世界中のファンに届け!世界3紙で同時掲載
『ベルセルク』最新刊が発売。

 人気マンガ『ベルセルク』(三浦建太郎)の最新41巻が20211224日(金)に発売、朝日新聞、ニューヨーク・タイムズ、ル・モンド3紙で広告が掲載されました。(注:アメリカおよびフランスでは2022年夏の発売予定)。前巻から約3年3か月、全世界累計発行部数は5千万部(※1)を超え、世界中にファンを持つ本作の魅力と、今回のプロモーションの意図について白泉社宣伝部に伺いました。

累計発行部数は全世界で5千万部(※1)以上。『ベルセルク』が世界中で愛される理由

 『ベルセルク』は平成元(1989)年に連載開始のダーク・ファンタジー。巨大な剣を携えた主人公・剣士ガッツが異形の怪物と戦いながら成長する壮大なストーリーはマンガから火がつき、アニメやゲームと多層的な展開すべてが大ヒット。最近ではマンガバルセロナで最優秀青年マンガ賞を受賞するなど熱狂は海を渡り、海外版はアメリカ、フランスなど延べ20の国と地域で刊行され、累計発行部数は全世界で5千万部(※1)を超える。アメリカン・コミックスの出版社、ダークホースコミックスから豪華版『ベルセルク』が出版された際は、$49.99(日本円で約5,600円)という価格ながら飛ぶように売れたというのだから、その人気ぶりがうかがえる。『ベルセルク』が日本のみならず世界中で愛される理由はどこにあるのか、その魅力について、同社宣伝部はあらためて次のように話す。
 「まずは何よりも三浦建太郎先生の“画力”。一コマ一コマが‘絵画のレベル’とも言われるほど精緻なのですが、この画力こそが言葉を超えて世界中にファンを作り、愛される作品になったのだと思います」
 三浦建太郎氏の画力の魅力を語るのに印象的なエピソードがあるという。2021年9月10日(金)~23日(木・祝)まで池袋サンシャインシティ(東京)で開催された「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」(※2)での光景だ。「一人ひとりの方が絵の前で立ち止まる時間がとにかく長かったんです。ご来場いただいた皆様からは、細かい描写など線の1本1本も見逃さないぞという気迫を感じました。確かに三浦先生の原画は、これまで多くの原画を手にしてきた私どもから見ても凄まじいものがありました。ファンの皆様もきっと三浦先生の画力に改めて驚いたのだと思います」

※1 紙の書籍と電子版の合計発行部数
※2 「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」は現在、ひらかたパークイベントホール(大阪)で2022年1月30日(日)まで開催中。
 https://www.dai-berserk-ten.com/

 同社宣伝部は、『ベルセルク』が世界中で愛されている理由をもうひとつ付け加える。
 「三浦先生ご自身が、最初から世界を見据えていたということの影響は大きいでしょう。担当編集者が言うには、連載開始当初から一貫して“どの国の人が読んでもおもしろい”作品づくりを意識されていたそうです。日本から広がったというよりも、そもそもワールドワイドなコンテンツだったから世界中で読まれた、と捉える方が正しいと思います」
 『ベルセルク』公式Twitterで情報を発信すると、リプライやリツイートなどの反応の半分は海外からだそう。そのほか公式Twitterには、「#BERSERK」を付けたファンアートも、海外から多数届くという。さらには「イタリア人旅行者の方が“三浦先生にお会いしたい”と突然、白泉社を訪れたこともありました。そういう例は三浦先生以外で聞いたことがありません」と宣伝部。まさに海外ファンの熱狂ぶりを裏付ける出来事だ。

朝日新聞、ニューヨーク・タイムズ、ル・モンドに広告を同日掲載

 連載開始以来、世界中のファンが物語の続きを待ち望む作品となった『ベルセルク』。日本で最新41巻が発売となる2021年12月24日(金)に朝日新聞、ニューヨーク・タイムズ、ル・モンドに新聞広告が掲載され、世界3紙同時プロモーションを実施した。同社宣伝部は出稿の背景を次のように語る。

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 「弊社としても世界のファンの想いに応えたい、感謝を伝えたいという気持ちはずっと持っていました。同時にここ数年、デジタルの普及で一気にボーダーレスになり、マンガ市場が急激に世界へ広がったことも背景にあります。朝日新聞、ニューヨーク・タイムズ、ル・モンドの世界3紙同時プロモーションは日本の出版社としても例をみない試み。『ベルセルク』はまさにそのチャレンジにふさわしい作品だろうと判断し、コミックの人気が高い都市のクオリティペーパーへの掲載を決めました」
 当初はオールデジタルでの展開も検討したが、社内で話し合いを重ねるうちに新聞を活用する案へと着地したのだという。
 「新聞広告を使うことに決めたのは、まず三浦先生の画筆の魅力を最大限に届けられる紙の質感です。新聞ならではのサイズ感や、‘モノ’として手元に届けられることも大きな理由。デジタル上での画像データより、手元に届いた‘モノ’の方が人の感情を動かすと思いました」「また、新聞であれば同日に多くの人の手に届くことで一気に話題化を加速することができる。新聞を起点にソーシャル上での盛り上がりも期待しています。加えて、ファンが多い作品とはいえ世界中のすべての人が読者であるわけではありません。新聞という大きな器に掲載することによって、まだ『ベルセルク』を読んだことのない人達に向けたアプローチもできるのではという狙いもありました」と宣伝部は媒体としての魅力を語る。

 紙面デザインが3紙異なっているのも今回のプロモーションの興味深いところだ。

211224_berserkad_Asahi 朝日新聞
211224_berserkad_NYT The NewYork Times
211224_berserkad_LM Le Monde

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工場での試し刷り

 「朝日新聞とニューヨーク・タイムズに関しては、モノクロだからこそ伝えられる強さという視点でイラストを選定しました。実際に三浦先生のカラーのカットをモノクロで再現するのは大変で、朝日新聞の工場の方に試し刷りを何パターンもしていただいたんです。おかげさまで納得のいく仕上がりでお届けすることができました。ル・モンドは日本の新聞よりも少し縦長の判型、かつカラーだったので全身のイラストを入れたところ、非常にマッチしました」
 「また海外の2紙については初めてご覧いただく方にもマンガであることをきちんと伝えたいという意図があり、背景にマンガのコマをコラージュして配置しています。イラストはすべて最新刊からセレクト。41巻はファン待望の展開になっているので期待をしていただきたいですね」
 アメリカとフランスでの新刊発売は来年の夏。そこでニューヨーク・タイムズとル・モンドにはQRコードを配置し、ニューヨーク・タイムズでは『ベルセルク オフィシャルガイドブック』を2021/12/24から10日間無料で読める企画、豪華本やバーチャル背景のプレゼントを実施、ル・モンドでは最新刊の冒頭のエピソードが読める仕組みを作った。アメリカとフランスのファンにとっては思いがけないクリスマスプレゼントになったことだろう。

「#BERSERK」をつけて世界中のファン同士で語り合って欲しい

 紙面デザインは少し異なるものの、全紙に共通しているテーマがある。それは「言葉では多くを語らない」だ。
 「キャッチコピー案も複数出たのですが、最終的には三浦先生の絵の魅力を伝えるためには言葉はいらない、という判断になりました。“#BERSERK”を付けてみなさんがSNSに想いを書いていただければ、その言葉の一つひとつがキャッチコピーになるだろうと。海外のファンからはどうして同時発売じゃないんだというお叱りのご意見もいただくかもしれません。しかしそういったご意見も含めて、いろいろな声を交わしていただけることを期待しています。世界中の人が同じ作品で、同じタイミングで、同じハッシュタグを用いてそれぞれの想いを語る機会はそう多くはないでしょうし、お祭りとして大いに盛り上がってほしいと思っています。盛り上がれば盛り上がるほど、誰かの想いがキャッチコピーとなって、まだ『ベルセルク』を読んでいない人に届く機会も増えるはず。こうしてまたファンの輪が広がれば、白泉社の宣伝部としてはもちろん、いち『ベルセルク』ファンとしても嬉しい限りです」
 12月24日(金)は『ベルセルク』最新刊と同時に、三浦建太郎氏原作&プロデュースの完全新作『ドゥルアンキ』も発売となった。世界を巻き込んだ『ベルセルク』祭り、20211224日(金)はファンにとっては忘れられない一日になりそうだ。そして未読の人は年末年始に一気読みするのもおすすめ。白泉社宣伝部をはじめ、ファンはみんなこう口をそろえる。「これから『ベルセルク』を読む人がうらやましい」と。

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公式サイトはこちら https://www.younganimal.com/berserk/

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