018年11月の就任時に当社社長が話すのを聞いたとき、この思いを広く世の中に伝え、「働き方改革」への小さな一滴にできれば、と願いました。正月は当社にとってはかき入れ時。2億円を強調するのはややあざといかもしれませんが、会社も相応のリスクを負うことを伝えることで、働き方の議論がより活発になればと思います。

◇反響・評価

 社内の反響は非常によく、社長宛に手紙を出して感謝を伝える社員もいました。お客さま含め多くの方からもSNSや手紙などで好意的な意見をいただき、「家族で過ごしてもらいたいという思い」が少しでも伝わったのではないか、と感じています。

広報マーケティング部 平松葉月氏

スクウェア・エニックス

平成31(2019)年1月1日付 朝刊 1.0MB

○出稿の意図・狙い

 かねてよりドラゴンクエストシリーズと縁が深い「新しい地図」の3人と、もう一度ドラゴンクエストでご一緒したいという思いから企画がスタートしました。『星のドラゴンクエスト』は、累計1,900万ダウンロードを超え、多くのお客様に楽しんでいただいています。2019年から4年目のシーズンを迎えるにあたり、まだお届けできていないお客様に、本作の魅力を伝えていきたいと考えています。

◇反響・評価

 広告展開では、非常に多くのお客様から好評の声をいただきました。このキャンペーンを目にして、これを機に『星のドラゴンクエスト』を始めてみた、最近遊んでいなかったけれどもまた再開した、という方が多くいました。このような声をもらえて大変うれしく思います。

第6ビジネス・ディビジョン マーケティング&PR 村上洋平氏

メルカリ

平成31(2019)年1月3日付 朝刊 394KB

○出稿の意図・狙い

 1月1日および3日の新聞は非常に注目度・注視度が高いため、特に「三日坊主」に着目したキャンペーンとして3日を選びました。新聞広告の「実物にある広告としての力」を最大限活用したいと考え全15段広告とし、広くお客様にリーチできる朝日新聞での出稿を決めました。

◇反響・評価

 新聞に関するツイートは2日で10,000件以上発生しました。わずか数時間で、クリエーティブの違う3バージョンの答え合わせが、自然発生的に行われました。また当日、アプリのインストールが大きく伸びました。

シニアマーケティングディレクター 南坊泰司氏


伊藤忠商事

平成31(2019)年1月4日付 朝刊 352KB

○出稿の意図・狙い

 当社の歴史は常に次世代化という進化の連続でした。平成最後という時代の大きな変わり目の中で、様々な個性を持つ社員がひとつの流れになって進んでいく姿を描いています。当社の経営計画のテーマである「いざ、次世代商人へ」をイメージして、「すすめ商人。次の世へ。」というコピーを添え、当社が今まさに未来に向かう姿を表現しました。

◇反響・評価

 社内外の多くの方から応援や励ましの言葉をいただきました。「イラストとして躍動感があり、未来に向かって突き進む姿が見える」「新年や正月にふさわしい広告」「キャッチコピーの『すすめ商人。次の世へ。』の語呂が印象的」などです。社員からは「全社的に次世代を意識した取り組みを推進している中、まさにタイムリーで、的を射た内容」という声がありました。

広報部企画・制作室 関川 梓氏

東京海上日動

平成31(2019)年1月4日付 朝刊 724KB

○出稿の意図・狙い

 2019年は、東京海上日動創業140周年の年です。創業当初から受け継がれるチャレンジ精神のもと、今までもこれからも、より良い未来のために挑戦を続けていく、という当社の思いを、あらためてお伝えしました。
 損害保険の原点である「大航海」を力強く描くことで、どんな荒波にも挑み、前進していくことを表現しています。また、「新しい年の始まり」=「船出」という意味も込めています。

◇反響・評価

 多くの方から反響をいただきました。「シンプルでダイナミックなデザインがよい」「東京海上日動の歴史や思いを感じた」「東京海上日動が東京2020大会のゴールドパートナーであることを初めて知った」等の声が多数寄せられており、当社をあらためて知っていただけたのではないかと思っています。

広報部・広告宣伝グループ 栃谷尚美氏、菅原頌子氏


P&Gジャパン

平成31(2019)年1月7日付 朝刊 239KB

○出稿の意図・狙い

 「美しい髪によって、女性が一歩前に踏み出す勇気をサポートする」という、パンテーンのフィロソフィーが込められたのが「#HairWeGo さあ、この髪で行こう。」キャンペーンです。読者の皆さんが「こうあるべき」という固定観念にとらわれることなく、新たな年・仕事始めを自分らしく、前向きにスタートすることを後押ししたい、と考えました。

◇反響・評価

 グレーヘアで話題になった近藤サトさんと、爆毛赤ちゃんとして世界中で人気者のbabychancoとのコラボレーションは、パンテーンにとって大きなチャレンジでした。朝日新聞の広告をきっかけに、日本のみならず、全米大手放送局、権威ある海外情報誌など、世界中で想像を上回る反響をいただきました。P&Gのグローバル本社からも、日本から世界へと大きな話題を生むことができたキャンぺーンとして、高く評価されました。

ヘアケア事業部 アソシエイト・ブランド・ディレクター 大倉佳晃氏