「イージートーン」の魅力をファッション感度の高い朝日新聞の女性読者に効果的に伝える

 リーボックは、世界的に有名なフィットネスブランドだ。1895年の創設以来、革新的なテクノロジーとデザインを融合させた商品開発を手がけ、ウォーキング、スタジオフィットネス、ランニング、トレーニングなどフィットネスのトレンドをリードしてきた。履いて歩くだけでエクササイズ効果が期待できる「イージートーン」は、2009年の発売以来、幅広い年代の女性に大ヒットしている商品だ。2012年秋冬のキャンペーンでは、同年9月14日付朝日新聞朝刊に全15段、10月10日には広告特集『ボンマルシェ』内にタイアップ広告が掲載された。

知名度のあるイージートーン
「履くシーンをイメージできない」が課題だった

岡 香里氏 岡 香里氏

 2009年2月、全世界同時に発売された「イージートーン」は、ソールに空気の入った独自の「バランスポッド」を内蔵することで、まるでバランスボールの上にいるような「ふわふわした気持ちよい履き心地」をもたらす。歩くたびに自然にバランスを取ることによって脚とヒップの筋肉を効果的に刺激してくれる究極のエクササイズシューズだ。疲れにくく、着用するだけでエクササイズ効果が期待できると大きな話題となり、今ではリーボックの主力商品となっている。

 「イージートーンは、エクササイズ効果が期待できるシューズで、同時に日常生活での使用にも主眼をおいた商品なのでさまざまなファッションで楽しめるようにラインアップが豊富です。発売以来、春夏・秋冬の年2回、ニューモデルや新色を発表しています。2012年の秋冬のシーズンには新たにブーツタイプも加わりました」と話すのは、リーボックマーケティング事業本部 ブランドマーケティング マネージャーの岡香里氏。

 2012年の秋冬キャンペーンの立ち上がりとなった9月14日付の朝日新聞朝刊には全15段の新聞広告を掲載した。ブーツを履いた女性の軽やかな写真と、明るくポップな色使いが目を引くデザインだ。「メーンビジュアルは全世界共通で米国カリフォルニアで撮影されたものです。日本でリーボックのブランドイメージを調査すると、『カラーバリエーションが豊富』といった回答が寄せられます。そうした日本の消費者の声は本社に伝え、少しでも日本の売り上げに貢献できるように商品に反映してもらっています」

 キャンペーンを前に、イージートーンの現状と課題を見つけるための調査を行った。その際、回答者が「購入しない理由」としてあげたのが、「このスニーカーを履くシーンが思い浮かばない」というコメントだった。そこで、これまでの「シェイプアップや美脚に向けて歩くだけでエクササイズ効果が期待できる」といったテーマの切り口から、「日常的にイージートーンを履くことで、忙しいあなたでもラクしてきれいに」というメッセージに切り替えた。

 「発売当初から多くのモニターの方々にテストしていただき、広告やウェブサイトでは、体脂肪率の変化など具体的な効果を発信していました。ユニークな製品特性に共感していただいた方々にご購入いただけたと実感しています。とはいえ、ビジネスを拡大し続けるためにも現状に満足しているわけにはいきません。イージートーンをまだ経験していない方もいらっしゃいますし、すでに持っている方にはもう1足買っていただきたい。そのためにも、キャンペーン前の調査結果を踏まえ、次の広告ではエクササイズ効果だけではなく、オケージョン(着用シーン)拡大としてどのようなシーンで楽しく履けるシューズかを前面に打ち出していこうと考えました」

 新聞広告に期待する役割は、「マスメディアだからこそ、幅広い層に確実に届けられるリーチ力」と岡氏。「イージートーンに興味を持つ方は、きれいになりたいと自ら行動するアクティブな女性であると分析しています。新聞を読んでいる女性も積極的に情報を得ようとする知的な方だと思うんです。とりわけ、朝日新聞の読者は芸術やファッションに関心の高い方が多いというデータも参考にしています」と振り返る。

2012年9月14日付 夕刊 リーボックジャパン 2012年9月14日付 夕刊
リーボックジャパン
2012年10月10日付 朝刊 広告特集「ボンマルシェ」 2012年10月10日付 朝刊
広告特集「ボンマルシェ」

日本の消費者の細かいニーズに対応してリーボックのブランドを磨いていく

 全15段広告に加えて翌月10日には、広告特集『ボンマルシェ』内でタイアップ広告を掲載した。『イージートーンで巡る秋の鎌倉、一日旅』というタイトルで、「ボンマルシェリポーター」がイージートーンを履いて、友人と鎌倉を散策するという内容だ。『ボンマルシェ』は、30~40代の主婦層がターゲットの4ページフルカラーの広告特集。3年前に創刊した月刊特集で、新聞のセンター4ページに掲載されるので、抜き取って保存しやすいという特性もある。新聞購読者以外にも接点を設けるため、特集を増し刷りして朝日カルチャーセンターや紀伊國屋書店などでも無料配布されている。読者にとって有益な情報をクライアントのニーズに合わせて発信している。今回のタイアップ広告も、編集長との綿密な打ち合わせにより実現した。
「タイアップ広告の訴求ポイントは3つありました。新商品であるブーツタイプのラインアップの紹介と使用シーンをわかりやすく伝えること。それから履き心地の良さです。楽しく読んでいく中で自然と伝わるように記事に織り込んでいただきました。掲載した『ボンマルシェ』は、ターゲットを主婦に明確に設定している特集なので、商品との親和性も良いですね。魅力的なタッチポイントとして高く評価しています」

 新聞広告の掲載以降、お客様相談室の問い合わせが増えたという。キャンペーンは新聞広告のほか、テレビ広告、店頭告知、ウェブサイトと連動しながら行われた。「限られたマーケティング予算で効果を得るためには、マスメディアの力は必要だと思っています。一方、ソーシャルメディアやウェブサイトは効果測定が容易である点が利点で、これらもまだまだ開拓の余地があると思っています」

 今後の展開については次のように語った。
「商品に対する日本人のニーズは非常に細かく、欧米のモデルをそのまま販売してもヒットするとは限りません。独自に新しいデザインを開発したり、それを周知させるためのマーケティングの手法についても常に進化させたりする必要があります。エクササイズ効果だけでは飽き足らず、履き心地も良く、見た目も美しく、バリエーションも豊富でなくてはと思います。私を含め女性は本当に欲深い生き物なのです(笑)。もちろん、メーカーとしても商品が多く売れさえすればいいというものではなく、リーボックの商品を通じてライフスタイルの提案も行い、ブランドの価値を高めていきたいですね。それらを実現させていくためにも、これからも様々なメディアと協力しながら、メッセージを発信していきたいと思っています」