広告朝日15号「ソーシャルに拡がるマスメディア」のCOVER PICK-UP ARTは牧かほり氏の「シルエットの語りごと」です。
どこか生き物を連想させるやわらかな曲線で描かれたグラフィックは、2017年3月に香港で行われた、牧かほり氏の展覧会の作品だ。不可思議なフォルムは見る側のイマジネーションをかき立てる。
「言葉になる前のシンプルで余韻のあるあの感覚、そんなとらえどころのない気持ちを形にすることで、私たちの心の余白の部分を描いてみたかった。くしくもこれらのフォルムは、視覚化しにくいソーシャルネットワークにも、どこか通じるものがあるような気がします」
ソーシャルネットワークの発達で、アーティストを取り巻く環境も変わった。
「誰でも気軽に世界に向けて作品を発表することができる上に、その反応をダイレクトに受け取れる。アーティストが世に出るには、いい時代だと思います」
牧氏自身、世界中のクリエーターが作品を発表しているポートフォリオサイトが、米Apple社との仕事へとつながった。
「初めてiPad ProとAppleペンシルで描いたのですが、画材の一つとしての大きな可能性を感じましたね。新しいテクノロジーに関して私はポジティブ。それを使うことで自分がどう変わっていくかに興味があります」
変わっていくことこそが、生きている意味だと信じる。
「血の通った私たち、変化は自然なことだと思います。変わることで初めて見える景色があるはず。だから、思い切り地平まで駆けて行って新たな世界が見たい、いつもそう思っています」
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クリエーターインタビュー
一人ひとりが“表現”することで広がる世界 グラフィックアーティスト 牧かほり氏