江崎グリコ「アーモンド効果」 出荷待ち望む顧客に宛てたメッセージ広告が新聞読者に刺さった

 アーモンドをおいしく手軽に摂れる、江崎グリコ株式会社の飲料「アーモンド効果」。この商品のメッセージ広告が、2024年8月31日と11月22日に朝日新聞朝刊にそれぞれ15段全面を使って掲載された。本来は既存ユーザー向けに8月のみ出稿予定だったが、思いがけず新規ユーザーの獲得につながり、11月にも広告を展開することになった。同社広告部2グループ長の青野祥子氏に、その経緯や思い、新聞広告の可能性などを伺った。

出荷再開を待つユーザーに企業のメッセージを伝える

寄り正面 広告部2グループ長の青野祥子氏

 8月に「アーモンド効果」の広告が掲載された背景には、同社のシステムトラブルがある。トラブルの影響で出荷を停止していた「アーモンド効果」が、店頭に並び始めたタイミングでの出稿だった。

 「『アーモンド効果』を売り場で提供できない期間が、2024年春から数カ月続きました。その間、弊社のお客様センターに、日々愛飲していただいているお客様から『いつから発売するの?』など再開を待ち望む声をたくさん頂戴したのです。その声を私たちがしっかり受け取ったことを伝えたい、との思いで広告を出稿することになりました」と経緯を明かす。

新聞正面

 新聞広告の1行目には「他のじゃ、ダメなんです。」と実際に寄せられたユーザーの切なる声をそのまま記した。発売から10年が経つ「アーモンド効果」が、多くの人の暮らしに欠かせない存在になっていることを顧客の声で改めて思い知ったと素直に伝え、出荷を再開していることなども伝えた。メッセージを届けることを重視し、ビジュアルは「アーモンド効果」が入ったグラスと商品パッケージを載せたシンプルなものにしたという。

「私たちの思いを伝えるのに新聞広告を選んだのは、新聞とメッセージ広告の親和性が高いからです。デジタルよりも、新聞という紙で見せることで、Glicoとしての姿勢がより真摯に伝わると考えました。新聞広告は、私たち作り手の伝えたい気持ちが一番のる媒体だと思っています」

0831 2024年8月31日付 朝刊 全15段1.3MB

広告で伝えたユーザーとブランドの絆、ノンユーザーから思わぬ問い合わせ

 8月に出されたこの新聞広告は、既存ユーザーに向けて発信したものだった。ところが、新規ユーザーからの問い合わせが予想を超えて多くあり、新たに「アーモンド効果」をトライアルする人の獲得につながったという。

 「新規ユーザーへのアプローチを意図したわけではなかったのですが『どんな商品なの?』『どこで売っているの?』という声が多数寄せられ、驚きました。新聞広告で伝えたメッセージから、ユーザーと『アーモンド効果』の絆を感じ取り、この商品が気になったり、試してみたくなったりしたのだと思います」。

 社内の広告部やマーケティング部の社員からは、ユーザーとブランドの結びつきをさりげなく伝えた新しい新聞の活用法に可能性を感じ、「(『アーモンド効果』以外の)他のブランドでも同じような展開はできないか」という話が出たという。

青野氏が個人的に印象深かったのが、新聞広告掲載後にユーザーから「私の声がちゃんと届いていたのですね」という連絡があったこと。

 「おそらく、『他のじゃ、ダメなんです。』と言われたお客様だと思うのです。その方にメッセージがちゃんと届いて、本当によかったと思いました」

 メッセージを伝えたこの広告に手応えを感じたことから、1122日に新聞広告を再び掲載。ユーザーが「アーモンド効果」に出合った喜びを記した「これ飲んだら、長生きしなくちゃ」という言葉とともに、ブランドとして顧客の健康を支えたいという願いも記載した。


1122 2024年11月22日付 朝刊 全15段2.1MB

新聞は信頼性を担保して発信できる媒体、読者との双方向のコミュニケーションに期待

 「アーモンド効果」は、こうした新聞広告やテレビ広告などにより、出荷停止の期間を乗り越えて売り上げは回復傾向という。

 来期のマーケティングへの取り組みについて、青野氏は「より多くのお客様に『アーモンド効果』を楽しんでいただきたいので、マジョリティー層に向けたコミュニケーションを図っていきたいと考えています」と話す。

 「アーモンド効果」が発売されて以降、健康意識が高い人に向けてコミュニケーションを取ってきた。そのため、ユーザーではない一般層からは、「意識が高い人の飲料」と見られがちだった。

新聞右向き

 「今、一番推している砂糖不使用のタイプは、スッキリとしていて毎日飲むのに最適で、今回の新聞広告にもこの商品を載せました。お料理やお菓子作りにも使えてアレンジの幅が広く、牛乳や豆乳くらいスタンダードな飲料であることを伝えていきたいです。今後は、これまでの10年間から少し進化したコミュニケーションを展開していければと考えています」

 今回の15段の新聞広告では、メッセージを込めた形での出稿となったが、今後は新聞紙面以外の展開も期待する。

 「新聞は信頼性を担保した上で、メッセージをどんと発信できる媒体だと認識しています。紙面に限らず、例えば読者と対話するなど、双方向のコミュニケーションが図れるような形で一緒に取り組めたらと思います。朝日新聞の強みを生かし、『アーモンド効果』やGlicoの他のブランドとうまく合致する親和性の高い広告施策ができるといいですね」


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