デジタルメディア紹介記事
2026.01.09

熱量の音声メディア「朝日新聞ポッドキャスト」媒体・コンテンツの魅力にとことん迫る

朝日新聞ビジネス・ハブ編集部
熱量の音声メディア「朝日新聞ポッドキャスト」媒体・コンテンツの魅力にとことん迫る

朝日新聞ポッドキャスト(以下、朝ポキ)は、新聞社の記者が取材の裏側や専門的なニュース解説を「声」で伝える音声メディア。朝ポキのメインパーソナリティーを務める朝日新聞社コンテンツ編成本部 音声ディレクターの神田大介氏に、番組の立ち上げからコンテンツの内容、そしてAI時代の情報の届け方などについて聞いた。

インタビューの内容はポッドキャストとして収録し、現在公開中(▼記事末尾)。
本記事では、その内容の一部をお届けしていく。

▼朝ポキの音声広告についてメニューや特徴など詳しくはこちら
https://adv.asahi.com/services/media/detail-m/16237576

 神田氏は、まず朝ポキの媒体特性について解説した。新聞購読者の年齢層が比較的高いのに対し、朝ポキのリスナー層は極めて若いのが特徴だ。具体的には、リスナーのおよそ3分の2が30代以下、20代が全体の約25%を占める。新聞とは大きく異なる層に情報を届けている。(数値は音声広告に強い株式会社オトナルと朝日新聞社の共同調査(n=10,000:15-69歳)による)

 2020年に立ち上げ、手探りの中で見えてきたのが「記者の体温、熱量」がリスナーに伝わるという点だ。

 音声では「この人が伝えるなら聞こう」という信頼関係が生まれ、報道主体が「朝日新聞社」から「朝日新聞の〇〇記者」へとパーソナル化されるという変化が起こっている。神田氏はこの「人間性」こそが、ポッドキャストの最大の強みであり、持続可能な報道の鍵だと強調した。

朝ポキ神田さん記事_記事内2

 2025年現在、新聞社が直面しているのは、デジタル化の波の先にある「AI時代の到来」。
「新聞社は紙の宅配だけでなく、デジタル版で間口を広げています。朝日新聞のデジタル版は2011年に始まりましたが、現在は、それをさらに発展させなければならない状況です」と、神田氏はこの課題をさらに掘り下げた。

 インターネットのウェブサイトへのアクセスの半分ほどはBOT(AI)だという調査もあり、人間がウェブサイトに直接アクセスしなくなる可能性についても言及。
 神田氏は、この状況下でメディアに何が残るかという問いに対し、「映像」、そして人間の本質に近い「音声」を挙げた。「体温や熱量」といった人間の本質的な要素は残るだろうという考えだ。

 朝ポキの立ち上げの経緯についても、話題が及んだ。神田氏は、特派員時代に記事のページビュー向上に取り組む中で、「編集後記」のような取材の裏話には読者の関心を惹きつける可能性があると感じたそうだ。

 たとえば、南米ベネズエラの悲惨な状況をルポした記者の「取材の裏側」を神田氏が聞き取り、記事化したエピソードは大きな反響を呼んだという。(▼詳細は記事末尾の音源にて)

 この取材の裏話を記事として公開したところ、通常の記事をはるかに上回るPVを獲得し、もとの記事へのアクセスも並行して伸長。有料購読者の増加にも貢献した。こうした裏側の深みを発信していく取り組みが社内で話題になり神田氏はポッドキャストを担当、現在の朝ポキの誕生につがった。

朝ポキ神田さん記事_記事内3

 コロナ禍からスタートした朝ポキは、現在5年目。時事性の高い「ニュースの現場から」をはじめ、7つのプレイリスト(番組)を展開している。

朝ポキ神田さん記事_記事内4_横長プレイリスト図【最終版】

 スタート後、番組の方向性に悩んだとき、アンケートフォームを活用してリスナーに相談したことがあった。すると過去に経験がないほどの長文の感想や提案が殺到したという。メディアの裏側を語る「メディアトーク」はその声をもとに誕生した。

 2024年には、新聞記事の専門用語を分かりやすく解説する「ニュースの学校」を立ち上げた。報道をより身近に感じてもらうためのプレイリストで、単語の意味を約10分で説明するという内容だ。

「例えば公職選挙法について、選挙の法律がどうなっているのか、なぜこういう法律になっているのかを説明します。そうすることで、より新聞記事や世界のニュースに興味を持ってもらえると考えています」

 今年は新たに『報談』というプレイリストも開始した。報談は報道と談話を組み合わせた造語で、ニュースをテーマにおしゃべりをするというコンセプトだという。

 「年に一度『ポッドキャストミーティング』というリスナーさんのお楽しみ会のようなイベントを開催しています」と神田氏。朝ポキ主催のイベントも話題となっている。

 例えば、その場で新聞を「組む」といった体験、朝日新聞社の紙面制作システムをスクリーンで公開するといった企画もあるそうだ。ユニークなのは、朝日新聞社のイベントであるにもかかわらず、リスナーさんが自主的に企画して運営するコーナーもあることだ。

「2025年のイベントは3部制で、第1部は記者たちの座談会、第2部はリスナーさんが企画運営するクイズ大会でした。クイズは朝ポキを聞いている人ならわかる内容で、正解すると景品がもらえるというものです」

 「ポッドキャストの最大の強みは、その離脱率の低さ」と神田氏。YouTubeなどの動画コンテンツが最後まで視聴されるのが1〜3割程度であるのに対し、ポッドキャストは7〜9割のリスナーが最後まで聴き続けるそうだ。

 ラジオとの大きな違いは、ポッドキャストには尺の制限がないこと。朝ポキには最長で3時間50分のエピソードも存在する。完聴率が高いことから、複雑な背景や文脈を「わかるまで説明」することが可能になり、活字では伝えきれなかった報道が可能になったと神田氏は語る。

サムネイル用_朝日新聞ポッドキャストMedia Guide_202510版_Page_01

朝日新聞ポッドキャスト メディアガイド

朝日新聞ポッドキャストの番組紹介やメディアデータの他、広告視聴態度やポッドキャストの国内利用実態調査レポートを含む資料集です。

朝日新聞ポッドキャスト 資料ダウンロード

 朝ポキは今後、二つの方向性で事業を拡大していく計画だという。一つ目はビジネス面の強化だ。現在、朝ポキへの広告クライアントが増加傾向にあり、この広告収入の拡大に伴い、無料で提供している番組の持続可能性を高めていく。

 二つ目は事業連携だ。ポッドキャストのコンテンツやリスナーコミュニティ、ファンミーティングといったリスナーとのつながりを、企業が抱える課題解決に結びつける新たな企画を構想していきたいと考えている。

 「AIと相互に補完し合いながら、人間ならではの報道の表現や可能性を追求し続けていけたら」と神田氏は話す。

朝ポキ神田さん記事_記事内5

 最後に、朝ポキの「おすすめの聞き方」について質問してみた。
「初めて聴く方には、5分、30分、1時間など自分の空き時間に応じた長さの番組を選ぶ『時間聞き』がおすすめです。たとえあまり関心がないテーマでも、音声のだいご味である思いがけない発見(セレンディピティ)を楽しむことができると思います」(神田氏)

▼本記事でご紹介した内容のほかにも、「朝ポキ」をより魅力的にするための準備や、書き言葉と話し言葉の違い、そして新聞購読への広がりといったテーマも語られています。以下よりぜひお楽しみください。

神田 大介(かんだ・だいすけ)

朝日新聞社コンテンツ編成本部 音声ディレクター


2000年に入社し、記者として宇都宮総局、金沢総局、名古屋報道センター、テヘラン支局長を経験。2020年から編集局コンテンツ編成本部の音声ディレクターとして、「朝日新聞ポッドキャスト」のチーフパーソナリティを務めている。