広告朝日13号「広がる健康機能消費」のCOVER PICK-UP ARTは青木美歌氏の「Transmigration」です。
リング状に連ねたガラスの球体。小さな気 泡を含んだ透 明なガラスの球は、光の当たる角度によってキラキラ と表情を変えていく。作品のタイトルは「Transmigration」。輪廻(りんね)という意味だ。
「原始的な細胞から今の私にまで脈々とつながっている生命。そんな目に見えるようで見えない“生命の在(あ)りよう”をテーマに作品を発表してきました」と、ガラスアーティストの青木美歌さん。胞子や菌類などをモチーフにした緻密(ちみつ)で繊細な作品は、バーナーワークや吹きガラスの技法を用いて一つ一つ丁寧に作られ ている。
「ガラスは高温で加熱するととろとろに溶け始めるので、自分が思い描く形になった瞬間を捉えるためには一瞬たりとも気が抜けない。制作中はまるで火とガラスと自分が溶け合うように集中しています。大変ですが、私にとっては楽しい時間です」
少女時代を北海道で過ごした。薄墨色の空から突然ふわふわと舞い落ちてくる雪や、暗闇の中で街灯に照らされ美しく浮かび上がる雪景色を目にしながら育った影響は、作品づくりにも強く反映されているという。
「一昨年までの2年間、ロンドンで学んだことで、陶芸や絵など他の技法も合わせながら、表現の幅を広げたいと思うように変わりました。これからも、私自身が見たい空間を自分の手で創っていきたいと思います」
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クリエーターインタビュー
ガラスと光で表現する「生命の在りよう」 ガラスアーティスト 青木美歌氏