COVER PICK-UP ART

 広告朝日24号「ブランドリフト ─新聞広告の可能性再考」のCOVER PICK-UP ARTは、映像作家/コミュニケーションデザイナー 清水良広氏の「TDKオーロラプロジェクト」です。

広告朝日24号

 360度カメラによる円形のビジュアル。これは2017年、2億ピクセルという超高解像度で撮影したオーロラの360度映像の静止画だ。TDKが主宰したプロジェクトで、映像作家の清水良広さんは、武蔵野美術大学在学中に技術スタッフとして携わった。撮影場所のアラスカに1週間滞在し、現地のカメラマンに撮影方法を伝授。現地クルーが1カ月以上かけて、世界最高レベルのオーロラ映像の記録に成功した。

 「オーロラ研究の第一人者である国立極地研究所の片岡龍峰准教授が中心となり、ソニーのα7RⅡというカメラを6台組み合わせて360度カメラを自作し、撮影しました。僕が担当したのは、個体ごとに微妙に異なる6台のカメラで撮影した膨大な画像データをソフト側で調整・ステッチするという作業です。もともと僕は360度映像を合成した経験もあったので、カメラの撮影ディレクションもサポートすることになりました」

 360度映像のデータ加工も、清水さんが手がけたという。完成した映像は、TDKオーロラプロジェクトの特設サイトで公開している。

 清水さんは、大学在学中から自ら営業をして映像制作の仕事を始め、頭角を現してきた。今春、大学を卒業し、現在は映像作家としてフリーランスで活動しながら、 AV機器メーカーで技術開発とプラットフォームデザインにも携わっている。「今、注目していることは、映像技術とその活用方法に関することです。僕が大学生で映像が撮れるようになったのも、カメラやソフトが進歩してきたからこそ。そんな誰もが使える新しい技術を生み出したり、みんなが楽しめるサービスを開発したりする、映像にまつわる事業に関心があります」

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クリエーターインタビュー
学生の頃から培った、デジタルネイティブに足りない経験値 清水良広氏