水道管破損などのトラブルや施設の閉鎖といった社会インフラ関連のニュースが、全国各地で報じられている。一方、社会の急速なデジタル化への対応として、データセンターなどの新しいデジタル基盤の整備も求められる。人口減少社会を迎えて人材や財源に限りがあるなか、こうしたインフラの整備・維持・管理の問題を、人々はどのように考えているのか。
朝日新聞社は、社会課題を生活者がどう捉えているのかを可視化する「ソーシャルイシューインサイト調査」を行っている。今回は「社会インフラ」をテーマに実施した調査について報告する。
ソーシャルイシューインサイト調査
インフラ維持の方法、9割以上の人が「見直す必要性」感じる
今回の調査は2026年5月、全国の朝日ID会員のうち20~70代を対象に実施し、3,072件の回答を得た。
まず、既存のインフラの老朽化問題の認識について質問したところ、83.4%が「よく知っている」「ある程度知っている」と回答。さらに、既存インフラ維持のためにこれまでのやり方を変える必要性があると考えた人は92.8%にのぼった。
インフラの老朽化や、これまでとは異なる維持管理方法の必要性について、多くの人が認識していた。
また、近年各地で整備が進むデータセンターなどの「新しいデジタル基盤」について、「社会を支えるインフラの一部」と思うか尋ねたところ、全年代で9割前後が賛同していた。「社会インフラ」への認識が、道路や上下水道といった従来の設備だけでなくデジタル技術の領域にも拡張していると言えそうだ。
年代や地域によって注目されるインフラに違いも
「社会インフラの整備・維持・強化について、限られた予算や人手の中で、今後優先すべきだと思うもの」を複数回答で尋ねた。全体では「上下水道」、「(道路や橋などの)交通設備」「防災設備」などを挙げる人が多かった。
回答者の年代ごとに分析すると、高齢層は上下水道や交通設備に回答が集中。しかし若年層は「新しいデジタル基盤」への関心が高齢層に比べて相対的に高いなど、年代によって回答傾向に違いが見られた。
また、地域別に見ても、例えば北海道や四国地方では「公共交通機関」、北陸では「(学校・庁舎など)公共施設」がそれぞれトップ3に入っており、全国の傾向と異なっていた。一口に「インフラをめぐる課題」といっても、年代や地域によって意識に差がある項目があることがわかる。
「今後が不安」「現実の受容を」視点が交差する自由回答
調査では最後に「従来の社会インフラや新しいデジタル基盤の整備・維持について、あなたが不安に感じること、または知りたいことを自由にお書きください」と質問。回答は任意としたが、回答者の約半数にあたる1,623人が記入し、関心の高さがうかがえた。
【地域事情の訴え】
北海道在住であるため、都市部、地方での交通網の脆弱化に強い懸念を抱いている。(北海道地方/40代男性)
もうすでに、公共交通がとても不便です。田舎は切り捨てられてどうしようもないと思います。(四国地方/40代女性)
大雨で膝まで水に浸かったことがあるためきちんと整備をしてほしい。また地震で避難したことがあるため災害対策には力を入れてほしい。(九州・沖縄地方/30代女性)
【対応策への言及】
社会インフラの縮小は今後必須の課題だが、現実の受容が進まず、現状維持にこだわり続けているようにみえ、対策が後手に回っている感覚がある。(四国地方/30代男性)
人員不足などを理由とした施設や交通機関の削減が無条件で進んでいる。ならばAIなどによる自動化を進めるべきと思う。(北陸地方/70代男性)
回答では社会インフラの維持について、地域それぞれの事情や自身の体験を念頭においたコメントが寄せられた。特に人口減少が顕著な地方在住者の回答からは、インフラ老朽化の問題を、日常での実際の困り事として実感していることがみてとれる意見もあった。
一方で、インフラの縮小を受け入れることや、代替策について触れる回答もあった。
「インフラ維持への不安」を吐露する声と、「現状を見据えた対応の検討」を訴える意見が入り交じる結果となった。
コメントの裏側に回答者それぞれの生活がある中で、こうした多様な受け止め方、考え方に対応するためにも、それぞれの立場に寄り添った情報発信が求められる。
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朝日新聞社の「ソーシャルイシューインサイト調査」は、社会課題に対する生活者の意識や行動変容の兆しを可視化することで、企業・団体の商品開発、サービス改善、マーケティング、広報・PRに生かすサービスです。
会員数650万人を超える「朝日ID」会員への定量調査に加え、自由回答や定性調査も組み合わせながら、生活者が社会課題をどのように受け止め、どこで困り、どこに将来不安を感じているのかを立体的に読み解いています。
こうした調査は、単なる実態把握にとどまりません。社会課題や生活者課題、ライフスタイルの変化に対する認識を起点に、企業がどの論点に向き合うべきかを整理し、社会課題の解決と貴社の事業やサービスをどのように接続できるのか、どのような施策や発信が有効なのかまで、朝日新聞社が伴走しながら支援します。
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