新たなライフスタイルの提案ができる商品と「感動」を創造し、100年企業へ

 「パーフェクトワン」ブランドを始めとする化粧品や医薬品、健康食品の開発・製造・販売を行う新日本製薬。化粧品通販市場をけん引する同社代表取締役の後藤孝洋氏に聞いた。

──創業3年目に新日本製薬に入社されました。当時はどのような会社の雰囲気でしたか。

新日本製薬 代表取締役 後藤孝洋氏後藤孝洋氏

 当時は主に健康茶などの健康食品を販売していましたが、社員一人ひとりが「この会社の未来を自分たちが担っている」「やってみよう」「こう改善しよう」という熱意に燃えていて、とても活気がありました。現在の主な流通チャネルは通販ですが、当時は営業が自ら配達して商品を説明していました。私もその一人でしたが、お客様からの「いい商品をありがとう」の言葉が何よりの励みでした。当社は営業と開発の距離が近く、お客様のご意見やご要望はすぐに開発に反映されます。そのスピード感が社の成長を押し上げたと思います。

──2005年、34歳で社長に就任されました。

 その前に専務を務めた時期があったので、自信を持って就任しましたが、「これほど責任の重さが違うものか」と、社長になって初めてわかることがたくさんありました。「社長の器以上に企業は大きくならない」と言われるゆえんを肌身で感じ、気合いを入れ直した覚えがあります。

──2006年に発売した「パーフェクトワン」がヒット商品に。「パーフェクトワン オールインワンジェルシリーズ」は今日までヒットが続いています。

 本社のある福岡から全国へと一気に市場が拡大しました。通販だからこそ実現できた急成長だったと思います。2010年以降は、カウンセリングを主体とした直営店を百貨店に展開。550以上のバラエティーショップや大型ショッピングセンターなどにも商品を展開させていただいています。そうした取引先からも「売れています」と喜んでいただけるようになったことが、本当にうれしいですね。

──「100年企業」を目指すうえで大事にしていることは。

 当社は「お客さまには最高の満足と信頼を 社員には幸せと未来への夢を 私たちは社会に貢献する企業として 限りなく幅広い発展をめざします」という経営理念を掲げています。会社の成長とともに組織の規模やビジネスの形態が変化しても、時代のニーズに応じてビジョンやサービスを変えたとしても、理念だけは変えずに継承し、お客様に必要とされる存在であり続けたいと思います。

 新たに「感動創造」というバリューも掲げました。感動は一人、または一つの部門では生み出せません。全部門が一丸となり創造し、お客様と接する部門がその喜びを受け取る。そして、お客様からいただいた感動の声を社員から社員へとリレーしていくことで、次の「感動創造」につながるはずです。人は、1度感動したことには再び感動しません。常に新しい感動を創造できるような企業文化を目指しています。

──研究開発において注力していることは。

新日本製薬 代表取締役 後藤孝洋氏

 当社の研究開発のテーマは、新たなライフスタイルの提案です。例えば、化粧水、乳液、美容液などの機能がひとつになった「オールインワン美容液ジェル」は、時短ケアができて価格も手頃。現代人が求める「シンプルスキンケア」というライフスタイルに一つの価値を生みました。常に未来のライフスタイルに思いをはせ、画期的な商品を生み続けていきたいと考えています。

 また当社はコラーゲン研究に力を入れています。皮膚の約7割を占めるといわれるコラーゲン。コラーゲンは年齢とともに量が減少し、質も変化すると言われており、そのような変化に対し、特性を見極めて機能が異なる7種のコラーゲンを独自に組み合わせた「複合型コラーゲンEX(整肌保湿成分)」を開発しました。パーフェクトワンブランドの各アイテムに合わせたコラーゲンを厳選し多くの商品に配合しています。

──海外展開の展望は。

 ここ数年、インバウンド需要が伸び、「シンプルスキンケア」への評価が広がっています。当社の商品と新しいライフスタイルを日本からアジアへ、アジアから世界へと広げていきたいと考えています。

──リーダー信条は。

 リーダー信条は、「おかげさまの心」。座右の銘は、「感謝はするもの。されるものではない」。お客様のおかげはもちろん、社員のおかげという思いも強くあります。今の会社の成長があるのは、社員一人ひとりの頑張りがあるからです。通販ビジネスに関していえば、雪が降っても商品をお客様にお届けできるのは、配送会社の皆様のおかげ。パートナー企業含めてすべての方に感謝する気持ちを忘れないでいたいですね。

──愛読書は。

 19歳の時に出合った『思考は現実化する』は、自分の可能性に自信を持たせてくれた本で、今も時折読み返しています。『日本でいちばん大切にしたい会社』は、経営改革の指標とした一冊です。

後藤孝洋(ごとう・たかひろ)

新日本製薬代表取締役

1971年福岡県生まれ。95年新日本製薬入社。98年部長。2001年専務。05年12月から現職。

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(全国版掲載。各本社版で、日付が異なる場合があります)

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