住友林業が挑んだ「伝わる」コミュニケーション設計とは? 朝日新聞(デジタル版)での3回シリーズタイアップコンテンツ事例

 企業が理念や世界観を社会に届けるには「伝え方の工夫」が欠かせない。住友林業は誰もが快適に、安心して暮らせる家づくりを目指す「お客様をおもう設計思想」を伝えるため、朝日新聞(デジタル版)に3回シリーズのタイアップコンテンツを展開した。現場の建築士や資材開発の担当者、協業先の代表が登場し、具体的な実践を通じて考えを伝えるシリーズ構成の意図や狙い、反響について住友林業営業推進部マネージャー・岡本氏に聞いた。

住友林業の「お客様をおもう設計思想」を伝えるための3つの広告展開の意図とは?

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──今回の広告シリーズを通じて、どのようなメッセージを伝えたかったのですか

 住友林業では、住む人それぞれの視点に立ち、家族構成、ライフスタイルの違いを問わず、誰もが快適に安心して暮らせる家づくりの考え方「インクルーシブデザイン」を掲げています。その価値について社内外に伝えることが目的の一つでした。
 ただ、インクルーシブデザインという言葉に耳慣れない方は多いと思います。
 そこで、多角的なテーマでシリーズ広告を組み立てることで、住友林業の家づくりにこの思想が一貫して息づいていることを、自然な形で伝える必要がありました。

住友林業岡本氏(px再変更)

住友林業の「邸宅設計」がかなえる住む人の暮らしと人生を豊かにする家づくり

──3回シリーズの初回は、個々の要望に応える自由設計の価値を伝えました

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 インクルーシブデザインの根底にある「一人ひとりの感性や価値観を尊重する姿勢」を体現する実例として、私たちが長年培ってきた「邸宅設計」の取り組みを紹介しました。
 「邸宅設計」は昨年10周年を迎えたプロジェクトで、お客さまのご要望ひとつひとつに耳を傾け、住まう人の暮らし方に寄り添い、自由設計により唯一無二の「理想の邸宅」を設計することを大切にしてきました。
 この回では、数々の「邸宅設計」に携わってきた建築士が、大空間を実現する「ビッグフレーム構法」や、木の美しさを最大限に活かす設計、サウナ・バーコーナー・書斎などの特別空間の提案、高い耐震性などの特徴についてお伝えしています。
 東京都世田谷区にある駒沢公園ハウジングギャラリー内の住友林業のモデルハウスで撮影を行い、理想の邸宅を実際にご覧いただける情報を提供できたことも良かったと思います。

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木を知り尽くした住友林業が追求した素足から自然を感じるPRIME WOODの床

──第2回では、素材へのこだわりと調達力についてお伝えしました

 空間設計だけが、暮らしの質を左右するのではありません。肌に触れる床や建材といった素材にも、住友林業の思想は反映されています。
 この回では、私たちが長年取り組んできた木材へのこだわりや、持続可能性に配慮した調達と開発の姿勢を深掘りしました。

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 「PRIME WOOD」は、当社の木材調達力と職人たちの優れた加工技術から作られた高品質なオリジナル部材です。
 看板商品と言えるもので、カタログ・ホームページ・SNSでも訴求しています。
 企画ではそれらで紹介しきれない資材調達の裏話や、森林資源の持続可能性に配慮した取り組みなどを、世界中を飛び回っている弊社の資材開発部の担当が紹介しました。
 掲載写真は、神奈川県にある海老名ハウジングギャラリーで撮影。PRIME WOODが住まいの中でどのように活かされているのかを視覚的にもお伝えしました。

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誰もが豊かで幸せに暮らす家づくり住友林業が掲げるインクルーシブデザインとは?

──最終回では、シリーズの主眼となる「インクルーシブデザイン」を紹介しています

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 インクルーシブデザインが私たちの根幹にある思想であることを、あらためて明確に伝えるため、社会やビジネスのユニバーサルデザイン化に取り組む株式会社ミライロの垣内俊哉氏と、インクルーシブデザインの思想を取り込む建築デザイン部長との対談形式で展開しました。
 実践者同士の対話を通じて、単なる理念ではなく、具体的な行動と成果をお伝えできたと考えています。
 弊社の全従業員が「ユニバーサルマナー検定」(高齢者や障がい者など多様な人々と向き合うためのマインドやアクションを身につけるための検定)を取得していることや、ミライロとの協業による社内教育・建築部材開発の取り組みなど、インクルーシブデザインを徹底している姿勢を伝えられたのが大きなポイントでしたし、インナーコミュニケーションとしても意義のある回だったと思います。

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反響を通じて朝日新聞社のコンテンツ制作力を実感

──タイアップに朝日新聞(デジタル版)を選んだ理由についてお聞かせください

 富裕層をターゲットとしたビジネス誌なども検討しましたが、インクルーシブデザインの考え方や、住友林業の取り組みを深く知っていただきたかったので、読者層が幅広く、しっかりと文章を読んでいただける朝日新聞メディアが最適と考えました。
 朝日新聞(デジタル版)を選んだのは、住宅に関する情報をデジタルメディアから入手する傾向が年々高まっているからです。
 また、デジタルでのタイアップは記事末尾に自社サイトへのリンクを設置できる点や、コンテンツがアーカイブとして残り、過去のシリーズも読まれやすい構造になっている点も大きな魅力でした。各回の情報にアクセスしやすく、全回を通しで読んで再確認したりできる点もよかったと感じています。

──広告の反響はいかがでしたか

 特にインクルーシブデザインの回は、社内からの反響もありました。協業先のミライロ社からも好意的なフィードバックをいただきました。また、各記事から自社サイトへの流入もあり、しっかり読んでいただけていることを実感しています。
 盛りだくさんの内容がストレスなく一気に読める構成で、文章量もちょうど良かったと思います。朝日新聞社のコンテンツ制作力の高さを実感しました。

──今後の展望について教えてください

 今回のシリーズを通じて、商品やブランドの背景にある思想を丁寧に伝えることで、読者に深い理解と共感を得られることをあらためて実感しました。
 今後は商品訴求についても強化していける可能性が大きいと感じています。
 例えば、住友林業は今年5月、ルームエアコン1台と調湿機能付き換気装置で家全体を快適に保つオリジナル全館空調システムを発売したのですが、SNSでは「住友林業といえば木のイメージ。空調システムを開発していたのは意外!」という驚きの声が上がっていました。
 そうした「ギャップ」が反響につながるというのは我々としても発見でした。皆さまに周知されている強みはもとより、まだ我々が認識していないギャップも見つけて発信していけたらと思っています。

▼住友林業の「インクルーシブな家づくり」朝日新聞(デジタル版)3回シリーズ広告はこちら