新聞広告の日に、4社合同で高齢者にスマホサービスの便利さを訴求。利用者を増やすとともに、ブランド力向上につながる

 新聞広告の日(10月20日)の朝日新聞朝刊に、スマホサービスを展開する4社による合同広告プロジェクト「高齢者にこそ、最新のスマホサービスを。」が掲載された。この企画は高齢者の読者が多い新聞メディアを活用し、スマホサービスの価値を発信することで、日本社会全体のDXへの寄与を目指すもの。企画・制作は三浦崇宏氏率いるThe Breakthrough Company GOが担当した。このプロジェクトに協賛した理由や反響などを、レシート買取アプリ「ONE」を展開するWED株式会社CEOの山内奏人氏に聞いた。

課題は高齢者への認知を広げ、もっとアプリを使ってもらうこと

 「ONE」はスーパーやコンビニのレシートを1〜10円で買取り、現金化するサービスだ。一般の人にスマホアプリで撮影してもらうことで集めたレシートは、すでに2億枚以上。その膨大な買い物情報をマーケティングデータとして企業に提供する。それが同社のビジネスモデルだ。
 「ONE」は2018年6月にサービスを開始すると、「今まで捨てていたレシートがお金になる」と大きな話題を呼んだ。口コミやSNSで噂が広がり、テレビ番組でも度々取り上げられた。WEDでもアプリの利用者を増やすために、デジタル媒体や地方テレビ局のCMなどでプロモーションを行ってきた。その結果、利用者は右肩上がりで伸び、現在、累計利用者は280万人のサービスにまで成長している。(2021年12月時点)

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山内氏

 「おかげさまで今では20代、30代の女性から大変支持されています。ただ私どもでは年齢や性別に関わらず、あらゆる層の買い物データを必要としています。とりわけスーパーによく行かれる高齢者のユーザーを増やしたいとの思いがありました。ただ50代以上の方に『ONE』はあまり知られておらず、利用者も少ないのが現状です。『ONE』をもっと幅広い方々に使っていただきたい。そう考えていたところ、この企画のお話しをいただき、チャレンジしたいと思ったんです」と山内氏は協賛の理由を語る。

社会的意義もある新聞広告への協賛が、企業としての信頼度、ブランド力向上につながる

 今回のプロジェクトは「ONE」をはじめオンラインマルシェの「Sante!モール」や「出前館」、タクシーアプリの「GO」といった4つのスマホサービスを、高齢者にわかりやすく伝えるもの。高齢者のスマホやデジタルサービスの活用を促す啓発活動として、社会的意義もある取り組みだ。
 「今回、ご一緒させていただいたサービスはどれも僕自身が使っているものばかりです。利用者として、このような便利で新しいサービスこそ年配の方に使っていただきたいとの思いがありました。そのための働きかけを一種の啓発活動として行えたのも、報道機関である新聞メディアの企画ならではだと思います」
 WEDでは広告出稿予算をデジタルか非デジタルかではなく、「ユーザー獲得のため」か、もしくは「サービス認知のため」かで分けている。実は2021年度は獲得のための予算しか用意していなかった。しかし今回のプロジェクトの社会的意義や同社にとってのメリットを考え、追加で予算を確保し、協賛を決めたという。
 「私どものように社歴が浅く、小さな会社が15段の新聞広告を打つことはとてもチャレンジングなことでした。でもせっかくの機会を逃したくなかったんです。結果的に、思い切って協賛して良かったと思います。新聞広告の日というモーメントをとらえた企画としての話題性もあり、多くのメディアで取り上げられました。取引先ほかビジネスパートナーの方からは『新聞で全面広告を打てるなんてすごいですね』との声をいただきました。新聞という信頼性の高いメディアに広告を出したことで、企業としての信頼度やブランド力は大いに高まりました。それは今後の長期的な成長を考えたときに、大きなメリットになると考えています」
 今回の新聞広告出稿はあくまでサービスの認知が目的だ。しかし実際に利用するシーンを紹介するビジュアル、シンプルでわかりやすい使い方説明など、ターゲットである高齢読者の共感を呼ぶクリエーティブの効果もあり、思っていた以上にユーザー獲得面での成果もあったという。
 「掲載日だけでなくそれ以降も、この紙面をきっかけにしたであろうアプリのインストール増加が見られました。高齢者の方に一度『ONE』を使ってみようと思っていただくための、良い訴求ができたと思います。おかげさまで現在、『ONE』の利用者の年齢層は明らかに高くなっています」
 クリエーティブに関しては4社合同企画のため、基本的には定型フォーマットにのっとったものだった。しかし初の新聞広告ということもあり、コピーの細かな文言や印刷の色味まで、チーム全員でこだわりを持ってつくり、入念にチェックした。
 「掲載まで広告紙面をスマホ画面で確認していたので朝、4社の広告が並ぶ新聞紙面を見た時は壮観でした。やはり新聞紙面の大きさはインパクトがあるとあらためて思いました」
 現在、同社ではこの広告紙面を額装し、オフィスに飾っている。

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2021年10月20日付 東京本社版朝刊1.3MB

オンラインとオフラインをいかに結びつけ、価値を生み出すかが重要

 「消費の未来を追求する」をミッションに掲げるWEDでは今年、ONEから提携サイトで買い物をすると購入価格の1〜10%が還元される「ONE ショッピング」という画期的なサービスも立ち上げた。他にも新たなプロダクトやサービスの構想があり、今後も「消費の未来を追求する」挑戦を続けていく。
 「『ONE』に限らず、私どものサービスのユーザーターゲットは買い物をされている方すべてです。あらゆる世代や属性の方に支持され、使われることを目指しています。そういった意味でも、今後もYouTubeなどのデジタルメディアはもちろん、新聞などオフラインの媒体の特性もフルに生かしながら、プロモーションを継続していくことが大事だと考えています」
 そう語る山内氏に、最後に新聞メディアの良さや新聞社への期待を伺った。

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 「ネットの世界はレコメンド機能により、自分が興味関心をもつコンテンツばかり楽しむ方向へ向かっています。それとは逆に、興味関心がないもの、それまで関わりがなかったものとの出会いや発見がある。そこが新聞メディアの良さであり、重要性だと思います。もはや紙とデジタル、オンラインとオフラインの区別は無意味です。両者は二者択一するものではありません。私どもが展開するサービスもすべて、オンラインとオフラインを結びつけたものです。この二つをいかに組み合わせて、新たな付加価値を生み出すかが重要です。新聞社にもこの二つをうまく活用しながら、新聞メディアの特性や長所を生かした優れたコンテンツを、これからも生み出し続けていただきたいと思っています」

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2021年10月20日付 東京本社版朝刊 「新聞広告の日企画」・扉ページ 1.2MB